パナソニックの新しいミラーレスカメラとして「LUMIX DMC-GX7」が9月13日に発売された。最大の注目点は同社のミラーレスでは初めて、レンズ側ではなくボディ側に手ブレ補正を搭載したこと。さらに、可動式のファインダーや液晶モニターも装備。小型ボディに高機能を凝縮した見どころ満載の製品に仕上がっている。実機をお借りできたので、実写レビューをお伝えしよう。

パナソニック「LUMIX DMC-GX7」

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パナソニックのミラーレスカメラ「LUMIX G」シリーズは、製品のクラスやコンセプトに応じて「GH」「GX」「G」「GF」という4つのラインに大きく分かれている。今回取り上げるDMC-GX7は、上から2番目に位置する「GX」シリーズの最新作。2011年に発売された「DMC-GX1」の後継にあたり、ボディのデザインから、機能、操作性、エンジン、センサーまでのあらゆる部分を大幅に改良している。

まずは外観から見てみよう。ボディは、やや横長の長方形デザインを採用する。サイズは、ミラーレスカメラとしては特に小型というわけではなく、かといって大型でもない中くらいの大きさだ。外装はほぼ全面がマグネシウム合金で、グリップ部にはラバーを配置。しっくりと手になじむ持ちやすいグリップだ。

外見上の特徴は、液晶モニタに加えて電子ビューファインダー(EVF)を備え、その両方がチルト可動式であること。液晶モニターには、上向きに80度、下向きに45度の範囲で可動する広視野角タッチパネルを搭載。サイズは3型で、表示画素数は約104万ドット。明るい場所でもまずまずの見やすさを確保している。

大口径の標準ズームレンズを装着した状態

接眼部には自動切り替え用のアイセンサーを装備する

一方のEVFには、上方向に90度まで可動する約276万ドットのライブビューファインダーを採用。こちらも見やすさは良好で、被写体のディテールまでをくっきりと確認可能だ。非常に精細かつ立体感のある表示であり、色の再現性も美しい。ちなみに、こうしたチルト可動式のEVFといえば、ほかの多くの製品ではオプション扱いであり、装着時には大きくてかさばることが弱点だった。だが本モデルでは、接眼部がボディからやや突き出ているとはいえ、全体のスマートさを損なうことなくEVFの標準装備を実現している。機能性と実用性、携帯性を兼ね備えたボディデザインといえる。

モニターとファインダーを上に向けた状態

モニターは上下可動式で、静電容量式のタッチパネルにも対応する

さらにボディ天面には、外部ストロボ用のホットシューと、ポップアップ式の内蔵ストロボを搭載する。携帯性を優先したミラーレスカメラの中には、これらのホットシューや内蔵ストロボを省略するモデルもあるが、本モデルではすべてがそろった安心感がある。

内蔵ストロボをポップアップした状態

丸みを帯びたグリップでしっかりとボディを支えられる

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