LCCのスクート(本拠地: シンガポール)は12月19日より、関西=シンガポール/ホノルル線を週4便で就航する。今回のシンガポール=関空=ホノルル線は、スクート初の米国路線であり、同路線は2012年サービス開始時より構想し、2018年6月までの開設を目指していたものを前倒した就航となる。就航記念セールとして、10月4日11時から両路線ともに、税込で往復1万8,800円から展開する。

10月4日11時から就航記念セールを実施

成田=関空=ホノルルのLCC旅も

スクートはシンガポール航空の100%子会社LCCであり、通常、同じくシンガポール航空の子会社であるシルクエアーと3社間での協議を経て、路線を展開している。その協議の中で、今回の関西=ホノルル線は常にトップ50に入る路線として議題にあがり、同路線の市場の大きさを踏まえて、今回の就航となった。

スクートの日本・韓国支社長である坪川成樹氏

関空=シンガポール線は直行便のほか、高雄またはバンコク経由便もある。関空=ホノルル線に関し、スクートの日本・韓国支社長である坪川成樹氏は、日本からの送客を8割程度見込んでおり、シンガポールからの送客を1割、そのほかの東南アジアからの送客を1割と見込んでいる。

関西=シンガポール/ホノルル線のフライトスケジュール

スクートはバニラエアも加盟するLCCアライアンス「バリューアライアンス」(加盟航空会社: セブパシフィック航空、チェジュ航空、ノックエア、ノックスクート、スクート、タイガーエア・シンガポール、タイガーエア・オーストラリア、バニラエア)に加盟しており、スクートへのワンストップ予約はすでに開始されている。そうなると、バニラエアで成田=関空、スクートで関空=ホノルルと、LCCで行くホノルル旅行ももっと手軽に実現するが、就航時に同路線はまだ提携対象外となる。

関空=ホノルル線の就航は、2012年から常に議題にあったと坪川氏は語る

低コストと787で他社と差別化

関空=ホノルル線を見てみると、関空からはJALやハワイアン航空のほか、6月28日にはLCCのエアアジアX(本拠地: マレーシア)がクアラルンプール=関空=ホノルル線を就航した。その中でスクートは、低価格かつ、ボーイング787-8という2通路機の大型機を導入することで、差別化を狙う。

特に今回の就航記念価格は、諸税を除く航空券だけを見ると、関空=ホノルル線は往復8,920円程度、関空=シンガポール線は往復1万3,030円程度という価格設定になっている。通常料金に関しても諸税を除く航空券だけで、関空=ホノルル線は往復2万7,600円程度からと、価格メリットは高い。今回の就航記念価格での販売は、10月4日11時~8日23時59分限定で、坪川氏は十分な席数を用意していると話している。

就航記念セールの各路線の価格と旅行期間

スクートはクルー用寝台を備えた787-8で関空=シンガポール/ホノルル線を飛ばす

また、スクートの787は全便にWi-Fi(有料)を兼ね備えたゆとりの座席であり、特に今回の関西=シンガポール/ホノルル線は全て、8台のクルー用寝台を装備した座席総数329席(うち、スクートビズ18席)の機材で運航する。エコノミークラスにも、スタンダードシート(足元スペース=シート・ピッチ78.74cm)、ストレッチシート(同86.36cm)、サイレント・ゾーン(12歳以下の乗客の立ち入りを制限した客室)を用意している。なお、クルー用寝台を備えた787-9もすでに発注しており、受領次第、スクートの路線計画を踏まえた上で787-9の導入も検討するとしている。

スクートのビジネスクラスにあたるスクートビズは18席設置

機内では、座席電源、機内WiFiプラン、機内ストリーミング動画配信SCOOTV(乗客自身のデバイスを使用)、ドリンク、スナック、軽食、温かい食事などを用意。スクートビズでは、調整可能なヘッドレスト、レッグレスト、足元スペースが96cm、シート幅56cm、シートのリクライニングが112度のオールレザーシート、座席電源付の座席とSCOOTV、温かい食事、30kgまでの受託手荷物サービスが含まれている。

スタンダードシートでもシート・ピッチは78.74cmとゆとりのある空間となっている

特に関空=ホノルル線では、レジャー利用客を見込んでいるが、2018年は日本の海外移民が150周年となる節目であり、様々な記念事業が実施される。そうしたビジネス利用の機会が増えることも踏まえ、既存のLCC利用者以外も取り込むことを目指している。

今後の就航路線に関して坪川氏は、「6月にはヨーロッパで初めての就航地としてシンガポール=アテネ線を就航したが、今後も欧州路線の就航は視野に入れている。関空=ホノルル線によって関空がハブ化しつつあるものの、今後の路線には成田や新千歳なども議論に入っている。また、米国・カナダの西海岸への就航も協議の議題にあがっているが、その際の経由地に関しても、スクートは台湾や香港、中国にも就航していることを踏まえ、議論はこれから」とコメントした。