特定機能病院としての責務を担う愛媛大学医学部附属病院は、愛媛県東温市に所在しており、1日の外来診療者数約1,300人、入院患者数は年間延べ19万人日におよび、地域住民の健康を守る医療機関としての顔もあわせ持つ。2001年12月に厚生労働省が打ち出した「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」に従い、愛媛大学医学部附属病院は2003年より電子カルテを導入。IT化が進む医療機関におけるシステム構築においてカギを握るのは一体何なのか、プロジェクトに携わった方に話を伺った。

医療システムにおけるコモディティ化を目指して

国立大学法人愛媛大学医学部附属病院 医療情報部副部長 木村映善氏

2003年より電子カルテを導入し、2009年にはごく限られた診療科目を除き、院内のほぼすべてにおいて電子カルテ化が完了した愛媛大学医学部附属病院。今回お話を伺った国立大学法人愛媛大学医学部附属病院医療情報部副部長の木村映善氏は、「院内のすべての医療情報を電子カルテや医用画像管理システムに移行したことにより、今後5年間のデータ総量は300TBを見込んでおり、その保有用に1.5PBの物理容量から構成したオブジェクトストレージを用意している」という。

また、CTやMRIの画像の電子化に加え、電子カルテが導入される以前の過去の紙のカルテをスキャンし、病理診断画像や放射線以外の医用画像も集中的に管理していく予定で、1年間で60TBものデータが増えていく見込みだという。他の業界と比較しても容量が大きいデータが存在するのが医療分野の特徴とも言える。

医療機関において電子化が進んだ今、課題となるのは、膨大に蓄積されたデータをどのように医療に活かすか。システムリプレイスの問題を含め数十年単位で使用に耐えうる医療システムの構築だと木村氏。実は、過去にこんなインシデントを見聞したのがきっかけだそうだ。「ある患者の手術時に麻酔を施したところショックを引き起こした。ショックの原因について調査したところ、数年前に別の診療科で麻酔によりショックが起きたことが記録として残っていたが、その記録は紙に書かれていて電子カルテで検索することは出来なかった。

このようなケースは、数十年にわたる電子カルテへのデータ保存を実現し、なおかつ「ショック」や「アレルギー」というキーワードで全文検索を掛けてリスクを洗い出すことで回避できるようになる。情報システムが患者の安全に貢献できる分野の一つになると思った。」と、それが医療に関する全データを保全し、高速に検索できるシステム作りをめざす契機になったと語る。

「例えば、外来患者数が1日に1,400名訪れるとします。その患者さんに対して病名、処方等のオーダーが複数発生します。これらのオーダーに対して200種類の臨床判断支援ルールを用意し、1オーダに関して平均50回のクエリが結果的に発生すると仮定すると、午前中の3時間に7万回(1,400×50)のデータウェアハウスへの問い合わせが生じる・・・・

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高速かつ信頼性の高い次世代ストレージの採用により医療分野で新たな可能性を切り拓く!─愛媛大学医学部附属病院が着目した高速フラッシュストレージの可能性とは?

カルテの電子化、CTやMRIなどの画像データ。医療の世界でもIT化の波は着実に進んでいる。

高い信頼性と高速なレスポンスが要求される医療分野において、これらを実現する新たなストレージを採用することで、得られたメリットとは?

そして医療の世界で見えてくる未来とはどのようなものなのだろうか?

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