「ビッグデータ」という言葉が2004年頃に世に出て早20年、あらゆる業務に関してデジタル化が進み、企業が当たり前に膨大なデータを持つようになりました。今となってはデータをいかに利活用できるかがビジネスの命運を分けるといっても過言ではないほど、各社の取り組みが加速化しています。そこで本記事の前半ではデータ活用のメリットや成功のコツについて、後半ではデータ活用プラットフォーム「Domo」を使った成功事例を具体的にご紹介します。

  • (イメージ)データ活用を成功させるコツ

そもそもビッグデータとは

ビッグデータは一言でいうと「大量かつ多様なデータ群」ですが、通常のデータとビッグデータにはどのような違いがあるのでしょうか。

一般的に、次の「5つのV」を満たすものがビッグデータと呼ばれています。

  1. Volume(量)… 数テラバイト〜数ペタバイトの容量
  2. Variety(多様性)… テキストや画像、動画、位置情報などさまざまなデータ形式
  3. Velocity(速度)… すばやく収集と分析ができる
  4. Value(価値)… 経済的・社会的な価値を生み出せる
  5. Veracity(正確性)… データソースが信頼でき、データが整っている

ここにVisualization(可視化)やVariability(変動性)を加えた「7つのV」で唱えられることもありますが、基本的には5つのVが用いられます。

また、ビッグデータは以下の4種類に分別されます。

  1. オープンデータ … 国や地方公共団体が提供するデータ
  2. 知のデジタル化 … 企業の暗黙知やノウハウをデジタル化・構造化したデータ
  3. M2M(Machine to Machine)データ … 産業用機械の間でやり取りしたデータ
  4. パーソナルデータ … 個人の属性に係るデータ
  5. (参考:平成29年版 情報通信白書|総務省

複数種類のデータを組み合わせることで、より多角的なデータ活用が実現でき、新たなソリューションの創出を期待できるようになります。

データ活用のメリット

データ活用のメリットは、第一に課題を可視化できることです。例えば顧客データを年齢別に分析すれば、「ある特定の年代で売上が下がっている」という問題や、「その年代が購入する商品やサービスのラインナップが減っている」という原因が発見でき、課題がすぐにわかります。どこに課題があるかを特定できれば、対策も講じやすいです。

また、勘や経験に頼らず、誰もが的確な判断を下せるようになったり、新入社員でもデータを元に課題を見つけ、解決のアイディアを出せるようになったりするというメリットもあります。現場では豊富な経験にもとづく「勘」が重宝されることがありますが、それは再現性に乏しいです。データを活用できれば、経験や勘も可視化し伝承することができ、誰もが適切な判断をできるようになります。

さらに、データ分析で市場予測や顧客のニーズを明らかにしたり、自社の強みを把握したりできるので、新規事業の開発やサービスの品質向上などビジネスの成果を得ることも可能です。データがありふれている時代だからこそ、データを武器にしてビジネスの発展につなげていく必要があります。

データ活用を成功させるコツ

  • (イメージ)ビッグデータ活用のヒント

データを収集、分析したにもかかわらず、うまくビジネスに活かせないケースは少なくありません。ここからは、データ活用を成功させるポイントを課題と合わせて解説していきます。

データ活用を成功させる1つ目のポイントはいつでもリアルタイムなデータを見られる環境を作ることです。データは鮮度が命です。日単位、週単位で変化する市場や顧客のニーズを正確に捉えるためには、リアルタイムの情報が欠かせません。

また、リアルタイム性を確保するためには、どこでもデータを確認できるようにすることも重要です。たとえば外出先からオフィスに移動してデータを確認するのでは、タイムラグが生じてしまいます。スマートフォンなどのモバイル端末からもデータを見られる環境を用意できるとよいでしょう。

2つ目のポイントは、データを見てほしい人にデータを見る習慣をつけてもらうことです。せっかくリアルタイムにデータを見られるようにしても、月に数回しかデータを見ないようでは効果を発揮できません。データを見る習慣が定着しない原因として挙げられるのが「データを見にいくのが面倒」という心理です。具体的には、「データを探さなければいけない」、「複数のファイルを開いて集計しなければいけない」など、見たいデータを見るために手間を要してしまうシーンが考えられるでしょう。これを解決するためには、あらかじめ必要な情報を集約したダッシュボードを用意し、ブラウザ上でお気に入り登録をしておいてワンクリックで見られるようにするなど、データを見るまでの手順をできるだけシンプルにすることが重要です。

また、見る人にとってデータが有益な形になっているかどうかも、習慣化させるためのポイントとなります。よくあるケースとしては、IT部門などの専門部署が実際にデータを使う現場の業務を深く知らずにダッシュボードを作ったために、現場からしてみれば「見たい軸でデータが見られない」、「ソートがしにくい」など、使いにくい仕様になってしまい、利用が定着しないということが挙げられます。

そうした課題を解消するには、データを見る人、あるいはデータを活かしたい業務の内容を熟知している人が、データを見る人と同じ目線でデータ活用プロジェクトを主導することがポイントになります。データを見てほしい人が「見たい」と思えるような形にデータを可視化できれば、見る側のデータに対するモチベーションが上がり、習慣化につながります。

データを加工してダッシュボードを作るには専門的なスキルが必要と思われがちですが、昨今はプログラミングのスキルがなくても使えるツールが登場しています。そのようなツールを用いて、現場でデータ活用を主導していくことも、データ活用を成功させるポイントのひとつです。

データ活用事例5選

ここからは実際にデータ活用に成功した企業の事例を見ていきましょう。紹介する5社は、いずれもデータ活用プラットフォーム「Domo」を導入し、見たい人が、見たいときに、見たい形でデータが見られる仕組みをDomoで実現しています。

  1. KDDI
  2. 全国のauショップや量販店への商品の配送、オンラインで購入した個人への配送、法人への配送、携帯電話基地局の資材の搬送など、物流全般を担っている物流部門では、入出荷管理のデータを大量に保有していました。従来はExcelデータを集計し、分析していましたが、膨大な工数がかかるだけでなく、大量なデータに対してExcel分析では限界があり、物流コストの増減の要因を特定しづらい状況でした。そこでデータ活用プラットフォームを導入し、配送単価や作業単価の実績が可視化されたことで、コスト増減の要因を特定しやすくなったといいます。

    さらに多角的な分析を進めていくことで、同梱するパンフレットによって携帯電話の配送箱がオーバーサイズになっていたり、在庫状況が起因して遠距離配送が発生してしまったりといった配送コストを増やしている原因も明らかになりました。箱のサイズを小さくしたり、在庫を最適化したりなど、データをもとにした対策を講じて大幅なコスト削減に成功しました。

    KDDIの詳しいDomo活用事例はこちら
  3. 大和物流
  4. 労働人口が年々減っていく中、競争力を上げるためには「全社員に経営状況を共有する必要がある」と考えた大和物流は、データ活用に着目。当初は専門性の高いデータ分析ツールを導入したものの、開発待ちが必要のため現場のスピード感に追いつかず、社内で活用されることなく中止したといいます。この失敗を踏まえて導入したのが、誰でも使いやすいデータ活用プラットフォーム「Domo」でした。画面操作などのわかりやすさやデータの見やすさが現場で評価され、導入からわずか9ヶ月で全国42事業所での展開を達成しました。

    また、誰もがリアルタイムでデータ統合や可視化ができることから、経営数値など集計するスピードが1/4に短縮。全社員にとってデータ活用が身近になったことで、行動にも変化が起き、組織が活性化したといいます。

    大和物流の詳しいDomo活用事例はこちら
  5. ソフトバンク
  6. 営業部で予実管理や利益のトラッキングなどのデータを組み合わせ、フォーキャスト(売上の予測値)の精度を向上させました。多くの営業担当が営業活動情報の入力を負担に感じるなかで、SFAのデータを自動でデータ活用プラットフォームに取り込み、計算を自動化させることで、工数を削減したうえに予測データをすぐに見られるようになったことから、営業担当の入力のモチベーションが高まり、データの精度が向上したといいます。こうした取り組みから予算と実績の乖離が小さくなり、精度の高いフォーキャストにもとづいたデータドリブンな営業活動を実現しました。 ソフトバンクの詳しいDomo活用事例はこちら
  7. 日本サニパック
  8. ごみ袋や食品保存用ポリ袋の製造販売を手掛ける日本サニパックのマーケティング部では、点在していた売上や商品の情報をデータ活用プラットフォームに集約しました。それにより、営業担当がデータを武器として使えるようになったといいます。具体的には、メディア掲載情報やイベント・キャンペーンなどの情報から「今はこの製品の露出が増えているから、イベントの案内とともに商品紹介しておこう」という判断ができるようになりました。

    また、Webサイトのアクセス数の進捗をダッシュボードで可視化し、アクセスが急増した際にはアラートを通知し、その理由をすぐに特定することで運用改善を行っていました。その結果、Webサイトのアクセス数は14倍に増加したといいます。

    日本サニパックの詳しいDomo活用事例はこちら
  9. ソニー銀行
  10. ソニー銀行では全社的にデータ分析を通して顧客理解を深め、ニーズに合った金融商品・サービス開発を行っています。そのなかでもマーケティング領域のデータ活用においては、広告運用状況をリアルタイムで見られるようにデータ活用プラットフォーム上で可視化し、変動があった際に即座に対応することで運用を最適化し、CPA(顧客獲得単価)を16%削減させています。

    一方、メール配信では1通あたりの配信効果を可視化させ、それをもとに配信頻度やキャンペーン内容に見直しをかけたところ、1通あたりのクリック率が最大2.7倍に向上しました。

    ソニー銀行の詳しいDomo活用事例はこちら

まとめ

デジタル化が進んだ昨今、多くの企業が容量や形式などさまざまな種類のデータが集まったビッグデータを上手に活用することが求められています。特定の社員の勘や経験に頼らず、データを元に課題を見つけられるようになることで、誰もが解決のアイディアを出せるようになり、ビジネスの発展につながるからです。
しかしながら、データの収集、分析をするだけではビジネスに活かすことは難しいでしょう。見たいときに最新のデータを見ることができ、かつ、データを活用したい人が日ごろから「見たい」と思える形にデータを可視化できることが、データ活用の一歩です。

今回ご紹介した5つの企業は、Domoを導入したことで、データ活用に必要な「リアルタイム性」を実現し、「データを見る習慣」を定着させています。
また、Domoはノーコードでデータを加工できるため、専門的な知識やスキルを持たない現場でも扱いやすいということも大きな特長です。今回の成功事例では、データアナリティクス専門の部門だけでなく、営業部門や物流部門などさまざまな部門がDomoを活用して現場主導のデータ活用を実現しています。
さらに、Domoはブラウザで操作・閲覧できることはもちろん、モバイルファースト設計という特長も備えているので、外出が多い部署やPCを持たない従業員が多い部署でも、いつでもデータを見られる環境を作ることができます。
自社のデータ活用に課題を抱えている方は現場主導のデータ活用に取り組んでみてはいかがでしょうか。

[PR]提供:ドーモ