「まだ使える」という期待はいつまで持ち続けられるか

国産汎用機をなかなか手放せないという真情はわかるが、その「レガシー」をいつまでも使い続けていられるだろうか。まさか「オープンプラットフォームの時代と言われるようになってからも久しく使い続けてこられたのだから、今後もまだ大丈夫」などと楽観的な希望を抱き、そこに安住してはいないだろうか。

改めて冷静に考えてほしい。5年後10年後にもレガシーを維持し続けている自社をイメージできるかどうかを。そして、5年後10年後にもレガシーを今まで通りに調達できるかどうかを。

そもそも、汎用機の市場が盛り返すことはもはや考えられない。メーカーにとってみれば、汎用機は今や稼ぎの薄い「お荷物」事業。経営を考えれば、汎用機事業を切り捨ててオープンプラットフォームに注力していく決断を、いつ下すかという段階にある。

確かに「まだ顧客がいるのだから」と(良くも悪くも実に日本企業らしく)供給を続けているメーカーもあるが、すでに汎用機の市場規模は見る影もなく縮小しているため、開発のための投資も絞ることでコストを圧縮し、辛うじて事業を維持しているのが現状だ。

開発投資が減れば技術革新も乏しくなり、発展が続くオープンプラットフォームとの格差がさらに広がっていくことは言うまでもないだろう。特にコストパフォーマンスでは差が著しく、オープンプラットフォームで開発されたテクノロジーを汎用機に転用するなどしているものの、やはり限度がある。

ユーザーからみれば、調達コストを下げられる見通しが立たないどころか、さらなる格差が生じていくことになる。そしていつかは、メーカーも汎用機撤退の経営判断を下さねばならない。

汎用機の技術者が獲得できそうな気がするのは"今だから"

それでも国産汎用機を使い続けると仮定する。そのためには汎用機を扱う技術者が必要だ。しかし、これから獲得できる若手技術者が汎用機を使いこなせる可能性は低い。彼らが学んでいるのは汎用機にない新しいテクノロジーであり、オープンプラットフォームを使いこなすためのスキルだ。

新卒で使える人材がいなくとも、レガシーの経験を持つ人材を中途で採用したり、自社で指導・育成することで対処する方法はある。しかし中途の人材もレガシーが先細りだからこそ生じる過渡的現象、つまり他社がレガシーマイグレーションを実施した結果として放出された者たちである可能性が高く、今後もずっと獲得できるはずはない。

また、自社で育成するのは、それだけ人材へのコストが高くつくことを意味する。いずれにせよ、人材難の傾向は今後さらに強まっていくとみて間違いない。

プラットフォームが衰退すればソリューションの導入も困難に

現汎用機とのコスト・性能比較

そして、自社システムの発展も難しくなっていく。例えば「レガシーとオープンプラットフォームを組み合わせた環境」向けのソリューションも、まだしばらくは提供され続けるかもしれないが、国産汎用機の市場が縮小する中で、いつまでも入手できるとは考えられない。それに、昨今のシステム環境ではレガシーフリーも多い。例えば業界他社によるシステム成功事例を取り入れようとしても、レガシーを持つ環境では適用が困難になる。

レガシーを使い続ければ使い続けるほど、状況は不利になっていくと考えてよいだろう。メーカーの汎用機撤退などで突如大きな危機に見舞われる可能性も、徐々に高まっている。どこかで転換していくのが望ましい。

レガシーマイグレーションを諦めることはない。ノウハウが蓄積され、ツールやサービスが充実してきたことにより、以前では困難だったユーザーもレガシーマイグレーションに成功できるようになってきた。むしろレガシーの不利な状況が深まってきたからこそ、マイグレーションによる効果も大きくなってきている。

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