AI技術は日に日に進化し、気がつけばAIはビジネスにおいてもごく当たり前の存在になってくるはずだ。そうした激変の予感の中、Windows 10のサポート終了(EOS)が間近に迫っているが、新たなPC導入に際してはIT部門の運用管理業務の効率化や、巧妙化するサイバー攻撃への対応も見逃せない視点となるだろう。これからのビジネスPCは、一体どう選んでいけばいいのだろうか。
今後数年で加速するAI活用の動きと対応PCへの目線
生成AIといえばLLM(大規模言語モデル)……というのが当たり前の連想だったが、ここ最近は企業や用途ごとの専用AIに適したSLM(小規模言語モデル)への注目度がにわかに高まるなど、AIをめぐる状況は常に動き続けている。現時点で企業におけるAI導入・活用の動向はどのような状況にあるのだろうか。
「企業によって導入・活用度合いの差が大きいと感じています」と語るのは、アルファテック・ソリューションズでマーケティングを担当するビジネス推進本部長の佐藤正嘉氏だ。同社はITインフラの企画・構築・運用保守やITシステムにまつわるハードウェア/ソフトウェア販売など多彩なサービスを展開しており、最近では親会社がディストリビューターに変わったことで新たなシナジー効果の創出も期待されている企業である。
佐藤氏はさらにこう続ける。
「AIに本格的に取り組まなければならない、と考えている企業は多いですし、AIを実際に使っているかどうかでいえば、多くの企業はすでに議事録の自動作成や自然言語検索など何らかの形でAIを使っていることでしょう。ただ次のステップに進み、人材不足などの課題解決やイノベーション創出までは実践できていない企業が多いと考えています。この状況から先を見たとき、試行錯誤を繰り返しながらもAI活用に向け真剣に取り組んでいこうとする企業と、そうでない企業で、AIビジネスにおける格差は広がっていく気がしています」(佐藤氏)
佐藤氏の話を、同本部で新規顧客獲得を担う田島雄生氏が引き継ぐ。
「現時点では生成AIを導入し、業務で使い始めてみたという企業がほとんどでしょう。もちろんそれで効率化される部分はありますが、AIによって利益を生み出せているかといえば、そこまで至っている企業はかなり少ないと思います。今後はデータとAIを組み合わせ、AIが導き出した答えをビジネスに適用していく企業が増えてくるはずで、まずは大企業や自治体などから始まり、2、3年後には中堅中小企業にも広がっていくと想像しています。そうなったとき、ハードウェアが要因でAI活用ができない、という事態は避けたい。そういった流れの中で、今話題となっているAI PCについては、力を本格的に発揮するようになり、浸透していくのではないでしょうか」(田島氏)
AI処理に特化したNPU(Nural Processing Unit)を搭載するAI PCは昨今のビジネス業界における最大のトレンドと言っても過言ではない。とはいえ佐藤氏や田島氏が述べたように、企業におけるAIのビジネス活用はまだまだこれからというのが現状であり、伴ってAI PCにおいても、ビジネスでの採用はまだこれからという段階だろう。
その一方でAI技術の進化は著しく、冒頭で記した分野特化型のSLMも含めて各企業での導入は今後加速していくと考えられることから、AI PCの展開がここ数年で熱くなっていくことは容易に想像できる必然の流れと言える。
一般的にビジネスPCの更新は5年程度で行われるが、AIがここ1年から2、3年で本格展開されるという短期予測を踏まえると、いまAI PCに目を向けておけば、次期更新を迎える以前でもAIを十分に活用できるイメージが成り立つ。世間ではWindows 11への移行が進んでおり、数年後のAI活用を見越してこの段階でAI PCへリプレイスすることには大きな意味があると思われる。
働き方の変化やAI、クラウド活用で重要になるゼロトラストの考え方
AIが当たり前のように使われるようになる身近な未来を見据えたとき、その処理を高速かつ効率的にこなせるAI PCと合わせて、セキュリティ対策も重要になると佐藤氏は指摘する。
「今後のAI活用では、AI PCが普及することで、NPUを用いたローカルの処理とクラウドでの処理を併用したサービスが登場し、AIをハイブリッドな状態で利用するケースが多くなることでしょう。つまりクラウドへの通信も増加するわけですが、クラウドは言うまでもなく社内ネットワークの外にあります。加えてコロナ禍を機にテレワーク・在宅勤務が浸透し、働き方の多様化も進んでいることから、社外から社内システムにアクセスするケースも増えています。そうなると、従来のように社内外の境界に着目して外部からの侵入を防ぐ境界型セキュリティ対策では、ウイルス感染や不正アクセスを防ぐのが困難になります。そこで注目してほしいのがゼロトラストの考え方です」(佐藤氏)
ゼロトラストとは、読んで字のごとくあらゆるユーザーやデバイスを信頼しないという考え方に基づき、アクセスのたびに安全性の確認と認証を行うセキュリティ手法である。巧妙化・高度化するサイバー攻撃に対し、“何も信頼しない”を前提にしたゼロトラストセキュリティを導入することで、AIやクラウドを活用する時代においても安心・安全を担保できるというわけだ。
田島氏も「AIやクラウドを効果的に使いながら生産性を高め、競争力を向上させていくため、これからの時代はどの企業でもゼロトラストが必要になってくると考えています」と語る。とはいえ、「セキュリティに対する意識にもまだまだ企業によって差がありますし、VPN経由でデータセンターに接続しているなどネットワーク形態もさまざまです」と佐藤氏。
そのため同社では、各企業のインフラやビジネス、あるいは人手・予算感などに適したセキュリティ対策を提案する中で、ゼロトラストによりリスクを低減できることも丁寧に説明している状況だという。
ちなみに同社では、コロナ禍の当初から先進的取り組みとして業務システムをクラウドに移行し、併せてゼロトラスト環境も実現してきたことで、在宅・リモートワークを安心して行える状況になっている。「どこにいても仕事ができるので、働きやすさを実感しています」と田島氏は強調した。
管理運用業務を減らしながら日本HPのAI PCで“これから”に備える
AIがビジネスにおいて当たり前の存在となった際に、企業が競争力を維持するために、どのようにAI PCの調達とゼロトラストの実現を目指せば良いのか。
アルファテック・ソリューションズでは、PCの計画・調達、導入、管理から運用保守、交換対応、リユースまで、PCに関して発生する業務をまるごと代行するPCライフサイクルマネジメント(LCM)サービス「ピタッとキャパシティ for PC」を提供している。目前に迫るWindows 11への移行においても便利に活用できるため、企業にとって有力なサービスだ。さらに、PCのライフサイクル管理と合わせてゼロトラスト導入の相談ができる点もアドバンテージとなっている。
では、仮にリプレイスに際して同社に相談するとして、具体的にはどういったPCを選定するのが効果的なのだろうか。ここまで見てきた今後のAI需要の高まり、そしてセキュリティ強化という観点から注目したいのが、日本HPが提供するAI PC「HP EliteBook 635 Aero G11」である。パートナー営業統括としてアルファテック・ソリューションズを担当する日本HPの勝見麻衣子氏は、次のように語る。
「AIについては佐藤様、田島様が話されたように、今後数年で本格的な波が到来するでしょう。日本HPのHP EliteBook 635 Aero G11であればWindows 11への移行後、AIをいざビジネスシーンで使おうとなったときに、NPU搭載によるAI処理能力の高さ、キーボードへのCopilotキー装備、そしてCopilot in Windowsを使えることで、PCを新たに買い替えることなくAIを即座に活用することが可能です。加えて、13.3インチのモニターで高い堅牢性と大容量バッテリーを搭載しながら、重量が約0.99kgという軽さが特長のHP EliteBook 635 Aero G11は、働き方の多様化によってPCの持ち運びが当たり前となった現在において、多くのビジネスパーソンの味方になると思います」(勝見氏)
さらに同社製PCはセキュリティ面でも強みを有している。これについても勝見氏が説明する。
「HP Wolf Securityという強固なセキュリティ機能を搭載し、OSの上・中・下の3層でデバイスやユーザーのプライバシー、そしてデータをハードウェア面からしっかり保護します。サイバー攻撃の脅威が増す中、ゼロトラストと合わせて当社製PCのハードウェアレベルのセキュリティを活用することで、より安全安心な環境が構築できます」(勝見氏)
アルファテック・ソリューションズではその他にも多様なラインナップのPCを用意しているが、その中でもLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスでは、顧客ニーズに応じて日本HPのPCを提案するケースが多いとのことだ。
佐藤氏は今後の展望として「当社はお客様にとってのプラスアルファの提案を理念にしています。LCMサービスについても、プラスアルファの価値としてゼロトラストの提案により一層力を入れていきたいと考えています」と話す。
その上で田島氏は「日本HPとはパートナーとしてすでに四半世紀の歴史があります。当社のLCMサービスでは、例えば日本HPが実施しているPC再利用のプログラムをオプションで契約できるようになっており、サステナビリティに取り組むお客様に注目されていますが、今後もこうした多様な価値を提供していきたいですね」と、さらなる連携強化に期待を示した。
また勝見氏も「先日、日本HPでは次世代AI PCのラインナップを発表しました。今後もアルファテック・ソリューションズ様と協業しながら、多くのユーザー様に満足いただける製品ラインナップの拡充に努めていきたいと思っています」と意気込みを口にした。
Windows 11移行のニーズはもちろん、PCまわりの管理運用業務削減、将来的なAI活用、そしてビジネスリスクを減らす強固なセキュリティと多彩な視点から、両社の協業によるソリューションに注目していただきたい。
[PR]提供:日本HP、アルファテック・ソリューションズ