レビューの前編では、テレビサウンドをめぐる現状とヤマハのデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP-1400」の主な特徴などについてご紹介した。後編となる今回は、実際に自宅のリビングにてYSP-1400をセットアップ。機能の詳細や使い勝手、そして気になるサウンドクオリティなどについてお伝えしていこう。

開封したばかりの「YSP-1400」は、複雑な配線などの付属品や分厚い取扱説明書もなく、従来のサラウンドスピーカーのイメージを良い意味で裏切るシンプルさだ

前編はこちら
【レビュー】テレビからスマホまであらゆるサウンドを大迫力で再生! - スタイリッシュなサウンドバー「YSP-1400」を使って楽しもう・前編

まずは気になるボディ周りをチェック!

さっそく箱からYSP-1400本体を取り出すと、付属品はリモコン、単4形乾電池が2本、光ケーブル(1.5m)が1本、取扱説明書、取付用テンプレートのみでとてもスッキリしている。ボディサイズは幅1,000mm×高さ96mm×奥行き141mm、重量は4.3kgと女性でも一人で持ち運ぶことができるほどのコンパクト・軽量さで、驚かされた。

ここで、テレビ前にYSP-1400を設置するまえに、筆者が個人的に非常に気になっていた本体に内蔵されたサブウーファー部分などをじっくりチェックしてみた。ボディの左右両端のスタンド部を見ると、スタンドそのものがサブウーファーという設計になっており、かなり斬新なスタイル。そのためスタンド部底面と背面には、大きな開口部が設けられているのも確認できた。

左右両端のスタンド部には、8.5cmの大口径ユニットを採用したサブウーファーが内蔵されている。背面にはバスレフダクトが配置され重低音の再生能力も高そう

従来の一般的なサブウーファーであれば、別途設置スペースを確保し電源とオーディオケーブルを接続することが必須だった。これらの作業は面倒だと感じることも多かったが、YSP-1400のような設計なら気軽にサウンドバーの導入を考えることができるだろう。なお、ボディの前面左側には、各種動作などを確認できるLEDインジゲータが、前面右側には入力切換、音量、電源などのボタンがシンプルにレイアウトされている。

いざ、 自宅に「YSP-1400」を設置!

さて、YSP-1400のボディチェックも一通り済ませたところで、テレビ前にサウンドバー本体を設置し接続してみる。付属の光ケーブル1本をテレビと接続すれば作業は一瞬で完了。ここで問題となったのが、テレビの前面にスピーカーを置いたことで、テレビのIR受光部が隠れてしまいリモコン操作ができなくなってしまうこと。

実はあらかじめ設置スペースを準備していたこともあり、自宅に届けられた「YSP-1400」の開封とセットアップはほんの数分で完了してしまった。拍子抜けするほど簡単だ

しかし、ご安心あれ!

YSP-1400では、赤外線を利用したリモコン信号を中継してくれるテレビリモコンリピーターを装備しているため安心して設置が行えるのだ。ちなみに、メーカーではYSP-1400との組み合わせとして40型以上のテレビを想定しているが、あいにく我が家のテレビのサイズは32型のため、横幅が左右に10cm程度づづはみ出す格好となってしまった。ただし、今回はスペース的にも違和感なく設置を行うことができ、想定より小型サイズのテレビとの組み合わせでも問題は少なそうだ。

設置完了(編集部注:ボディ右側に貼付されているシールは剥がせます)

Bluetoothとアプリを活用することで利便性が大きく向上

テレビと接続する際に気が付いたことだが、YSP-1400には残念ながらHDMI端子がなく、テレビとの電源連動やオンスクリーンディスプレイ(OSD)などの機能を利用することができない。そこでぜひとも活用したいのが、YSP-1400に搭載されたBluetoothと無料の専用コントロールアプリ「HOME THEATER CONTROLLER」(iOS/Android対応)だ。

「HOME THEATER CONROLLER」

本アプリを利用すれば、スマートフォンやタブレットの画面上で入力中の機器や選択中のサラウンドプログラム(映画・音楽・スポーツ・ゲーム・テレビ番組)など本体の状況をアイコンで分かりやすく把握できたり、部屋の大きさ・壁までの距離・視聴する位置など設定しサラウンド音響効果を最大限に発揮する理想の視聴環境を整えられる「YSPポジション」といったアプリ機能も用意されている。

また、YSP-1400には、スマートフォンなどの対応端末側からBluetooth接続すると本体電源が自動的にオンになり、接続を切断すると本体電源が自動的にオフになる「Bluetoothスタンバイモード」機能が装備されており、電源操作の手間も省くことができ大変オススメ!なお、初期設定では、Bluetoothスタンバイモード機能はオフに設定されているのでご注意を。

「HOME THEATER CONTROLLER」では、音量調整、入力やサラウンドプログラムの切換、「クリアボイス」「ユニボリューム」などの機能操作、さらにはリスニングポジションの調整などが、視覚的かつ直感的に行える。もちろん、端末内に保存された音楽をBluetooth経由で再生することも可能だ

一度「YSP-1400」のサウンドを聴いたら、元の環境には戻れなくなる!

YSP-1400で、実際にブルーレイディスク(BD)コンテンツやスマートフォンからのオーディオ再生してみたところ、バーチャルサラウンドなどにありがちな違和感を感じることもなく、映画などでは迫力満点の臨場感を楽しめた。そのサウンドクオリティは非常に高く、テレビ内蔵スピーカーとの差は歴然であった。

また、人の声と背景音を判別して人の声のみを自動的に音量アップする「クリアボイス」、音声ソースの音量差を自動的に補正してくれる「ユニボリューム」、テレビのリモコンでYSP-1400の操作も可能になる「テレビリモコン学習」など痒いところに手が届くユーザー本位の機能が用意されており、普段使いするテレビ用スピーカーとしての高い利便性も見逃せない。映画やゲームなどのエンターテイメントコンテンツを満喫したいユーザーだけでなく、テレビやスマートフォンのサウンドをより手軽に高音質で楽しめるシンプルな再生環境を構築したいユーザーにも最適だ。

一度聴いたが最後。テレビ内蔵スピーカーだけの環境には戻れなくなるほどのYSP-1400のサウンドを、皆さんもぜひ一度味わってみてほしい。