主要21作がそろった2020年の冬ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全作品の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(2020年冬ドラマ、医療続出の傾向は? 注目は『10の秘密』『テセウスの船』)において、2020年冬ドラマの主な傾向を「[1]命をめぐる重さをどう描き分けるか [2]プライム初主演の若手で攻めるTBS」の2つと分析。

おすすめドラマとして、『10の秘密』(フジ系 火曜21時)、『テセウスの船』(TBS系 日曜21時)、『パパがも一度恋をした』(東海テレビ・フジ系 土曜23時40分)、『病院の治しかた』(テレ東系 月曜22時)、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日テレ系 日曜22時30分)の5作を選んだ。

本記事では、それらを含む全作品のショートレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。

■『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』 月曜21時~ フジテレビ系

沢村一樹

沢村一樹

出演者:沢村一樹、横山裕、本田翼ほか
寸評:作品全体に漂う危うさは、今シリーズも不変。ただ実質的にはファンタジーベースの活劇ドラマで、内容は軽め。「絶対零度」より「未犯」というタイトルのほうがフィットしそう。柄本親子の共演が楽しい。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キスト☆☆ 期待度☆☆】

■『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』 月曜22時~ テレ東系

小泉孝太郎

小泉孝太郎

出演者:小泉孝太郎、高嶋政伸、小西真奈美ほか
寸評:病人の治療ではなく、病院の再生を描くところは「ドラマBiz」の真骨頂。笑顔で暴走する主人公の改革は痛快で、具体的な戦略にも納得させられる。ただ悪役がもっと手ごわいほうがカタルシスは大きい。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

■『10の秘密』 火曜21時~ カンテレ・フジ系

向井理

向井理

出演者:向井理、仲間由紀恵、渡部篤郎ほか
寸評:「10の秘密を連鎖させて視聴者を引きつけよう」とオリジナル長編ミステリーに挑む姿勢だけでも他枠を凌駕。突然ヒールターンした主人公の壊れ方は興味深く、悪人同士のバトルが終盤盛り上がるか。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆☆】

■『恋はつづくよどこまでも』 火曜22時~ TBS系

佐藤健

佐藤健

出演者:上白石萌音、佐藤健、山本耕史ほか
寸評:当枠お得意のラブコメだが、病院が舞台だけに患者をめぐるドラマティックな展開を生かして距離を縮められるのが魅力。上白石も佐藤も十八番のキャラクターだけに違和感はなく、視聴率も安定か。
採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『知らなくていいコト』 水曜22時~ 日テレ系

吉高由里子

吉高由里子

出演者:吉高由里子、柄本佑、小林薫ほか
寸評:週刊誌編集部が舞台の職業ドラマと、出生の秘密を追うミステリー。相乗効果になるか、それとも中途半端になってしまうか…序盤は後者に留まっている。小林薫と柄本佑の存在が作品をワンランク上に。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】