相模鉄道は26日、相鉄・JR直通線の旅客運賃設定について、国土交通大臣に認可申請を行ったと発表した。JR東日本も同日、相鉄・JR直通線に関するJR線区間の運賃等を発表。2019年度下期に予定される相鉄・JR直通線の開業日から実施予定としている。

  • 相模鉄道の新型車両12000系(2018年12月撮影)。相鉄・JR直通線で使用される予定

相鉄・JR直通線は神奈川東部方面線事業の一部として、相鉄線西谷駅からJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近まで連絡線を建設し、これを利用して相鉄線とJR線が相互直通運転を行う。新設の羽沢横浜国大駅からの営業キロは相鉄線西谷駅まで2.1km、JR線鶴見駅まで8.8km。鶴見駅は運賃計算上の分岐駅とされたが、列車は鶴見駅付近を通過して武蔵小杉・新宿方面へ向かう。

相模鉄道は今回の申請内容に関して、「相鉄・JR直通線に乗車いただく場合の運賃は、相模鉄道が適用している基本運賃に以下の加算運賃を加えたものとなります」と説明。加算運賃については上限運賃の認可申請を行い、「新線建設等にかかった設備投資費用の一部をお客さまにご負担いただくため、相鉄・JR直通線利用の基本運賃に一定の金額を加算するものです」としている。加算運賃の金額は普通旅客運賃30円、通勤定期旅客運賃(1カ月)1,140円、通学定期旅客運賃(1カ月)430円とされた。

申請が認可された場合、西谷~羽沢横浜国大間の運賃(普通旅客運賃・大人)はIC運賃174円・きっぷ運賃180円。他の相鉄線主要駅から羽沢横浜国大駅までの運賃は、横浜駅からIC運賃225円・きっぷ運賃230円、二俣川駅からIC運賃204円・きっぷ運賃210円、海老名駅からIC運賃308円・きっぷ運賃310円、湘南台駅からIC運賃358円・きっぷ運賃360円などとなる。

JR東日本は新たに営業運転を行うJR線区間の適用運賃に関して、「隣接する線区(東海道線等)と同じ、東京の電車特定区間の運賃を適用します」「羽沢横浜国大駅を経由し、相鉄線への直通線をご利用になる場合には、JR線の運賃に相鉄線の運賃を合算した額となります」と説明。羽沢横浜国大駅を「特定都区市内制度(横浜市内)を適用する駅」とし、同駅までの区間を「東京近郊区間」に追加することも発表している。

JR線主要駅から羽沢横浜国大駅までの運賃(普通旅客運賃・大人)は、武蔵小杉駅からIC運賃302円・きっぷ運賃310円、渋谷駅・新宿駅・東京駅からはIC運賃・きっぷ運賃ともに550円とされている。相鉄線・JR線を直通利用する場合は両社線の運賃を合算した額となり、渋谷駅・新宿駅・東京駅から相鉄線主要駅への運賃は西谷駅までIC運賃724円・きっぷ運賃730円、二俣川駅までIC運賃754円・きっぷ運賃760円、海老名駅までIC運賃858円・きっぷ運賃860円、湘南台駅までIC運賃908円・きっぷ運賃910円などとなる。

なお、2019年10月に予定される消費税率の引上げに関して、相鉄・JR直通線の開業までに実施される場合は「増税相当額を転嫁する変更認可申請を行う予定です」と相模鉄道。JR東日本も今回公開した運賃に「増税相当額を転嫁する予定です」と説明している。