社会は日々、変化しています。めまぐるしく移り変わる社会の中にあっても、顧客から高い支持を得続ける。そのためには社員の意識統一をもって、"企業としての総合力" を最大化していくことが不可欠です。しかし、「距離」という物理的な壁を理由に、こうした意識統一が困難と考える企業は少なくありません。多拠点で事業展開するような企業にとって、この課題は特に深刻でしょう。「アンリ・シャルパンティエ」「C3」などの洋菓子ブランドで知られるシュゼット・ホールディングス (以下、シュゼット) は、場所の異なる拠点間をシームレスにつなぐことで、社員の意識統一を推し進めています。同社では、スノーピークビジネスソリューションズの提供する「インタラクティビジョン」を利用して、物理的な壁を感じさせない環境づくりを推進。社内コミュニケーションを円滑化すると同時に、ビジネスも大きく加速させつつあるのです。同社が利用する「インタラクティビジョン」は、Office 365 の Skype for Business をプラットフォームにすることで、拠点間であっても、"まるでそこにいる" かのような臨場感のもとで会話ができる環境を提供しています。

社員の "ちょっとした会話" が持つ重要性

"たったひとつのお菓子から、心ときめくシーンを演出する"、これは、シュゼットが企業使命として掲げているスローガンです。このスローガンからも伺えるように、同社は、"モノ売り" ではなく "コト創り" の視点から、消費者へ高価値な商品を提供しています。 シュゼットが提供するブランド「アンリ・シャルパンティエ」は、フィナンシェの年間販売個数で 4 年連続ギネス世界記録R を達成。同実績からも、"コト創り" を重視するシュゼットがいかに高い提案力を有しているかが見てとれます。

  • 1975年の発売より、40年以上愛され続けている、「アンリ・シャンパルティエ」のフィナンシェ。シュゼットでは他にも、「C3」「バックハウスイリエ」 「casaneo」といったブランドのもとで、洋菓子による"コト創り"を追求している

    1975年の発売より、40年以上愛され続けている、「アンリ・シャンパルティエ」のフィナンシェ。シュゼットでは他にも、「C3」「バックハウスイリエ」 「casaneo」といったブランドのもとで、洋菓子による"コト創り"を追求している

百貨店や路面店、駅ナカなど、シュゼットでは全国にある様々なチャネルのもとで商品を販売。全国のユーザーへ "心ときめくシーン" の演出とともに商品を届ける、そのために、同社は西日本を統括する本社 (兵庫県)、東日本を統括する横浜リバーサイドスタジオ (神奈川県) など、各地に拠点を設置しています。ただ、そこではどうしても、先述した "意識統一の難しさ" が課題として浮かび上がります。こうした中、「『距離』という物理的な壁があるからといって、組織全体の意識にブレを生じさせてはなりません。組織の意識統一は、"コト創り" を一貫して提供するうえで極めて重要だからです。」と語るのは、株式会社シュゼット・ホールディングス 管理本部の梅原 康太 氏です。

顧客の持つ企業イメージを統一させる、また事業計画を即時実行へ移す、こういった場面においては、社員全員が共通認識を持つことが不可欠だといえるでしょう。梅原 氏は、そこに向けた同社の取り組みについて次のように述べます。

「当社では企業方針を毎朝の朝礼で共有するなど、定常業務を通じて組織の意識統一を推進しています。しかし、距離の離れている拠点間では中々うまくいかないものです。Web 会議システムなどを用いれば、映像を用いて会話することは可能です。ただそこでは、あらかじめ会議を設定したり、内容を伝えたりする必要があります。コミュニケーションに対する心象的ハードルがどうしても発生してしまうのです。もちろん意思決定といった場面では、こうした会議も必要でしょう。ただ、同じ事務所ならば生まれるような "ちょっとした会話" が中々発生しない。そして、実はこれが、コミュニケーションで起こる認識の齟齬を埋めていく上では非常に重要となります。遠隔地の社員も含めて認識を統一させていくべく、当社では現在、拠点が異なっていても "まるでそこにいる" かのように感じる環境を、オフィス内に整備しています」(梅原 氏)。

Skype for Business を配信基盤とする「インタラクティビジョン」が、拠点間を "まるでそこにいる" かのような臨場感でつなぐ

梅原 氏も述べたように、"ちょっとした会話" のようなフランクなコミュニケーションは、社員の間に共通認識を生みだしていく上で重要な要素となります。これを推進すべく、シュゼットではスノーピークビジネスソリューションズの提供する「インタラクティビジョン」を導入。オフィス同士を映像で常時つなぐことによって、先述の "まるでそこにいる" かのような環境を用意しています。

一般的なコミュニケーション ツールの場合、たとえ些細な会話であっても、電話をかける、在席を確認するなど何かしらの工程を経る必要があります。リアルタイムで常に映像接続されていれば、相手を呼びかけるだけですぐに会話できますし、物をみせながら説明することで認識齟齬も生まれづらくなります。

梅原 氏は、「当社では 1 週間に 1 回従業員による全社清掃があるのですが、『インタラクティビジョン』の導入後、"いまからはじめるよ" といった会話がここでされるようになりました。」と、システムを導入してから起こった変化について言及します。一見すると、ビジネスとは関係ないように思われるかもしれません。しかし、同氏は、こういったフランクな会話が遠隔間で生まれたこと自体が大きな意義をもつのだと説明。そして、「インタラクティビジョン」の導入後、確実にこれが広がっていると述べます。

「事業と同様に業務環境も、常に変化していくべきです。そのため、『インタラクティビジョン』の置き場所は固定化したくないと考えていました。同ソリューションはハード面が非常にコンパクトなため、随時場所を変えて設置することができます。また、コンパクトでありながら、存在感や臨場感はしっかり備えています。ですので、ユーザーは自然発生的にこれを活用してくれるのです。実際、現在いろいろな場所へ設置してユーザーの用途を検証していますが、検証する度に設置エリアの会話が活性化していることに驚いています」(梅原 氏)。

「インタラクティビジョン」のようなソリューションは、対面のような臨場感が提供できなければ、中々効果が生まれないものです。シュゼットが成果を生み出すことができた要因は、どのような点にあるのでしょうか。株式会社スノーピークビジネスソリューションズ WIS事業部の鈴木 誉人 氏は、次のように述べます。

「『インタラクティビジョン』では、2 つのスクリーンを用いた立体的配置を採っています。奥行きが生まれるため、平面映像と比べて大幅に臨場感を高めることができるのです。また、配信基盤には Skype for Business を利用していますから、映像や音声も信頼できます。ここで述べた Skype for Business は、梅原様に評価いただいた『可動式』を実現する上でも重要です。Skype for Business は、ネットワークと PC さえあれば、どこであっても利用することができます。エッジ側に特別なシステムを置く必要がなく、スクリーンと制御用 PC さえ設置すれば利用できるため、再設置も容易なのです」(鈴木 氏)。

  • (左)株式会社シュゼット・ホールディングス 管理本部 管理部 総務ディビジョン 総務企画課 課長 梅原 康太 氏、(右)株式会社スノーピーク ビジネスソリューションズ WIS事業部 ディレクションチーム 鈴木 誉人 氏
  • 「インタラクティビジョン」では、異なる場所にある拠点間を、リアルタイムに映像接続する

    「インタラクティビジョン」では、異なる場所にある拠点間を、リアルタイムに映像接続する

  • 実際にシュゼットで「インタラクティビジョン」を利用しているようす。単焦点プロジェクタやコンパクトPCをスクリーンの下部に配置する設計によって、オフィス内の専有面積は最小化しながら、"まるでそこにいる"かのような臨場感のもとで会話が可能

    実際にシュゼットで「インタラクティビジョン」を利用しているようす。単焦点プロジェクタやコンパクトPCをスクリーンの下部に配置する設計によって、オフィス内の専有面積は最小化しながら、"まるでそこにいる"かのような臨場感のもとで会話が可能

ビジネスにおける意思決定も迅速化

当初シュゼットが「インタラクティビジョン」に期待したのは、フランクなコミュニケーションの推進にありました。既述のとおり、これは導入からすぐに、成果として現れています。くわえて、もともとは予想していなかった使い方も、ユーザーの中に生まれているといいます。梅原 氏は「会社の決断を迅速化することにつながっている」とし、詳細をこう説明します。

「別の拠点にいる営業企画チームが本社にいる代表にその場で声掛けをして、『インタラクティビジョン』で簡易決裁をとるという事例が生まれました。これまで当社では、簡易的な決裁であっても、代表の時間を押さえて会議室を調整し、Web 会議を設定して……、などのプロセスを経ていました。そこでは決して少なくない時間がロスしていたといえるでしょう。洋菓子の業界は、トレンドの移り変わりが激しく、スピード感が非常に大切な市場です。『インタラクティビジョン』で会社の決断を迅速化する、これはきっと、ビジネスに好影響を与えてくれるでしょう」(梅原 氏)。

"社員の意識統一や、意思決定の迅速化、こうした「インタラクティビジョン」の導入によって得られた成果は、最終的にはお客様へより良い商品とサービスをお届けすることにつながると信じています。"

―梅原 康太 氏: 管理本部 管理部
総務ディビジョン 総務企画課 課長
株式会社シュゼット・ホールディングス

これに応えるように鈴木 氏は、スノーピークビジネスソリューションズとしても、「インタラクティビジョン」のバージョン アップを通じてシュゼットのビジネスを支援していくと語りました。

オフィシャルなシーンでも、活用を検討していく

社員の意識統一、意思決定の迅速化といった成果を見定めて、シュゼットでは現在、オフィシャルなシーンでの「インタラクティビジョン」の活用についても、検討を進めています。

「簡易決裁における利用は、当社にとって大きな発見でした。今後は、管理部の人事が社内向けに実施する研修や対外的に展開する企業説明会など、オフィシャルなシーンであっても『インタラクティビジョン』を活用したいと考えています。オフィシャルなコミュニケーション、フランクな会話、この双方を最適化していくことで、今後もお客様へ最適なサービスを提供してまいります」(梅原 氏)。

「インタラクティビジョンではスクリーンと対となる PC 台数分しか Skype for Business のライセンス料金が発生しません。現契約の中でも、様々な活用の可能性があるでしょう。システムだけでなく活用アイデアの側面からも、シュゼット様のビジネスをサポートしていきたいと考えています」(鈴木 氏)。

今日、物理的な「壁」の存在に頭を悩ませているのは、多拠点展開する企業に限りません。働き方改革やテレワークなどが社会的に加速する中にあっては、あらゆる企業がこの「壁」と対峙して、社員の意識統一に臨まなければならないといえるでしょう。洋菓子業界の雄ともいうべきシュゼットの取り組みは、共通したこの経営課題を解消していくための、大きなヒントになるはずです。

  • 集合写真(梅原 康太 氏、鈴木 誉人 氏)

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