インフルエンザ感染者が予防接種を受けていない理由とは?

例年12月から3月頃にかけて国内で流行するインフルエンザ。感染力が強いウイルスの"毒牙"にかかり、高熱や筋肉痛などで苦しんだ経験がある人も多いはず。そのインフルエンザの予防策には手洗いやうがいがあるが、予防接種も高い効果が期待できる選択肢の一つだ。

予防接種を推奨していたり、義務付けたりしている会社もあるが、大半の企業ではワクチン接種は個人の判断に委ねられているのが現状だ。では一体、どれぐらいの割合で予防接種を受けているのだろうか。

そこでこのほど、インフルエンザ感染の苦しみを経験したことがあるマイナビニュース会員300名に「インフルエンザワクチン接種の有無」とその理由を聞いてみたので、今回は接種経験がない人の意見を紹介しよう。

>>接種経験者の回答も見る


Q. これまでにインフルエンザのワクチンを接種した経験はありますか


はい: 68.0%
いいえ: 32.0%

Q.「いいえ」と回答した人にお聞きします。ワクチン接種を受けない具体的な理由を教えてください

■ワクチンってちょっと……
・「ワクチンを打った人の方が、打たない私よりひどい症状だったことがあるので」(36歳女性/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)
・「ワクチンに効果はないと言っている専門家もいるので信用できない」(23歳女性/金属・鉄鋼・化学/営業職)
・「必ず効くというわけでもないし、副作用もあるようなので」(31歳女性/食品・飲料/販売職・サービス系)
・「型が違うと全く効果がないと聞いたから。身近にワクチンを打ったのにインフルエンザにかかった人がいたので、無理に打たなくてもいいかなと思っている。前に調べたら、結構高い」(24歳女性/食品・飲料/専門職)
・「受けても受けなくても、かかるときはかかるので」(35歳男性/通信/事務系専門職)
・「アレルギーがでるので」(27歳女性/マスコミ・広告/クリエイティブ職)

■予防接種の費用が……
・「毎年、インフルエンザにかかるわけでもないし、ワクチン代が高いから」(32歳男性/商社・卸/事務系専門職)
・「予防接種代がもったいない」(29歳女性/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)
・「痛いしお金がかかる」(34歳男性/情報・IT/技術職)
・「お金がかかるので余裕がないですね(笑)」(37歳男性/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)

■多忙で時間が割けない……
・「時間がない」(34歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「必要なんですが平日に受けに行く時間を作りにくくて。社命として日中行かせてほしい」(36歳男性/機械・精密機器/営業職)
・「近所で受けられるところが無い」(36歳女性/ソフトウェア/技術職)
・「いつも受けようと思うのだが忘れてしまう」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)

■注射嫌いだったり病院恐怖症だったり……
・「注射が怖い」(27歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「病院にワクチン接種を受けに行くだけで、待合所などでインフルエンザをうつされそうなので」(32歳男性/その他/その他)
・「医者嫌いだから」(26歳男性/電機/技術職)
・「注射が嫌いだから」(29歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

■その他
・「健康で基本は病気になりにくいから」(33歳男性/情報・IT/事務系専門職)
・「かからないと思っていたから」(50歳以上男性/その他/その他)


■総評

全体の約3分の1にあたる96人が、これまでに一度も自主的にワクチン接種をした経験がないと回答する結果となった。その理由の内訳は「効果が見込めない・不明瞭」(約24%)、「接種費用がネック」(約17%)、「アレルギー・副反応が怖い」(約10%)の3つに大別できた。

「予防接種の効果が見込めない・不明瞭」という点に関し、厚生労働省は「接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、また、たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります」としている。ただ、接種してもらう側からすると、数千円という決して安くない金額を払った以上は、その金額に見合った対価として「100%の発病防御」を求めていることがうかがえる。

また、仕事が忙しかったり、近くに接種可能な場所がなかったりと、接種のための時間確保が難しいケースも少なくなかった。一方で、ワクチン接種経験がある回答者の中には、「会社の福利厚生で周りの人が受けていたから」(26歳女性/情報・IT/事務系専門職)といったコメントも見られるなど、予防接種に対する意識や待遇の"企業間格差"も浮き彫りになった。

なお、インフルエンザワクチン接種可能な医療機関や地域での取組については、居住しているエリアの保健所や保健センターなどが問い合わせの窓口となっている。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2015年10月29日~10月31日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性122名 女性178名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート