2021年2月25日、Webセミナー「マイナビニュースフォーラム 働き方改革 Day 2021 Feb.」が開催された。「ニューノーマルのマネジメント、変化を生き抜く個人と組織のあり方」をテーマに掲げた同セミナーでは、急速に働き方変革の波が押し寄せるなかで成果を出し続ける組織の構築方法について、具体的な事例とともに解説する講演が多数実施された。

その中から本稿では、ベルフェイス株式会社 グロースビジネスグループ セールスディヴィジョン GM 岩田恭行氏が登壇した講演「『非対面のデジタル営業』で変わる営業チャネルと組織体制」の模様をレポートする。

  • ベルフェイス株式会社 グロースビジネスグループ
    セールスディヴィジョン GM 岩田恭行氏

営業部門が抱える普遍的な課題と新たな課題

2015年に設立したベルフェイスは「勘と根性の営業をテクノロジーで解放し企業に新たなビジネス機会をもたらす」をビジョンとして、オンライン営業システム「bellFace」の開発と提供、およびオンライン営業に関するコンサルティングを行っている。

登壇した岩田氏は、「営業部門が抱える課題はリソース不足とスキル不足の2つに集約される。これらは、働き方に大きな変化が訪れている現在においても存在する普遍的なもの」だと説く。

営業には可視化すべきいくつかの指標がある。例えば、営業部門にとってのKGI(Key Goal Indicator)とも言える「営業生産性」は売上をコストで割ったものであり、売上は「商談数×受注率×単価」で成り立っている。そして、これらの指標も普遍的なものである。

「2つの課題に向き合いながら、指標の改善を繰り返す。これは、歴史的な社会環境の変化が訪れている現在においても、変わることがない基本構造です」(岩田氏)

一方で、環境の変化によって新たな課題も発生した。コロナ禍により、従来は客先へ出向いていた対面営業からオンラインによる非対面営業への切り替えを余儀なくされ、これまでの商習慣が通用しなくなったのだ。その結果、満足な営業活動ができず、商談の絶対数が不足する。これは営業組織にとっては死活問題である。

また、非対面営業では「(顧客との)コミュニケーションの難易度が上がる」という課題もある。対面営業では十分な実績がありながら、オンライン営業では経験やスキルが不足しているため、十分な力を発揮できず実績が上がらない営業担当者も少なくない。オンラインスキルの不足は、顧客とのコミュニケーションだけではなく、上司や同僚との「意思疎通の不全やミスコミュニケーション」にもつながる。

コロナ禍で生じた非対面の働き方は、顧客の購買行動にも大きな変化をもたらしている。情報収集や購買の手段に、デジタルを活用する傾向が強くなったのだ。こうしたことから、営業組織におけるデジタル活用の重要性は急速に高まりつつある。

「変化や課題を認識し、受け入れ、デジタルやテクノロジーの導入を覚悟して営業組織を強化、場合によっては再構築する。それが今、営業組織に求められています」(岩田氏)

商談数の確保とコスト削減を実現するオンライン営業チャネル

では、デジタルテクノロジーを用いて、どのように課題を解決していくのか。

まず、営業にとって最大の課題でもある「商談数を上げる」ためには、「顧客の購買や情報収集手段の変化を理解した上で、それに応じた顧客ファーストな営業チャネル/コミュニケーションチャネルを充実させること」が必要だ。

2020年4月の緊急事態宣言発令後に対面営業の頻度は大幅に減少した。いったん宣言が解除された後は頻度も戻りつつあったが、完全に戻りきるまでには至っていない。

「このような状況下において商談数を担保するには、非対面で行うオンライン営業チャネルの充実が必須です」(岩田氏)

対応コストの観点から見ても、オンライン営業チャネルを充実させることは効果的だ。なお、ベルフェイスではbellFaceを使用したフルオンラインの営業を実施しており、岩田氏によれば「2020年3月から7月までの実績では、(対面営業と比較して)1件あたり約5,000円のコスト削減を達成した」という。

オンライン営業のスキルをいかにして身に付けるか?

オンライン営業によって商談数増加や対応コスト削減が実現できたとしても、慣れない非対面でのコミュニケーションで満足な商談ができず、受注率が下がってしまうようでは本末転倒である。

コロナ禍によってオンライン営業の機会は確実に増えてきている。だが、あまりにも急に実施せざるを得ない状況になったため、効果的なオンライン営業のスキルやノウハウは圧倒的に不足している。それが営業現場の実情だろう。

「営業に大切なものは普遍です。しかし、オンライン営業という新しいスタイルを成功させるためには、オンラインであることを活かすためのナレッジの習得とトレーニングが欠かせません」

オンライン営業では、これまで現場に立ち会わない限りわからなかった、各営業担当者の知識やノウハウを動画や音声のかたちでチーム内に共有できる。これは、デジタルであるオンライン営業だからこそ可能となった「営業組織の教育手法に革命をもたらす貴重なビッグデータ活用」となる。

例えば、bellFaceでは営業シーンを録画/録音して共有する「レコログ機能」を搭載している。録画/録音した生の営業活動を分析したり、共有したりすることで、本人だけでなく、周囲のメンバーも含めたオンライン営業スキル向上が期待できるというわけだ。

  • レコログ機能では、録画データの画像解析を行い商談の内容を可視化する。
    また、自動テキスト化により、フリーワード検索も可能だ

Web会議ツールが抱える課題

一般的にオンライン営業では、ZoomやTeamsなどのWeb会議ツールを利用することが多い。しかし、MM総研の調査結果によると、4割弱の企業が「Web会議システムを利用していない」と回答している。また、たとえ企業として導入していたとしても、ITが苦手な顧客にとってWeb会議システムを利用したオンライン営業はハードルが高い。

例えば、Web会議ツールでオンライン営業を行う場合、まずそのツールをインストールしてもらい、起動/設定してもらい、会議室のアドレスを送信する宛先を教えてもらうなど、さまざまな“お願い”をしなければならない。まだ信頼関係が十分に築けてはいない顧客に負担を強いることは、営業担当者としては避けたいはずだ。

「bellFaceでは、ホームページに設置したバナーを1クリックすれば、すぐにオンライン商談が開始されます。スマートフォンの場合はSMSでリンク先を送信してワンタップで接続が開始されます。Web会議ツールと比較すると、顧客に掛ける負担ははるかに少ないはずです」(岩田氏)

ベルフェイスが提案する新しい営業手法

現在、営業手法には大きく分けて「電話」「オンライン」「対面(訪問/来店)」の3つがある。ニューノーマル時代の到来により、従来は主流だった対面型の営業活動は維持/縮小に向かうことが予想される。一方で、電話やオンラインのような非対面型の営業活動はさらなる強化が求められるようになる。

「bellFaceは、電話営業では音声にビジュアルを加えて営業の品質と効率を向上させ、オンライン営業ではWeb会議システムが抱えるネックを解消して対面と同レベルの品質を提供する」と岩田氏は強調する。

非対面営業の効果が上がれば、相対的に対面営業で発生していた対応コストを削減できる。空いたリソースを新たな営業活動に振り分けることも可能になるだろう。

岩田氏は「ベルフェイスではオンライン営業のノウハウをまとめた無料動画セミナー/コンテンツを多数配信している。オンライン営業にご興味がある方、またはオンライン営業で成果を上げたいという方には、参考になる情報が詰まっているので、ぜひ一度ご覧いただきたい」と呼びかけ、講演を締めくくった。

[PR]提供:ベルフェイス