店舗での活用を考慮し、社内のコミュニケーション手段としてLINE WORKSを採用
外食事業を展開するワン・ダイニングと食肉小売事業を展開するダイリキ、さらに両社の管理部門を統合した1&Dホールディングスの3社が合併し、“未来から選ばれる企業へ”の実現にむけ2025年3月1日より新たなスタートを切った株式会社1&D。外食事業では関西を中心に「ワンカルビ」「きんのぶた」などの焼肉・しゃぶしゃぶレストランを133店舗展開し、関西地域のみならず、関東・九州への店舗拡大も進めており、小売事業では関西・関東・中京・中四国に49店舗を展開し、今後はさらに関東に出店を予定している。(2025年4月1日現在)
2つの主要事業から本社機能までを含めたグループ全体のITを管理する同社の情報システム部では、全社的なグループウェアとしてGoogle Workspaceを導入しており、従業員(正社員、パート社員)約500人にライセンスを供与し、コミュニケーションの促進と業務の効率化を目指してきた。ところが実態としては、本社業務での利用は浸透していたものの、店舗スタッフの利用は非常に限られたものにとどまっており、情報伝達・共有ツールとして機能していない状況だったという。業務サポート部 情報システム部長の定榮 潤一 氏は、当時の状況をこう振り返る。
「当時は正社員とパート社員全員にGoogle Workspaceのライセンスを配布していたのですが、各店舗に1台配備したPCをスタッフ全員が共有しているような体制だったこともあり、利用状況を確認したところ、ほぼGmailしか使われていない状況でした。共有PCの使える時間を奪い合う形になっており、Gmailすら使っていないスタッフも少なくありませんでした」(定榮氏)
こうした状況を改善すべく、同社ではコミュニケーションツールの刷新を検討。2023年3月のGoogle Workspaceライセンス更新を機に、店舗における運用の見直しと併せ、情報伝達・共有に利用するツールの選定に着手した。選定にあたって重視されたのは“誰でも使える”ことで、「スタッフ全員で1台のPCを使いまわすような利用環境からの脱却が不可欠だった」と定榮氏。「外食事業であるワン・ダイニングの店舗スタッフは若いメンバーが多く、PCよりもスマートフォンやタブレットでの扱いに慣れています。そういったユーザーの傾向も考慮し、プライベートで多くの日本人が利用しているLINEのビジネス版である『LINE WORKS』に注目しました」と話す。
他のグループウェアやビジネスチャットツールも比較検討されたが、「ユーザーの使いやすさという面においては、LINE WORKSの評価が群を抜いていた」と定榮氏は語り、「実際、店長会で確認したところ、LINEを利用していない店長は1人もおらず、同じ感覚で社内コミュニケーションを図れるLINE WORKSの採用は必然でした」と説明する。
同社では、ライセンス更新に合わせてGoogle Workspaceの導入パートナーをサテライトオフィスに変更しており、LINE WORKSの導入検討を進める際にもサテライトオフィスに相談。ワークフローなどアドオンツールを含めた提案を評価し、導入に踏み切ったという。「LINE WORKSの導入を決定したことで、店舗スタッフのGoogle Workspaceアカウントはすべて削除しました。その結果、Google Workspaceのライセンス数は約1/5になり、コスト面での最適化が図れました」と定榮氏は語る。
社内連絡ツールの一本化により、店舗スタッフ・本社スタッフ・管理職それぞれが恩恵を得る
Google Workspaceのライセンス数を絞った一方、LINE WORKSは全従業員(導入当時は約550人、現在は約650人)にアカウントを配付。社内の報(告)連(絡)相(談)はLINE WORKSの「トークルーム」、社内通知は「掲示板」に一本化することで、全社的なコミュニケーションの促進が図られた。導入にあたっては、セキュリティやコンプライアンスの観点から「LINE WORKを利用するデバイスの選定に悩んだ」と定榮氏は語る。
「社内の報連相をLINE WORKSに一元化するにあたり、各店舗に配備している店舗用スマホ、タブレットを共有するというやり方も考えたのですが、それではPCのときと同じく店舗スタッフにストレスがかかってしまいます。実際、スタッフからは『自分のスマホで確認したい』という声も多く、最終的にはサテライトオフィスの『シングルサインオン for LINE WORKS』を契約し、個人所有のスマホをプライベートと仕事で切り分けて使う、いわゆるBYODを採用しました」(定榮氏)
その結果、店舗スタッフからは「いつでもどこからでも情報の確認と共有が行え、本当に便利になりました」という喜びの声が数多くあがっているという。さらに社内の連絡をLINE WORKSに一元化したことで、複数のツールを使いわける必要がなくなり、「スタッフが店舗での業務に注力できるようになったことも大きい」と定榮氏。「店舗にはITを苦手とするスタッフも多いのですが、LINEと同じ感覚で使えるLINE WORKSに関しては使い方を教える必要がほとんどなく、情報システム部門としてもツールの定着にリソースを割かずに済みました」と管理部門視点でのメリットにも言及する。
またLINE WORKSの導入によるコミュニケーション手段の一元化は、管理職にも業務状況の可視化という恩恵をもたらしている。部下からの報告や他部門とのやり取りはトークルームを見るだけで確認できるようになり、いわゆる報連相に関わる業務の負荷は大幅に軽減されているという。
複数の企業が絡む大規模プロジェクトでの情報伝達・共有にも、LINE WORKSを活用
1&Dでは、LINE WORKSと併せてサテライトオフィスのワークフローアドオンの導入も決定しており、LINE WORKS導入から半年後の2023年9月よりワークフローの運用も開始している。
「もともとワークフローシステムの導入は経営層からリクエストされており、LINE WORKSのトークルームで依頼や申請のやり取りをするとトークが流れてしまうという問題もあったため、ワークフローアドオンの導入に踏み切りました。1&Dグループが取り組む全社DXの一環として、LINE WORKSの導入をフックにワークフローシステムの構築に着手したのです」と定榮氏は導入の経緯を語る。
ワークフローアドオンの利用にあたっては、サテライトオフィスのサポートが重要な役割を果たしたという。定榮氏は「特に導入初期は何度も問い合わせさせてもらったのですが、そのたびに非常に細かく丁寧な回答をいただき、本当に助かりました」と語り、サテライトオフィスのサポートを高く評価する。
ワークフローの導入から1年半ほど経った現在では、定榮氏を含め、情報システム部に所属する3人がLINE WORKSのワークフローを構築できるようになっており、すでに140種類に及ぶワークフローを運用中とのこと。「現状は不要なワークフローを排除したり、類似するワークフローを統合したりといった整備を進めている段階です」と、定榮氏はワークフローアドオンの活用に対する手応えを口にする。
こうしてLINE WORKS+ワークフローアドオンの導入により、対面や電話による会話や、紙やFAXを使った業務をデジタル化できたことで大幅な業務効率化を実現した同社では、パートナーや取引先企業とのコミュニケーション手法としても、LINE WORKSの活用を進めている。
「弊社では、フロントオフィス業務のDXに伴う外部企業との連携に関しても、LINE WORKSを利用しています。現在、ワン・ダイニングのPOSシステムで大規模な刷新プロジェクトを推進しているのですが、LINE WORKSでプロジェクトのトークルームを作成し、関係各社とやり取りしています。これまでのメールや電話を使ったやり取りでは現状把握も困難で、LINE WORKSで情報伝達・共有が図れたことによる業務改善効果は非常に大きなものがありました。外部企業がLINE WORKSを利用している場合は、そのまま連携できますし、そうでない場合はこちらからアカウントを払い出しています。もはや大規模プロジェクトは、LINE WORKSによるコミュニケーションなしでは成り立たないといっても過言ではありません」(定榮氏)
また、同社では、各店舗における顧客からのクレームや問い合わせ対応におけるセキュリティ強化の一環として、店舗ごとにLINE WORKS アドバンストプランの導入を検討しているという。定榮氏は、その意図を次のように語る。
「弊社では、各店舗に問い合わせ対応用のメールアドレスを用意しているのですが、メールを用いた顧客とのやり取りに関するセキュリティを強化するため、メール機能が使えるLINE WORKS アドバンストプランで店舗用のアカウントを導入したいと考えています。メール対応だけLINE WORKSとは異なるツールで行うのは業務効率化の観点でも問題がありますし、アドバンストプランならば共有ドライブも利用できるため、各店舗のファイル保管も好適と判断しました。全店舗+代理店向けに約170アカウントを導入することを検討しています」(定榮氏)
LINE WORKSの持つポテンシャルを最大限に引き出すため、1&Dの挑戦は続く
ここまで述べてきたように、店舗スタッフには、情報伝達・共有の効率化と社内コミュニケーションの促進、本社スタッフにはツール使い分けの明確化とメール中心のやり取りからの脱却、さらに管理職には部下との報連相や業務の現状把握が容易になるなど、多くのメリットを享受した1&DのLINE WORKS導入プロジェクト。ワークフローアドオンのさらなる活用も含め、今後も改善を続けていく予定だ。
「LINE WORKSを導入したことによる効果は実感できていますが、現状はトークと掲示板機能しか活用しておらず、タスクやスケジュール、アンケートといった機能はほとんど活用できていません。こうした機能は、Google Workspaceにも実装されているため、本社スタッフの利用に関してはツールの使い分けを考えていく必要がありますし、店舗スタッフについてはワークフローアドオンで代替しているケースが多く、LINE WORKSが持つ機能との使い分けを突き詰めていかなければなりません。個人的には、現状使っていないLINE WORKSの機能を活用していきたいと考えており、各機能の検証と効果的な使い方を模索していきたいと思っています」(定榮氏)
さらに同社では、生成AIなど昨今の技術トレンドを、自社のビジネスにどう適用していけるかも検証していく方針で、社内の業務効率化はもちろん、顧客に提供する価値の向上も視野に入れ、最新テクノロジーの検証も継続的に行っていく予定だ。こうした今後の展望を見据え、「サテライトオフィスにはさらなるサポートを期待している」と定榮氏。LINE WORKSを導入して社内コミュニケーションの活性化を図りたい企業に向けてメッセージを語った。
「情報システム部門の立場では、技術的な側面から複数ツールの導入を検討しがちですが、使う人の目線から考えると1つのツールで完結できたほうが便利なのは確かです。その意味でも、必要な機能を網羅し、クラウドサービスでコスト面を含めて導入が容易なLINE WORKSは極めて魅力的な選択肢になると考えています。もちろん、すべての企業が最大限の効果を享受できるわけではなく、業態によって向き不向きがあると思いますが、我々のような飲食業で、若い店舗スタッフが多いようなケースでは非常に有効ではないでしょうか。さらにサテライトオフィスが提供しているアドオンを利用すれば、セキュリティを担保しながら情報伝達・共有の効率化が図れるはずです」(定榮氏)
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