大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は20日、中期経営計画(2018~2024年度)の実現に向けた第1弾として「地下空間の大規模改革」についての方針と具体ビジョンをまとめ、あわせて「夢洲駅周辺の開発への参画」についても構想を取りまとめたと発表した。

  • 夢洲駅イメージパース。「開放的な出会いの予感に満ちた駅」に

「地下空間の大規模改革」「夢洲駅周辺の開発への参画」の共通コンセプトについて、「大阪から元気を創り続ける」ため、「『Osaka Metroは社会生活インフラ+活力インフラ』を目指します」と同社。地下空間を「社会生活インフラ」としてブラッシュアップしつつ、多様な人とモノが出会う「活力インフラ」とするため、駅・車両・地下街を含む地下空間の大規模改革を行い、新たな機能やサービスアップを実現するとしている。

同社が進める具体的な取組みのひとつに「東西軸・南北軸の強化」が挙げられ、南北軸にあたる御堂筋線新大阪~天王寺間の9駅、東西軸にあたる中央線森ノ宮~大阪港間の6駅に関して、2024年度までにリニューアルを完了する予定だという。地下空間の開発費用は300億円。可動式ホーム柵の設置や防災対策の強化、バリアフリー化、セキュリティ強化などにより、いままで以上の安全・安心を追求し続ける地下鉄をめざす。

  • 新大阪駅。コンセプトは「近未来の大阪」

  • 梅田駅。コンセプトは「インフォメーション・ターミナル」

  • 心斎橋駅。コンセプトは「テキスタイル」

  • 大阪港駅。コンセプトは「空中に浮いた旅する船

地下鉄に乗ることが目的化するような空間の創造にも努め、駅・車両などを多様性あふれるデザインに刷新する。一例として、御堂筋線新大阪駅は「近未来の大阪」、梅田駅は「インフォメーション・ターミナル」、心斎橋駅は「テキスタイル」、中央線大阪港駅は「空中に浮いた旅する船」をコンセプトにデザインされるという。中央線では移動そのものを楽しめる新型車両への刷新も行われ、費用は30列車で295億円とされている。

あわせて同社は、2025年に大阪万博が開催され、IR(統合型リゾート)の誘致先でもあり、新たな国際観光拠点として期待が高まる夢洲へ、中央線の延伸に参画していく考えを示した。多くの人がスムーズにアクセスできる玄関口をめざしつつ、コスモスクエア駅から夢洲へのトンネルおよび夢洲駅をエンターテインメントの入口として、新しい体験への期待を高め、ワクワク感も演出。夢洲駅は開放的で出会いの予感に満ちた駅とし、夢洲駅タワービルは多様性が活力を生み出し、それが大阪中へ染み渡っていくというコンセプトに。大阪を一望できる展望台を設けるという。

  • 夢洲タワービルのイメージパース

夢洲開発への参画に関して、「活力インフラ」の拠点としての開発をめざし、前向きに取り組んでいくと同社。条件が整えば大型商業施設の開発等にも参画する。なお、場所・規模については土地確保や共同事業化などの開発に必要な条件が整い次第、具体的な検討を進めていくとしている。