JR西日本は18日、通勤特急「らくラクやまと」のデビューを記念し、奈良駅で出発式を行った。平日朝夕の通勤時間帯、奈良駅から天王寺駅・大阪駅(うめきたエリア)経由で新大阪駅まで結び、大和路線(関西本線)の通勤をより便利にする列車として運転される。

  • 通勤特急「らくラクやまと」の出発式が奈良駅で行われた

新設の通勤特急「らくラクやまと」は平日のみ運転。朝の通勤時間帯に奈良駅7時16分発・新大阪駅8時19分着、夕夜間の帰宅時間帯に新大阪駅19時43分発・奈良駅20時46分着の上下各1本を設定し、いずれも奈良~王寺間は各駅に停車。王寺~新大阪間は途中の久宝寺駅、天王寺駅、大阪駅(うめきたエリア)に停車する。287系3両編成を使用し、全車指定席で運転される。

出発式は奈良駅7時16分発の列車に合わせて行われ、JR西日本阪奈支社長の水口英樹氏らが出席。奈良市観光協会の公式マスコットキャラクター「しかまろくん」も登場した。水口氏は挨拶の中で、「奈良エリアでは初の通勤特急『らくラクやまと』がデビューします。今回のダイヤ改正で増発した『快速 うれしート』と合わせ、奈良駅発で6~7時台に1時間あたり4本の有料着座サービスを提供することになります。さまざまなシーンでご利用いただきたいと思います」と述べた。

  • 「らくラクやまと」の表示器にオリジナルデザインのマークが掲げられた。出発式に「しかまろくん」も登場

7時13分、2番のりばに「らくラクやまと」が入線。車体側面の表示器に、緑系を基調としたオリジナルデザインのマークが掲げられた。約3分間の停車後、「らくラクやまと」奈良駅長の合図とともに発車し、天王寺・大阪方面へ向かった。

「らくラクやまと」のデビューを記念し、3月18日に乗車した人を対象にオリジナルクリアファイル(非売品)のプレゼントも。朝の奈良発新大阪行、夕夜間の新大阪発奈良行で異なるデザインのオリジナルクリアファイルを用意する。4月30日までの平日利用分を対象に、通常の「J-WEST チケットレス」よりお得な「J-WEST チケットレス 500」(一律500円)を期間限定・席数限定で発売する。

  • 通勤特急「らくラク」シリーズをPRする広告も。「らくラクやまと」の運転初日に配布されるクリアファイルは朝と夕夜間でデザインが異なる

なお、JR西日本は3月16日に実施したダイヤ改正で、近畿エリアの通勤特急を「らくラク」シリーズに統一した。姫路・明石エリアから三ノ宮・大阪方面へ向かう「らくラクはりま」は運転区間を延長し、京都~網干間の運転に。琵琶湖線・京都エリアから大阪方面の列車は「びわこエクスプレス」として運転されたが、ダイヤ改正を機に、列車名を「らくラクびわこ」に変更している。

奈良エリアでは、通勤特急「らくラクやまと」の新設に加え、有料座席サービス「快速 うれしート」の運転本数を拡大。平日朝に大和路線経由の「Q区間快速」2本、大和路線・おおさか東線経由の「F直通快速」3本、土休日に大和路線経由の「Q大和路快速」3本(朝のみ運転)、大和路線・おおさか東線経由の「F直通快速」4本(朝に2本、15時以降に2本を運転)を設定した。通勤等で確実に着席できる列車が増え、より快適に列車を利用できるようになった。

JR西日本阪奈支社長の水口英樹氏は、奈良エリアにおける通勤特急「らくラクやまと」の新設、「快速 うれしート」の運転本数拡大を受け、「移動そのものをお客様に有効活用していただきたいという考えから、通勤時間帯の着座サービスをアーバンエリアでも提供しています。その中で、奈良と大阪エリアを直通で結ぶ意義は非常に大きい。ぜひ『らくラクやまと』『快速 うれしート』で通勤を有効にご利用いただければと思います」と語った。