社会のデジタル化が進む中で、ITシステムが生み出し、蓄積するデータの総量は驚異的なスピードで増大を続け、データそのものが持つ価値も急速に高まっている。こうした背景のもと、企業がデータをどのように運用管理し、ビジネスに生かすかという「データマネジメント」の重要性も増している。その一方で、新旧のシステムが併存し、オンプレミスに加えクラウドの活用も進みつつある現在、ITインフラの複雑性は高まる一方だ。その中で、いかに効率的なデータマネジメントを実現していくかが、企業情報システムを管理する担当者にとっては、大きな課題となっている。

Peer Software, Incは、企業ITの主流がオンプレミスだった当時から、データコピーやバックアップといった領域でビジネスを展開してきたソフトウェアベンダーの1社だ。近年では、ユーザーにおけるデータの大容量化やインフラの変化に合わせて技術を進歩させた、異機種間ファイルコラボレーションツール「PeerGFS」、および異機種間データ移行ツール「PeerSync」を軸に、エンタープライズにおけるデータマネジメントを効率化するソリューションを提供している。

日本では、2019年6月よりSCSKが日本初の販売代理店となりPeerGFS、PeerSyncの国内展開を開始した。Peer Softwareの製品群は、企業のデータマネジメントに対する課題に、どのような解決策を提供できるのか。また、海外での採用事例などについて、同社のCEOであるJimmy Tam氏に話を聞いた。

Peer Softwareの沿革を教えてください。

Tam氏 Peer Softwareは、1993年に米国で設立され、以来一貫してデータマネジメントに関する事業を展開しています。設立当初は今と違い、企業ITの技術環境やデータに関する課題は非常にシンプルでした。主に、複数のWindows Server間でファイルをレプリケーションしたり、バックアップを取ったりというニーズが高かったように思います。

それから数年のうちに、インターネットが爆発的に普及し、企業においてもそれを利用してグローバルなビジネスを行うことが一般的になってきました。それに合わせて、顧客の課題も増え、より複雑になっていきました。

グローバルに事業を展開する企業では、拠点数が増え、各拠点で生みだされるデータも一気に増大しました。それと合わせて、多様なストレージデバイスが同時に運用されるようになり、近年においてはクラウドの登場でデータマネジメントの状況はさらに複雑化しています。

複雑化するデータマネジメントの課題に対し、現在、Peer Softwareが提供しているソリューションについて教えてください。

Tam氏 課題が複雑になるのに合わせ、われわれも技術革新を続けることで、製品をユーザーのニーズに応えられるものへと進化させてきました。現在は2つのフラッグシップとなる製品を提供しています。それがPeerGFSとPeerSyncです。

PeerGFSとPeerSyncの機能

PeerGFSとPeerSyncの機能

PeerGFSは、企業に対して、分散ファイルサービスを提供する製品です。さまざまなストレージが混在するオンプレミス環境、分散する拠点間でのデータ連携に加え、主要なクラウドストレージサービスへの接続や連携機能を提供します。

PeerSyncは、PeerGFSの技術をベースに、レプリケーションとファイル同期の機能を提供する製品です。特にファイルサーバやストレージを新たなものに移行する際のデータマイグレーションのニーズに特化しています。

ストレージとしては、Dell EMCのIsilon、VNXをはじめ、NetApp、Nutanixなど多様なベンダーの製品に対応しており、クラウドについてはAmazon Web Services、Microsoft AzureとAPIベースでの連携が可能です。数多くのストレージ、クラウド間の相互接続を提供できるのは、Peer Softwareの大きな強みです。

これらの製品は、実際にどのような用途に使われているのでしょうか。

Tam氏 主なユースケースは4つあります。1つ目は、最もシンプルで、Peer Software設立以来の用途である「バックアップ」です。

2つ目は、ファイルシェアを中心とした「コラボレーション」の用途です。複数の拠点を持つ企業が、各拠点で同じファイルを共有するために利用しています。

3つ目は、可用性を高めるための「クラスタリング」です。ファイルを常に他のノードと同期して最新の状態に保ちつつ、万が一いずれかのノードに問題が起きたとしても、ファイルへのアクセスは確保したいというニーズに対応するものです。従来、こうしたクラスタリングを実現するにあたっては、同期を行うノードが近い距離にある必要がありました。PeerGFSでは、海外の拠点のような遠隔地にあるノード間でのクラスタリングが可能です。

最近注目されているのは、4つ目の「クラウドコネクタ」としての用途です。これまで、自社のデータセンターに蓄積してきたデータを、バックアップやアーカイブ、アナリティクスや機械学習といったさまざまな用途でクラウドに移したいというニーズが高まっています。PeerGFSは、異なるストレージやクラウドが混在する環境で、これらすべてのユースケースに対応できる点が、お客様に特に高く評価されています。

Peer Software導入のメリット

Peer Softwareのソリューションを日本企業が利用するにあたって、特にニーズが高い用途はどのようなものだとお考えでしょうか。

Tam氏 先に挙げた、PeerGFSの4つのユースケースは、いずれも日本のお客様のニーズにも合うものだと考えています。例えば、グローバルで展開する製造業などでは、世界各地の拠点やパートナーと、さまざまな形でコラボレーションを行っています。スプレッドシートだけでなく、同じ図面やCADデータ、画像といった大容量のファイルを、リアルタイムに共有したいというニーズは高いでしょう。

また「クラスタリング」の機能は、事業継続にも役立ちます。局所的に大規模な自然災害が発生し、データにアクセスできなくなった場合でも、自動的に他の拠点にあるコピーへフェールオーバーが可能です。コラボレーションだけでなく、高可用性を実現するための仕組みが始めからビルトインされているのは、PeerGFSを選択する大きな理由になると思います。

また、特に注目してほしいのは、異なるストレージ間での「データマイグレーション」プロジェクトでの活用です。

ストレージ容量の不足、性能的な限界、サポート期間の終了といったさまざまな理由から、古いストレージ内に蓄積された大量のデータを、新たなストレージへと移行しなければならない状況は、多くの企業で発生すると思います。しかし、一般的に大規模なデータ移行の際には、そのデータに関わるシステムを長時間にわたって停止させなければいけないという問題があります。

われわれが提供しているPeerSyncを使ったデータマイグレーションでは、ストレージベンダー各社とのパートナーシップによって、異機種間でのマイグレーションであっても、ほぼ「ゼロダウンタイム」でのデータ移行を可能にしています。データマイグレーションにあたっても、できる限りビジネスを止めたくないという要件を満たすことが可能です。

PeerSyncの主な特徴

実際に、PeerSyncを使ってデータマイグレーションを行った事例には、どのようなものがありますか。

Tam氏 いくつかの事例については、Peer SoftwareのWebサイトで公開されていますが、中でもカナダの「TD Auto Finance」の事例は特長的です。同社では、業務に関わる大量の画像ファイルをデータとして扱っています。以前にもデータマイグレーションを行ったことがあるのですが、その際には、業務システムを2週間にわたって、止める必要がありました。

直近のデータマイグレーションプロジェクトでは、Windows Serverのファイルシステムから、NetAppに対して、30万以上のフォルダと、6,400万以上のファイルを移行することが必要でした。このプロジェクトでは、PeerSyncを採用したことで、以前は2週間だったダウンタイムを、ほんの数分にまで削減し、確実なデータ移行を実現できました。

ダウンタイムを「2週間」から「数分」に短縮できたのは、どのような理由によるものなのでしょうか。

Tam氏 Peer Softwareでは、多くのストレージベンダーとパートナーシップを結んでおり、多様なストレージOSとの技術的な連携を可能にしています。一般的に、ストレージシステムはデータ移行プロジェクトが進行している間にもユーザーによって利用され、データが更新され続けています。PeerSyncのマイグレーションソリューションでは、移行作業の進行中にいずれかのファイルが更新されると、ストレージOSを経由して更新の差分情報を取得し、差分のみを新しいストレージにレプリケーションします。これによって、稼働中の古いストレージと、移行先の新しいストレージにあるファイルの内容は、常時ミラーリングされるため、最も時間がかかる最終的なスキャンが不要となり、ダウンタイムの劇的な削減に寄与します。

ちなみに、TD Auto Financeの事例は、Peer Softwareユーザーのなかでは比較的小規模なプロジェクトです。より大規模なものでは、オーストラリア防衛省でのデータ移行プロジェクトがあります。このケースは、ユーザーが10万人を超え、500以上のWindowsファイルサーバと100以上のNetAppから構成されるシステムのデータを移行するというものでしたが、これだけの規模であっても、TD Auto Financeと同様、ほぼゼロダウンタイムでのマイグレーションが可能でした。

ストレージの更新、データセンターの更改、クラウドへの移行といったニーズがある中で、ビジネスを止めたくないという要件を持つ多くの日本企業にとって、PeerSyncは最適なソリューションになると思います。

「データマネジメント」という観点では、OSベンダー、ストレージベンダー、クラウドサービスベンダーなどが、それぞれの切り口で多様なソリューションを提供しています。中には、より安価なものもありますが、それらと比較した場合のPeer Softwareソリューションの優位性を教えてください。

Tam氏 たしかに、この領域は現在、非常に競争の激しい分野です。中には、大幅に安価な価格でソリューションを提供しているところもあります。もし、データが極めて小規模で、環境も複雑でないならば、そうした製品の方が合うケースもあるかもしれません。

ただし、異機種間、異環境間での大規模なデータ移行が必要で、それに伴うダウンタイムをできる限り短くしたいと考えているなら話は別です。データ移行プロジェクトのコストについて考える場合、ソフトウェアのライセンスコストだけでなく、それに関わるエンジニアの人件費や、ダウンタイムによるビジネス機会の損失なども合わせて考慮する必要があります。これらを総合的に考えた場合、PeerSyncのメリットはより大きなものになります。

また、PeerGFSで実現できる異機種ストレージに対応した、遠隔地とのデータ同期機能は、他のソリューションにはないものです。これによって実現される、エンドユーザーの生産性の向上、コラボレーションのリアルタイム化、さらにはデータに対する可用性の向上といったメリットは、ライセンスコストの価格差以上に、ユーザーにとって大きな利益を生むと自負しています。

最後に、日本のユーザーに対してメッセージをお願いします。

Tam氏 Peer Softwareでは、日本のお客様にわれわれの製品について知っていただき、その活用を通じてデータマネジメントの課題を解決していただくための支援にあたって、SCSKをパートナーとして選択しました。SCSKは、Peer Softwareの技術や製品についての知識があると同時に、日本のお客様の状況や、抱える課題に対しても理解が深く、大規模なニーズにも応えられる対応力を持った企業です。このパートナーシップの締結をうれしく思っています。

Peer Softwareの持つ技術は、日本企業がビジネスを拡大していく過程で、データに関して抱える課題解決にフィットしたものだと思います。パートナーであるSCSKとともに、お客様のさらなる成長に貢献することで、われわれも共に成長していきたいと考えています。

ありがとうございました。

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Peer Software CEOに聞く、データの量と価値が増え続ける時代の「データマネジメント」

≪資料名≫

  • 異機種間,異環境間でのグローバルファイル共有を実現!
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