2022年12月、アマゾン ウェブ サービス(AWS)は世界のAWSパートナーを表彰する「2022 Regional and Global AWS Partner Awards」を発表した。その中で、AWSを活用したシステムインテグレーションにおいて、アジア太平洋地域で最も優れたパートナーの一社として、アイレットが「SI Partner of the Year – APJ」を受賞した。
AWSが開催するグローバルクラウドカンファレンス「AWS re:Invent」で発表された同賞には、どのような意味と期待が込められているのだろうか? 受賞の背景について、アイレット株式会社 代表取締役社長 岩永充正氏と、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 執行役員 パートナーアライアンス統括本部長 渡邉宗行氏の対談をお届けする。
AWSジャパンの歴史とともに歩んできたパートナー
──2022 Regional and Global AWS Partner Awards の「SI Partner of the Year-APJ」受賞、おめでとうございます。まずは率直なご感想をお聞かせ下さい。
岩永充正氏(以下、岩永氏): 率直に嬉しいです。我々アイレットは、AWSクラウドサービスのリセラーとして見られがちなのですが、アプリケーション開発からインフラ開発までを一気通貫で提供するSIer(システムインテグレーター)として、世界的に認められたことを、とても誇らしく思います。
渡邉宗行氏(以下、渡邉氏): 今まで各地域で開催していたアワードとは異なり、グローバルが主催したパートナーアワードは今回が初となります。AWSがAWSパートナーネットワーク(APN)を開始したのは2012年に遡りますが、この10年の節目としてRegional and Global AWS Partner Awardsは開催されました。
岩永氏: 実は最初、AWS Incから受賞のメールをいただいたときは、何の賞かわからずに、マーケティングのチームと首をひねっていたんです(笑)。でもすぐに渡邊さんからお祝いのメールが来て、それからだんだんと受賞の凄さがわかってきました。
渡邉氏: アイレットは、AWSジャパンの歴史とともに歩んでくださっているパートナーです。我々がドル建てのクレジットカード支払いしか受付できない時代から、お客様とのAWS利用料のやり取りを請求代行というかたちで面倒を見ていただき、さらにAWSの構築・運用・保守のマネージドサービスである「cloudpack」によって、日本におけるAWSの存在をぐっと身近なものにしてくれました。
しかしこの受賞は、AWSジャパンが推薦したわけではありません。専門性や革新性、お客様の役に立っているか、といった複数の指標に基づき、第三者機関が受賞者を選定したのです。世界的な調査機関に日本のアイレットが評価されたことは、私も誇らしく思いました。
岩永氏: 受賞を社内に発表したときは、ものすごく盛り上がりましたね。我々は約900人の従業員のうち、エンジニアが85%を占めています。構築・開発の実力を評価していただいたことは、全員にとっての大きな励みになりました。
クラウドの本質を理解したシステム開発
──AWSを利用したシステム開発会社として、アイレットはどのような強みをお持ちなのでしょうか?
岩永氏: 毎年1,000件以上のプロジェクトが走っているのですが、それらを遂行するために、最先端のテクノロジーを含めて一番ぴったりと当てはまるものを選定して、構築すること。クラウドを使う会社としての我々の真髄は、そこにあると思っています。
技術の進化はすさまじく早く、慣れたことだけやっていては劣化・陳腐化していってしまいます。AWSの新サービスは、世界中の知恵とお客様のニーズに基づいて生まれたものなのですから、それをいかに素早く使いこなしていけるかが鍵ですね。
渡邉氏: 私から見ると、アイレットの強みは「領域の広さ」にあると思っています。エンタープライズからスタートアップまでを対象に、基幹システムから新サービスまで、マイグレーションから内製化支援まで、あらゆる領域を手がけてらっしゃいます。クラウドで何かしたいと思ったら、なんでも相談に乗り伴走してくれる、頼りになるパートナーです。
岩永氏: 私より上手に説明してくださいました(笑)。ほぼすべてのプロジェクトが、お客様からのコンタクトで始まりますので、それに応えていくために自然と手がける領域が広がっていきました。アイレットは今年で創業20周年を迎えますが、その間に数多くの開発実績を積み重ねてきました。大規模ECサイト開発、オンライン予約システム、広告キャンペーンサイト開発、基幹業務システム、SNS連動型システムなど、さまざまな分野のシステム開発に携わってきたことで、知見やノウハウを蓄積し、幅広い領域をカバーできています。
アイレットの特徴を改めて挙げるとすれば、それは圧倒的な「スピード」です。アジャイル開発に早期から取り組んできましたし、ヒアリングの段階からエンジニアが直接お話を聞いて、その場で要件定義をしていくようなスピード感が全社にあります。
──クラウドならではの開発には、どういった特徴があるのでしょうか?
岩永氏: たとえば、KDDIのドローンサービスのシステム開発を手がけておりますが、このプロジェクトの開発当初は、まだ法規制が定まっていないなど、社会的に確立していない中でのスタートでした。このような案件をウォーターフォール型で進めていくことは非常に困難だったものと考えられます。AWSのサーバーレスサービスを活用したアジャイル開発手法のおかげで、要件に合わない部分はすぐ切り替えて、別の組み合わせにして、柔軟に進めることができました。
渡邉氏: 新規プロジェクトを、マイクロサービスを前提とした疎結合な組み合わせを採用し、BizDevOpsの連携を素早く回していくことは、Amazon自身のカルチャーと同様ですね。
岩永氏: そうですね。変化する要件に合わせ継続的に改善していくことも重要ですが、AWSは、常にサービスを拡充したりリニューアルしたりしています。既にリリースされているサービスの進化が止まらないので、安心して利用することができますね。そのため、我々もきちんとAWSというサービスに向き合い、そしてクライアントに提供することができています。
最新のテクノロジーを日本社会に実装していく
──AWSが今後アイレットへ期待することは何でしょうか?
渡邉氏: 我々は世界中のお客様のニーズをキャプチャして、サービスとして届けているわけですが、更にお客様ごとの細かな課題に向き合うためには、パートナーの存在が欠かせません。新しいテクノロジーを解釈し、その国・その地域・そのお客様に合わせた最適解にしていただく必要があるのです。そしてパートナーの仕事を支援することが、AWSとパートナーの両社の信頼に繋がります。
日本には、まだまだクラウドの魅力に気づいていない方がたくさんいらっしゃいますから、アイレットには今後もさまざまなフィールドで、この力を発揮し続けていただければと思います。そして様々なお客様のビジネス変革のために、時には先導し、また伴走し、そして後ろから支えることができるパートナーであり続けてほしいですね。
──最後に、アイレットの展望を教えてください。
岩永氏: アイレットは2017年にKDDIグループの一員となり、強固な財務基盤を手にしたことで、順調に事業拡充を続けています。社員数はこの6年で4倍になりました。おかげさまで現在は、SRT(次世代映像伝送プロトコル)などの先端技術を率先してサービス化するようなプロジェクトも手がけています。また中小企業やベンチャー企業のようなスピードや柔軟性が求められる開発案件から、要件定義をしっかりと固めるようなエンタープライズの大規模な基幹系システム構築まで、あらゆる領域の開発に取り組めています。
私たちは「技術と探究心で今日の『できない』を 明日の『できる』に」というパーパスを掲げています。お客様に寄り添うだけでなくお客様とともに伴走する”真のパートナー”を目指し、エンジニアがピカピカに光り輝くような最高のテックカンパニーとして、今後も在り続けます。
2022 Regional and Global AWS Partner Awardsについて
2022 Regional and Global AWS Partner Awards は、過去1年間に高い専門性、イノベーションやコラボレーションを取り入れたビジネスモデルを持つ、幅広いAWSパートナーを表彰するプログラム。AWS re:Invent 2022で発表された今回のアワードは、初めて地域レベルとグローバルレベルの両方で授与される複数のアワードカテゴリを用意。各受賞のカテゴリは17に分かれ、イノベーション・インダストリー・サステナビリティなどのテーマや、SI(システムインテグレーター)、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)などのAWSパートナーの役割などでも分かれており、第三者機関によって公平に審査され、決定されている。
企業紹介
アイレット株式会社
https://www.iret.co.jp/
2003年創業。AWSを始めとするシステム・アプリケーションの開発、グラフィック・UI/UXデザイン制作からインフラの構築・運用までをワンストップで提供。2010年に AWS の導入設計から24時間365日の運用・保守までをトータルでサポートする「cloudpack」の提供を開始。2013年には日本初の「AWS プレミアコンサルティングパートナー(現 AWS プレミアティアサービスパートナー)」の1社として認定され、その後現在まで認定を継続している。これまでの AWS 導入実績は2,500社以上、プロジェクト数は4,300以上あり(2022年11月時点)、スタートアップ企業から大企業まで、規模や業種を問わず幅広い顧客を支援している。
アイレットの導入事例一覧はこちら:
https://cloudpack.jp/casestudy/
[PR]提供:アイレット