外科医であり、母であり、漫画家でもあるさーたりさんが、ドクターとしての日常を描きながら健康に役立つ情報などをお届けする4コマ漫画連載「オペ室より愛をこめて」。今回は今の季節に気をつけたいインフルエンザにまつわるお話です。

発熱から12時間たってから受診しましょう

今年は暖冬のせいか例年よりもインフルエンザの流行が遅めでしたが、年明けから徐々に患者が増えてきました。そして、厚生労働省が1月15日に流行シーズンに入ったことを明らかにしました。名実共に「インフルエンザの季節」です。

「熱が出たので早めに受診しました」とおっしゃる患者さんも多いのですが、「熱が出てすぐ」だと検査をしても陰性になってしまい、「また明日再受診してください」と言われてしまうこともあります。

かといって発症後48時間が過ぎると抗インフルエンザ薬の効果が出ないので、「発症(発熱)後に12時間たってから早めに受診」がベストなんですが……。少なくとも健康な大人であれば、夜に熱が出ても救急外来には行かず、朝の診察時間を待ってからの受診をおすすめします。

「インフルエンザなら休む、そうでなければ出勤する」という方も多いですが、本来ならば「インフルエンザでなくても高熱で体調が悪い」時点で休んだほうがいいはずです。もちろんそうはいかないので、出勤することになるのでしょうけど……。「皆勤賞を狙ってるから」学校を休まない子供がいるのも事実ですし……。

「無理して周囲に感染する」パターンが最悪なのですから、体調悪い人が休むことが当然である社会にならないものでしょうか。これを読んだどこかの社長さん、あなたの会社から変えてくださいませんか?

ちなみに医者がインフルエンザにかかったら、病院によって違いますが発熱してから5日間や解熱後2日間の出勤停止が多いようです。その間に接触した患者さんにも、インフルエンザの検査をします。

「インフルエンザでなくても体調不良」だったら? そうですね…休めません…。先ほどの発言と矛盾していますが、患者さんが待っていますから……。



筆者プロフィール: さーたり

某大学病院勤務の消化器外科医。2児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。