1947年に創業し、愛知県豊田市に本社、滋賀県米原市に生産工場、そしてアメリカや中国など海外にも4つの拠点を構える日本ガスケット様。

機械の密封装置として重要な役割を果たす「シール技術」を武器に、自動車用のシリンダーヘッドガスケット等の多様なガスケット製品を提供し、シーリング・抄造(紙すき技術活用)製品のスペシャリストとして事業を展開してこられました。

また近年では、抄造技術を応用した樹脂ギヤ製品の量産も開始。ガスケットと樹脂ギヤの2本柱を軸に、燃料電池用のFCターミナルやドローン向けのCFRP部品など、新事業の開拓も積極的に進めています。

そんな日本ガスケット様では、2023年10月に購買ソリューション「Hi-PerBT 購買管理」を本格導入。電子帳簿保存法やインボイス制度といった法改正への対応をはじめ、業務の効率化、内部統制の強化に役立てておられます。

今回は同サービスを導入した経緯や効果について、調達部 部長のM様、調達部 調達室のH様、経営企画部 経理室 主幹のT様にお話をうかがいました。

【導入の目的】煩雑な紙業務から脱却! 業務効率化と内部統制強化を目指す

日本ガスケット様は、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を機に、社内システム全般の見直しに着手。DXによる業務改革を本格化すべく、これまでシステム化されていなかった業務の洗い出しを進めていきました。経理システムの刷新と購買管理システムの導入に携わった経理室のT様は、購買業務のシステム化を検討した経緯について次のように話します。

「経理システムの見直しを図るなかで、検収後に会計システムとスムーズに連携できるワークフローの整備が必要であると考えました。そこで、もともと間接材の購買管理システム自体が導入されていなかったこともあり、購買業務のシステム化についても並行して検討を始め、調達部参画のもと導入プロジェクトを進めていきました」(T様)

法改正への対応に端を発した本プロジェクトですが、システムの導入においては調達部の業務課題解決も目的に掲げられました。直接材・間接材を含めた購入品の検収業務を担当していた調達部のH様は「多くの課題が顕在化していた」と当時を振り返ります。

「生産に直結する直接材に関しては基本的にシステム化されていたのですが、間接材については紙ベースの業務で、本社と滋賀工場の拠点間でも膨大な書類を移動させて処理を行っていました。業務が煩雑化し、伝票待ちの無駄な時間も発生するなど、リアルタイムなデータ共有も難しい状況にありました」(H様)

また、システム導入には「内部統制強化の目的もあった」と調達部 部長のM様は付け加えます。

「間接材の購買においては、各部署で独自に見積・発注・検収を行うというのが常態化していました。今まで不正が起きたことはありませんが、これらをシステムで一元管理することで、ログの確認や発注承認等のフローの統一を行い、内部統制を強化したいとの考えがありました。そのため、将来的には直接材のデータも取り込んでシステムを一本化することも視野に入れていました」(M様)

法改正への対応と調達・購買業務の効率化、そして内部統制の強化に向け、日本ガスケット様は購買管理システムの選定を進めていきました。

【導入の決め手】柔軟なカスタマイズ性&カタログサイトとの連携機能

新システムの導入として複数の製品を比較検討した結果、最終的に日本ガスケット様が採用したのが、日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT 購買管理」でした。最大の決め手となったのは、その柔軟なカスタマイズ性だったといいます。

「パッケージ型の購買管理システムでは、直接材と間接材をワンストップで扱えるものがほとんどありませんでした。その点『Hi-PerBT 購買管理』なら、購買業務に必要な機能を標準実装し、柔軟なカスタマイズにも対応しているため、一元管理が可能です。経理室としては、検収時に勘定科目等の情報を『Hi-PerBT 購買管理』で完結でき、その後の会計システムとの連携がスムーズに行える点も魅力的でした」(T様)

また、日立製作所が提供するSaaS型の購買業務支援サービス「TWX-21 MRO集中購買サービス」との連携機能を備えていたことも導入を後押ししました。同サービスでは、日立製作所が事前に価格交渉した約3,000万点もの商品をサイトから手軽に購入可能。その利便性をH様は調達部の視点で補足します。

「さまざまな物品の購入を『TWX-21 MRO集中購買サービス』に集約することで、各部署がバラバラに購入することで発生していた膨大な請求書や納品書等を一本化でき、購入から検収までにかかっていた業務負荷の大幅な軽減が可能となります」(H様)

M様も将来的な直接材のデータとの統合や、関連システムとの連携などを考慮すると、「Hi-PerBT 購買管理」には導入するだけの価値が十分にあったと語ります。

「パッケージで販売されているシステムだと、自動車業界特有の業務にうまく対応できないケースが多いです。一方、『Hi-PerBT 購買管理』は高いカスタマイズ性を備えており、運用を開始した後に変更したいポイントが出てきても柔軟に更新をかけられます。長期的な目線で見ても導入を決めた判断は正しかったと感じています」(M様)

【導入の効果】経理・購買業務を効率化!4,000時間以上の時短を見込む

2022年10月に始まった「Hi-PerBT 購買管理」の導入プロジェクトは、約1年後となる2023年10月よりシステムの本番稼働を迎えました。本格的な運用はスタートしたばかりですが、すでに業務の効率化が図れているといいます。

「電子帳簿保存法やインボイス制度への対応はもちろん、購買フローの整備による内部統制の強化、ペーパーレス化による紙書類の整理・保管・配達にかかっていた工数とコストの削減など、多くのメリットを得られています。また、以前は調達部で検収時に紙の納品書に勘定科目等を手書きして、経理室でそれを会計システムに連携するための別システムに登録するという二度手間が発生していたのですが、この作業も不要となりました」(H様)

また「Hi-PerBT 購買管理」の導入にあたっては、費用対効果も入念に試算がされたといいます。そのパフォーマンスについて「非常に大きな成果が見込める」とT様は期待を寄せています。

「全社的に対応が必要な電子帳簿保存法改正に伴う電子保管のデータ入力を手動で行った場合と、システムを導入した場合を比較し、年間約4,000時間の削減が可能になると試算しています。システムの入れ替えという話ならば、ここまで大きな数値は出てこなかったと思いますが、今回は紙ベースの業務をゼロからシステム化するプロジェクトのため、絶大な時短効果とコスト削減効果を見込んでいます」(T様)

加えて、購買管理システムの導入の効果は上記に留まらないとT様は話します。

「たとえば監査法人が調査に来て、特定の請求書の提示を求められたときにも迅速に対応できるようになります。また『TWX-21 MRO集中購買サービス』との連携で、見積・発注等の購買業務の効率化も進んでおり、トータルではより大きな成果が享受できているのではないかと考えています」(T様)

【今後の構想】直接材・間接材の購買情報を一元管理するシステムに昇華

年間約4,000時間の時短効果を試算! ペーパーレス化で購買業務の効率向上と内部統制の強化を実現

こうした成果を踏まえ、日本ガスケット様はすでに次のフェーズに着手しています。現在は、導入当初より目的に掲げていた購買管理システムの一元化に向け、今年度から来年度を目途に直接材のデータを「Hi-PerBT 購買管理」に取り込むことを検討中。また、さらなる業務効率化と内部統制強化を図るべく、運用後も随時システムのチューニングを行っています。

「現在、当社では基幹システムの刷新に取り組んでおり、今回の購買管理システムを含め、業務システム全体の変革を進めています。こうしたDXの取り組みが完了すれば、業務における“無駄”を削ぎ落としていけるのではないかと期待しています。また、製造現場においては、AIやIoTを活用した業務の見える化、平準化にも取り組んでいます。今後、人手不足が深刻化していくなかでは、デジタル技術を用いて省人化や生産性向上を実現し、人的リソースを新たな事業に注ぎ込んでいくことが重要になってくるはずです。日立ソリューションズ西日本さんには引き続き密接なサポートをいただきたいと思っています」(M様)

将来を見据えてDXを加速させる日本ガスケット様。そして、その購買業務を支える「Hi-PerBT 購買管理」。直接材と間接材のデータの一元管理が完了した先、あるいは企業としてDXで生産性を向上した先に、日本ガスケット様がどのような新事業を展開されるのか。今後もその動向から目が離せません。

[PR]提供:日立ソリューションズ西日本