マウスコンピューターの「MousePro-NB541F」は、15.6型液晶ディスプレイを搭載したビジネス向けのスタンダードノートPCだ。本体に光学ドライブを内蔵しており、バッテリーパックの取り外しができるなど、使い勝手に配慮された設計になっているのが大きな特徴。今回、その実機を試すことができたので、製品の使用感やパフォーマンスなどを詳しく紹介していこう。
屋内での持ち運びがしやすい15.6型ノートPC
テレワークやハイブリッドワークが普及した現在、オフィスや在宅で腰を据えて業務を行うときに使うPCとして支持を集めているのが、15〜16インチ前後の大型液晶ディスプレイを搭載したノートPCだ。画面が見やすく作業しやすいのに加え、いざとなれば持ち運びもできる機動性が人気の理由。本体サイズが大きい分、モバイルノートPCに比べてインタフェースが充実している製品が多いのも評価されているポイントだ。
マウスコンピューターの「MousePro-NB541F」もそのひとつ。15.6型液晶ディスプレイを採用しながらナローベゼルの採用で本体幅が361mm、奥行きが256mmに抑えられており、空きスペースの少ない机の上にも無理なく置いて使用することができる。質量も約2.03kgと比較的軽く、会議や打ち合わせで部屋を移動したり、気分転換のため場所を変えて作業したいときにも気軽に持ち運ぶことができる。その気になれば、ビジネスバッグなどに入れて出先に持ち運ぶことも不可能ではない。過酷なことで知られるアメリカ国防総省制定のMIL規格 ( MIL-STD-810G ) に準拠した信頼性テストをクリアしており、堅牢性や耐久性が高いため、移動先や出先でも安心して使用することができる。
本体カラーはブラックが基調で、凹凸の少ないシンプルかつ洗練されたデザインになっている。天板はマットな表面仕上げで指紋や汚れが目立ちにくいのも好印象。ロゴが控えめにあしらわれているほかは装飾的な要素もなく、インテリアなどにもなじみやすいので、ビジネスからプライベートまで幅広いシーンで活用できそうだ。
最近のノートPCとしてはインタフェースが非常に充実しているのも特徴のひとつ。本体左側面には電源端子のほか、LAN、D-Sub、USB 3.1(Type-C)、HDMI、USB 3.0(Type-A)端子が、右側面にはヘッドフォン出力/ヘッドセット端子、マイク端子、USB 2.0(Type-A)×2、DVDスーパーマルチドライブ、セキュリティスロットが搭載されている。また本体前面にはSDメモリーカードリーダー(UHS-I対応)も内蔵。これだけあれば、つなぎたい周辺機器が数多くあってもポート不足になることは少なそうだ。
ちなみに、左側面のUSB 3.1 Type-CポートはDisplayPort Alt modeとUSB Power Deliveryに対応しており、外部ディスプレイをつないで映像を出力したり、市販のUSB充電器をつないで本体を充電することも可能。出先などで付属のACアダプターを持ち合わせていないときなどに便利だ。
映像出力端子がHDMI、D-Sub、USB Type-Cの3系統あるため、本体内蔵のディスプレイと合わせると最大4画面の出力を行うことができる。手軽にマルチディスプレイ環境を構築して業務効率を上げられるのは大きなメリットと言えるだろう。
このほかディスプレイ上部には有効画素数約100万画素のWebカメラとマイクが内蔵されており、オンライン会議などに利用することができる。通信機能はWi-Fi 5とBluetooth 5を搭載する。
実際にMicrosoft Teamsを使ってオンライン会議を行ってみたが、精細なHD(720p)画質で撮影できるため、こちらの表情や手に持った資料の細かい部分などが相手に伝わりやすかった。また内蔵のデュアルアレイマイクが効率的に声を拾ってくれるため、相手から「よく聞こえない」と聞き返されることも少なかった。参加者が多い会議でも映像や音声がスムーズで、背景ぼかしや背景の差し替えなどの機能も問題なく動作した。オンライン会議用デバイスとしての使い勝手はとても良い印象だ。
なお、直販サイトでは、BTOオプションとして光学ドライブにブルーレイドライブやDVD-ROMドライブを選ぶことも可能。またWi-Fi 5もより高速なWi-Fi 6を選択できる。さらに最大600Mbpsのダウンロード速度に対応したLTEモジュールを追加し、別途SIMカードを用意(モバイルデータ契約が必要)することで、Wi-Fi環境のない外出先で通信することも可能なので、用途に合わせてカスタマイズしてみてはいかがだろうか。
ビジネスシーンで使いやすいディスプレイやキーボードを搭載
液晶ディスプレイは15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)のノングレアパネルが採用されており、明るい場所でも映り込みが少なく見やすいのが特徴。視野角も広く斜めから見ても色味の変化は少なめだった。色域や色再現性はノートPCの内蔵ディスプレイとしては標準的で、ビジネス文書の作成やWebブラウジングなどには十分使いやすい印象だ。
キーボードは3列のテンキーを搭載しながらキーピッチが約19mm確保されており、タイピングはかなりしやすい。またテンキーとメインキーの間の隙間が少し広めにとられており、EnterキーやBackSpaceキーを押すときに間違って隣のキーを押してしまうミスも起こりにくかった。キーストロークも約1.8mmあって打鍵感良好。前モデルからはキートップの印字が視認性に優れたユニバーサルフォントに変更されており、「O(オー)」と「0(ゼロ)」、「D」などが見分けやすくなっているのも評価できる部分だ。
タッチパッドはクリックボタンが独立したタイプ。クリックボタン一体型に比べると操作スペースが狭くなってしまうが、ドラッグ&ドロップするときのようにボタンを押さえながら指を動かすような操作はこちらの方がやりやすい。パームレストが広めに取られており、キーボード入力やタッチパッド操作を長時間行っても手首が疲れにくいのも好印象だった。
最近のノートPCはバッテリーを内蔵してユーザーの手で交換できないようになっていることが多いが、本機は着脱式になっており、本体底面のリリースラッチをスライドさせることで簡単にバッテリーパックを取り外すことができる。そのため、バッテリーが劣化した場合でも交換しやすいのは嬉しいポイント。ちなみにバッテリーパックを外した状態でもACアダプターをつないでいれば問題なく本体を動作させることができる。
製品にはバッテリーマネージャーアプリも搭載されており、使い方に合わせて100%、75%、50%という具合に一定の値で充電を止めることもできる。バッテリーの寿命を伸ばしたい人には魅力的な機能と言えるだろう。
第11世代インテル Coreプロセッサーを搭載
今回試した「MousePro-NB541F」は、CPUがインテル第11世代 Core i3-1115G4 プロセッサー(2コア4スレッド/最大4.10GHz)、グラフィックスがCPU内蔵のインテルUHDグラフィックス、メモリが8GB(シングルチャネル)、ストレージがNVMe対応の256GB M.2 SSDという構成だった。
OSはWindows 10 Pro 64ビット(Windows 11 Pro のダウングレード権利用)で、ビジネス用途でまだWindows 10環境が必要という場合でも安心して導入できる。またBTOではマウスコンピューターのサイトの一覧表にあるように、Microsoft Office 2021各エディションの選択が可能で、製品購入時からMicrosoft Officeを使用して業務に役立てることもできる。ハード的にもソフト的にも、ビジネス向けPCとしては申し分ないスペックと言えるだろう。
では、どれくらいのパフォーマンスを発揮してくれるのだろうか? そこでその性能をチェックするため、まず「CINEBENCH R23」でスコアを測ってみた。
CINEBENCH R23 ベンチマーク結果 | |
---|---|
CPU(マルチコア) | 2721pts |
CPU(シングルコア) | 1318pts |
結果を見ると、マルチコアは旧モデルの「MousePro-NB530H」が搭載している4コア8スレッドのCore i5 1035G1と同じくらい、シングルコアはそれより1〜2割ほど高いスコアが出ている。シングルコア性能が影響しやすい一般的なアプリであれば、1世代前の上位プロセッサーである第10世代Core i5以上の快適さで使用できることがわかる。動画のエンコードやマルチタスクのようにマルチコア性能が影響する用途も第10世代Core i5とほぼ同等。ビジネス文書の作成や動画視聴、Webブラウジングなどの一般的な用途なら十分すぎるパフォーマンスと言えるだろう。
続いて、「PCMARK10」でPCの総合的なパフォーマンスをチェックしてみた。
PCMARK 10 ベンチマーク結果 | |
---|---|
総合スコア | 4089 |
Essentials | 8279 |
Productivity | 6503 |
Digital Content Creation | 3447 |
快適に動作する目安は、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となっているが、本製品はほぼほぼクリアしている。普段使いやビジネス用途はもちろんのこと、ちょっとした画像編集程度なら十分対応できそうだ。
次に、グラフィックス性能を測るため「3DMARK」も試してみた。
3DMARK Time Spy ベンチマーク結果 | |
---|---|
Time Spy score | 755 |
Graphic score | 675 |
CPU score | 2307 |
3DMARK Fire Strike ベンチマーク結果 | |
---|---|
Fire Strike score | 1631 |
Graphic score | 1893 |
Physics score | 7198 |
Combined score | 510 |
3DMARK Night Raid ベンチマーク結果 | |
---|---|
3DMARK Night Raid | 7234 |
Graphic score | 8441 |
CPU Score | 3997 |
CPU内蔵グラフィックスのためそれほど高いスコアではないが、日常的な用途であれば問題なくこなせるパフォーマンスは持っていると思われる。
最後に、「CrystalDiskMark」でストレージの性能も測ってみた。評価機には256GBのNVMe対応M.2 SSDが搭載されていたが、その高速さがわかる結果になった。
CrystalDiskMark ベンチマーク結果 | |
---|---|
1M Q8T1 シーケンシャルリード | 3123.87 |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 1237.98 |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 1841.85 |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 1216.83 |
4K Q32T1 ランダムリード | 410.02 |
4K Q32T1 ランダムライト | 445.82 |
4K Q1T1 ランダムリード | 56.95 |
4K Q1T1 ランダムライト | 145.11 |
大きく見やすい15.6型液晶ディスプレイやタイピングしやすいキーボード、本体内蔵の光学ドライブ、着脱できるバッテリーパックなどを搭載した「MousePro-NB541F」。現代の働き方に即した機能や、使い勝手に配慮した機能が数多く盛り込まれており、オフィスや在宅で仕事する際の相棒として長く付き合っていけそうだ。マウスコンピューターの直販サイトでは109,890円(税込)~という手頃な価格で販売されており、コストパフォーマンスも良好。手頃で高性能な使いやすいノートPCを探している人には、ぜひ注目してほしい製品だ。
▼MousePro-NB541Fの主なスペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
商品名 | MousePro-NB541F |
ディスプレイ | 15.6型フルHD ノングレア(1,920×1,080) |
CPU | Core i3-1115G4プロセッサー |
メモリ | 8GB DDR4-3200 |
M.2 SSD | 256GB(NVMe対応) |
チップセット | - |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
グラフィックス | インテルUHDグラフィックス |
OS | Windows 10 Pro 64ビット (Windows 11 Proのダウングレード権を利用) |
インタフェース | HDMI、D-Sub、USB 3.1(Type-C)、USB 3.0(Type-A)、USB 2.0(Type-A)×2、LAN、マイク入力、ヘッドホン出力/ヘッドセット、SDメモリーカードリーダー(UHS-I対応) |
サイズ | 約W361×D256×H29.1mm |
重量 | 約2.03kg(バッテリー含む) |
バッテリー駆動時間 | 約6.5時間 |
価格 | 109,890円(税込)~ |
[PR]提供:マウスコンピューター