コラボレーションを実現するサービス
連載第1回では、ビジネスコミュニケーションの連続性を確保し、「ビジネスコラボレーション」へと進化させることの重要性について解説した。そのためには、最近流行の“ビジネスチャット”だけでなく、従来のテレビ会議/Web会議システムとの連続も重要であることも述べた。
ビジネスコラボレーションは、自社内にとどまらず、外出中の社員や取引先、外部協力者との連携が重要である。そうした仕組みをオンプレミスシステムで構築することは難しい。アプリケーションの利便性だけでなく、サーバーやネットワークの安定性、システム全体の安全性も確保しなければならないためだ。
そこで最適なソリューションとして紹介したのが、クラウドコラボレーションサービス「Cisco Spark」である。ネットワークとセキュリティの総合ベンダーとして著名なシスコシステムズが提供しており、インフラの堅牢性と安全性に定評がある。国内では、ダイワボウ情報システムが全国に提供しており、サポート体制も万全だ。
今回は、Cisco Sparkの機能や使い方について紹介しよう。
ビジネスチャットで社外メンバーとも密に連携
Cisco Sparkでコミュニケーションを取る際には、まず「チーム」を作成して、参加するメンバーを招待する。会社全体のチームや部門のチーム、部門横断的なプロジェクトのチームを作成するとよいだろう。メンバーを招待するときには、相手のメールアドレスを登録するだけでよい。
コミュニケーションツールの中には、メールアドレスのドメインを社内に限定しなければならないものもある。そのようなツールでは、社外の協力者をツールに参加させるために、めんどうな手続きを行わなければならない。
「クラウドサービスであるCisco Sparkには、そのような縛りはありません。したがって、部門のみならず、組織をまたいだプロジェクトチームも簡単に作成できるのです」と、ダイワボウ情報システム 販売促進本部 販売推進2部 PH1グループ 次世代プラットフォーム推進グループ 副部長の谷水茂樹氏は述べる。
「チーム」を作ったら、その配下に「スペース」を作成する。ここは、いわゆるチャットスペースと呼ばれる領域で、ここに参加者の会話がすべて記録されていく。アップロードした資料ファイルなども、ここからすべて参照できる。「あのとき話し合ったのはどのファイルだったか」とファイルサーバーを漁る必要もない。チャットが長くなっていても、検索ツールで素早く探すことができる。
アップロードされたファイルは、すべてCisco Sparkのクラウドサービス側に格納されている。ファイルのサムネイル表示や閲覧もできるため、検索以外でも必要なファイルを目視で確認できる。さらに、無償版であっても、暗号化などの措置が採られているため、安全かつ確実だ。有償版では、さらにセキュリティ機能が追加され、エンド・ツー・エンドでの安全性が担保されるようになる。
地域や通信環境を問わない会議システム
Cisco Sparkが持つ特長の1つが、テレビ/Web会議システムである。従来のシステムでは、たいていがいずれかの機能を選択的に用いるように作られていた。しかしそれでは、会議に参加できる人や地域が限られてしまう可能性が高い。
Cisco Sparkの会議システムは、テレビ会議とWeb会議を共存させることができる。例えば、国内の本社・支社間はテレビ会議、ネットワーク資源が潤沢でない海外拠点はWeb会議というように、状況や条件に合わせて最適な仕組みを選択することが可能だ。
テレビ会議システムやWeb会議システムでよくある不満として、画像の乱れや音声の聞き取りにくさがある。その原因の一つは、通信状態が十分に制御できていないことがあげられる。
谷水氏によれば、Cisco Sparkのテレビ/Web会議機能は非常にスムーズで、安定的に利用できるという。それは冒頭で述べたように、シスコシステムズがネットワークとセキュリティの総合ベンダーであるためだ。
「コラボレーションは、アプリケーションの出来だけでなく、インフラの堅牢性や安全性が非常に重要です。シスコシステムズは強力なネットワーク技術を保有しており、テレビ会議やWeb会議にも早くから取り組んできました。そうした強力なバックエンド技術があるからこそ、Cisco Sparkは高い利便性を追求できるのです」(谷水氏)
クラウドだから管理もしやすい
Cisco Sparkは、クラウドサービスであるため、エンドユーザーだけでなくIT部門にもさまざまなメリットがある。
すでに述べたが、まずサーバーやネットワーク機器などの物理的なインフラを必要とせず運用負荷が肥大化しないという点は、クラウドサービスのメリットだ。
特にコラボレーションは、チャットやファイル共有、テレビ/Web会議などのさまざまなシステムを組み合わせて作り上げる必要がある。加えて、個々のセキュリティ対策も講じなければならないし、社外との連携を図るには安全なネットワークインフラも必要となる。アカウント管理だけでも、大きな労力が必要となるだろう。Cisco Sparkであれば、こうしたインフラ周りの問題は、すべてサービス側で担ってくれる。
Cisco Sparkにはさまざまな機能が搭載されているが、シングルコンソールが用意されているため管理しやすい。シングルサインオンや認証、ディレクトリサービスとの連携など、さまざまな設定や仕組みを一元的に運用することができる。
クラウドサービスであるCisco Sparkの最大の魅力は、すぐれた機能が次々に追加されていくという点にあるかもしれません。2016年12月頃には『Cisco Spark board』という新しい機能が追加されました。Cisco Spark上にホワイトボードを作成し、従来のように図や表を使った会議をオンラインで行うことができるのです。さらにこの機能を物理的に実現する機器が、『Cisco Spark board』(同名だがこちらはハードウェア製品)として、2017年4月に発売されております。この製品は従来の会議機能も搭載しており、利便性に優れております。Spark自体のインタフェースも頻繁にアップデートされていますし、どんどん良くなっていくのを実感できるでしょう」(谷水氏)
次回は、Cisco Sparkのさらに細かな特長や使い方、管理方法について紹介する予定だ。
Cisco Spark無償体験版はこちら
https://support.ciscospark.com/customer/ja/portal/topics/580829
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