ThinkPadを愛用するビジネスリーダーを迎え、彼らにとって“どんな存在なのかの”を探ることで、ThinkPadがビジネスPCの代名詞的存在になっているワケを紐解いていこうという当企画『ビジネスリーダーに聞いた「私とThinkPad」』。
第2回となる今回は、マルチクリエイターの大倉 照結 氏にお話をうかがい、アドビの公式インストラクターとして活躍する傍ら、女優、デザイナー、日本舞踊家、料理研究家、専門学校講師など、「パラレルキャリア」という言葉では収まりきらないほど多方面で活躍する彼女のキャリアや働き方。また、そこでのThinkPadとの関わり合いついて、じっくりと深掘りさせていただいた。
「スキルは自分を裏切らない」マルチクリエイターとして活躍する大倉氏の源泉
──非常に多様なお仕事をされていますが、まずはアドビでのお仕事について教えてください。どのような経緯でインストラクターになられたのでしょうか?
現在はアドビの公式インストラクターをしていますが、元々はイベントや展示会などでの説明員がスタートだったんです。私は就職氷河期世代で、友人の就職難をいろいろ聞いていましたので、女優の仕事もありましたし、いち企業に勤めるのは、体力的にも無理だなと思っていました。そのため単発でもスキルを使って割の良い仕事ができるよう、PCの操作やデザインのほかに人前で話すこともスキルとして備えていました。はじめは「ITスキルがありPhotoshopやIllustratorが扱えて、⼥性でかつMCができる人」のようなオーダーでお仕事をいただいていて、それが20年ほど前のことです。
MCやナレーションの仕事は昔からやっていたのですが、そのときもITスキルがあるという前提でお仕事をいただくことが多かったと思います。メールでPowerPointのファイルも送れない……、なんてことがまだまだあった当時、「それだったら自分でデータをつくるし、操作もする!」と言うと、それだけでお仕事がいただけたような時代でした。
そうしてお仕事をつづけていくうちに「社内で手伝って欲しい」というお話をアドビからいただきました。ですが、当時すでにほかのお仕事もしていたため、業務委託というかたちで現在に至ります。それから15年以上働いていて、一度も社員にはなっていませんが、過去の製品からの知識もあり、社内で生き字引のようになっています(笑)。
──ITスキルはどういったかたちで身につけられたのでしょうか?
学生時代から独学で勉強して、ITスキルも自分でPCを壊すまで使い倒して覚えました。
中学校でPCを使う授業が始まり、そこで一回触って「あ、これ面白い」と思って、じゃあ自分でPCを買うにはどうしたらいいんだろうと考え、お金を稼いで、そのお金を貯めて自分で買うという方向に行ったんです。もっともっと使いやすいPCをということでパーツを交換してみたり、自作PCを組んだりもしました。当時はPC雑誌も全盛期だったので、たくさんの本を参考にCPUのクロックを上げたりもしましたね。
結構小さい頃から「自分のスキルで身を立てる」「スキルは自分を裏切らない」みたいな考えはあって、常に「自分のスキルで稼ぐ」という意識を持っていたのは、いまに繋がっていると思います。
──IT関連以外のお仕事はどのようなきっかけで始められたのですか?
元々小さいころ、非常に体が弱くて、少しでも丈夫になるために3歳からバレエを習いはじめました。でも学校も休みがちで、人と同じように⻑時間活動することがなかなか難しかったなかで、「どうしたら短い時間で効率よくやりたいことができるか」を考えていたとき、中学校の宿題で「身近な職業について調べてみましょう」という課題がでました。そこで、バレエの先生のところに行ってレポートを書かせてくださいとお願いしたんです。そうしたらそのまま内弟子というかたちになって、お手伝いをしながらお金を稼ぐということが始まります。
そして、そのままバレエを仕事にしようと思い、高校はバレエの授業がある、関東国際高校の演劇科(現在は閉科)に通っていたのですが、あるときケガをしてレントゲンを撮ったら「足の骨に奇形がある」と判明しました。それでバレリーナとして最前線に立つのは無理だとなり、それから女優の道に向かったわけです。舞台の仕事ではチラシなどを自分たちで制作こともあるので、元々絵を描くのが好きだったこともあり、PhotoshopやIllustratorを独学で勉強したり、それからWEBサイトや配信サーバーを準備して仲間と一緒に動画配信サービスを立ち上げてみたり、いろいろやりましたね。
日本舞踊も高校の授業で学んだことがきっかけです。女優を目指すうえで、日常の所作の美しさを身につけるには日本舞踊が必要だと思いました。洋踊と日舞とでは全然違うのでは?という印象をお持ちになるかもしれませんが、実はその逆で、身体の向き、ポジションの取り方には共通する部分が多いんです。これも双方をそれぞれを深くやっていたからこそ気づけたことかなと思いますね。
──専門学校でも教鞭を振るわれていますが、どのようなことを教えているのですか?
西葛西にある東京俳優・映画&放送専⾨学校で非常勤講師をしています。最初は俳優の卵に師匠と共に⽇本舞踊を教えていたんです。師匠が亡くなって、学校の方が私のことを調べてくださったとき、「アドビのセミナーをものすごくたくさんやっているぞ、何者だ」という話になり、その後グラフィックデザインも兼任することになりました。
どちらの生徒からも「どういった技術を持っていたら強みとなるのか」を教えて欲しいと言われるのですが、「ひとつのスペシャリストになることも重要だけど、私のように異業種でも複数のスキルがあれば、相乗効果で新しい着眼点や発想力が生まれ、自分が身につけたスキルを活かせば、現場に強い人間になれるかな」と伝えています。なので、見た目のテクニックはもちろんですが、ただ単に操作を覚えるのではなく、アイデアや発想、それを下支えする知識があればあとはいくらでも応⽤できると思っています。
ThinkPadを選んだ一番の理由は"赤いポッチ"
──ここからはThinkPadについてお話いただきたいと思います。最初に使われたのはいつごろですか?
高校生のころですね。自宅に親の買ったPCはあったんですが、自分が自由に使えるPCはなかったので、PCを自作する前、いえ、同じくらいの時期かな、そのころにノートPCを購入したんです。それが、Lenovo(当時はIBM)の「ThinkPad」でした。
──ThinkPadを選んだ理由、そして使いつづけている理由を教えてください。
ThinkPadの"赤いポッチ"がとにかく好きなんです。量販店でいろいろ触って操作してみたときに、トラックポイントが一番良いなと思って選びました。あと、当時はいろいろなアプリケーションがPCにプリインストールされていたんですが、それがすごく邪魔で、アンインストール作業をするのが嫌だったんです。店頭に並んでいるノートPCの中で、一番シンプルで無駄がないというところで一本釣りという感じでしたね。
あと、基本的にマウスを使ってないんですが、マウスで操作するよりキーボードのショートカットを覚えてしまった方が早いんです。それにデザインをするときはペンタブレットを使っていたので、それをマウス代わりにしていました。右手にペン、左手でショートカットのスタイルで操作するので、マウスに持ち替えるとすごく無駄を感じるんです。
となると、この"赤いポッチ"があることでペンを持っていてもそのまま操作できますし、持ち運びもしやすくなります。
ほかのメーカーの製品を使っていた時期もありましたが、ビジネス寄りの事務作業をするときの処理速度や使いやすさから、現在はThinkPadに落ち着いている感じです。使い始めてもう20年ほどになりますね。
私はデザイン関係でMacBook Proも使っているので、もちろんトラックパッドも使えます。でもやっぱり"赤いポッチ"があると落ち着きが違うというか、キーボードのホームポジションからの距離感が短いのが一番良いんですよ。大体いつもこの"赤いポッチ"に指が置いてあって、カーソルの操作はほぼコレで行っています。
──現在、ThinkPadをどのようなお仕事で使っていますか?
主に事務仕事で使っています。もちろんOfficeにはMac OS版もありますが、細かなところで違和感があるんです。やはり事務処理ですとWindowsのほうが軽く感じます。また、学校の教材はThinkPadで作っています。学校のPCがWindowsなので、なるべく生徒に近いUIでスクリーンショットを撮りたいですし、資料の作成のしやすさという点でも“赤いポッチ”が使えますからね。
──さまざまなお仕事をされていますが、それぞれのデータをどのように管理しているのでしょう?
基本的に容量の大きなデータ以外は、すべてクラウドで共有しています。Adobe Creative CloudやDropbox、Microsoft OneDrive、Google ドライブなど、結構なんでも使っていますね。このクラウドのアカウントを仕事ごとに切り替えて対応しています。
大まかな仕事はWindowsとMac OSで分けています。自分のオフィシャルな作業はMacBookで、会社の仕事や事務作業はThinkPad。とはいえデザイン作業の場合、パッと思いついたアイデアは結構重要なので、どちらでもデータを開けるようにはしています。
時間の使い方のオン・オフをハッキリと
──大倉さんは普段、どのようなスタイルでお仕事をされていますか?
私の働き方は会社勤めとは異なりますので、自分の時間は自分でマネジメントを行うのですが、あまり乗り気じゃないときにその仕事をずっとつづけても意味がないと思っているんです。たとえば私はすごく事務作業が苦手なので、気が乗らないときは台本を覚えたり、料理の研究をしたり、デザインの勉強をしたりしています。そして思いついたときに作業に戻る!そうすれば一日中、飽きることなく仕事をつづけられます。
──コロナ禍以前はどのようにお仕事をされていたのですか?
コロナ前は、非常に出張が多かったですね。一番多いときは講演や舞台、セミナーなどで年間300回ほど人前に立っていて、月に3日しか帰れないこともありました。『アドビの旅芸人』なんてずっといわれていた時期がありましたね(笑)。そんな生活だったので、移動中に台本を読んだり、次のセミナーの準備をしたり、コロナ禍以後とはまったく違う生活ですが、時間の使い方のオン・オフをハッキリさせるという点においては共通していると思います。
──仕事モードをオンからオフ、オフからオンに上手に切り替えるコツがあればぜひ!
そうですね、自分が何をしていたら休めるのかを考えるのが一番良いと思います。私は、常に何かを考えてしまうタチなので、ほかのジャンルの仕事のことを考えているのがオフのときだったりします。たとえばデザインに煮詰まってしまうと、おもむろに冷蔵庫の中身を確認して料理をしだすとか。料理とデザインはクリエイティブな方向が近いので、結構アイデア発想に役だったりするんです!
大倉さんにとって、ThinkPadとは?
──大倉さんは、たくさんの好きなことを趣味で終わらせずにお仕事にしています。どうしてこのようなライフスタイルになったのでしょう?
そうですね、やはり病弱だったころを思えば、20歳まで生きられるかという話もあったくらいでした。体調の良いときに興味を持ったことは“いまやる!”ということが⼤事だったんですね。いまでは信じられませんけど(笑)。
⼈⽣は⼀回しかないので、エゴイスティックにどれも諦めたくない、全部やりたいことやったらなぜダメなの?と常に自問自答して。折れることなく自分を信じて、やりたいこと、興味を持ったことを仕事にしていくか、そのために対価を得られるだけのクオリティを提供することを意識しましたね。
ただ仕事をするのではなく、「やりたいと思ったことはどうやったら楽しくなるかな」とか、「どうやったら⼈⽣がクリエイティブになるかな」と、気になったことを趣味のまま終わらせないで、深いところまで突き詰めていこうとしていったことがいまに繋がっています。
こうしてPCだったりデザインだったり、⽇本舞踊だったり、料理だったり、いろいろなことを知っていき、表現の幅、仕事の幅がどんどん広がっていっていきました。本業以外の副職業を持つことを「パラレルキャリア」と言いますが、私は副業ではなく「複業」というかクアッドキャリアというか、どれも本業だと思って仕事しています。
人と異なったキャリアで、回り道をしても、自分が真剣に取り組んで行ったことに関してすべて⾃分の糧になっているので、それをいかに使っていくかが重要じゃないかなと思っています。
──最後に、大倉さんにとって、ThinkPadとはどのような存在かお聞かせください。
お金を貯めて最初に買った自分だけのノートPCですから、一番身近に感じられるPCですね。と同時に、一番愛着のあるPCだと思います。持ち運んでも壊れにくいですし、最近はさらに薄く軽くなりました。キャリーバッグに入れて持ち運んでも安心して使えるので、欠かせません。私にとって、ThinkPadは自分の手足になるツールです。
──貴重なお話、ありがとうございました。
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大倉 照結 氏
アドビの公式インストラクターをはじめ、デザイナー、女優、日本舞踏家、専門学校講師など、ジャンルの異なるさまざまな分野で才能を発揮するマルチクリエイター。ほかにも、料理研究家、レストランアドバイザー、マンガ大賞の選考員といった顔も持ち、ビジネスシーンにおける活躍の幅は枚挙に暇がない。
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