ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの機器やシステムを安定して運用する際に欠かせないのが保守サービス。メーカーの保守サービスには必ず加入するという企業は多いだろう。だが保守サービスも永遠ではなく、いつかはメーカー保守終了(EOSL: End Of Service Life)を迎えシステムの移行を余儀なくされる。とはいえ、コストやスケジュールの問題からEOSL後も機器を継続運用したいと望む企業も多いのではないだろうか。

そこで、マイナビニュースは2020年6月に読者会員【IT関連技術職(ソフトウェア・ネットワーク他) 事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他)】を対象にしたアンケートを実施。保守サービス切れに関する実態はどのようなものか、結果とともに紹介したい。

アンケート実施概要

  • テーマ:IT機器の第三者保守に関する意識調査
  • 回答方法:インターネットによるアンケート
  • 対象:マイナビニュース会員読者
  • 有効回答者数:500名
  • 実施期間:2020年6月

保守契約切れで利用していた!どんな問題に直面するのか

保守サービスを受ける目的は、言うまでもなく障害発生時のサポートにある。障害発生時の対応はもちろんのこと、その後の修理や代替の手配、技術情報の提供など、サービスメニューに応じてさまざまな支援が受けられる。逆に保守サービスが切れるということは、さまざまな障害に対する対応策を失ってしまうということだ。

それでも保守サービス切れが発生してしまう状況は往々にして存在する。代表的な例は、やはりEOSLを迎えてしまうことだろう。このほかにも、保守サービスコストの負担が重いため更新しないというケースもあるはずだ。

  • 過去に保守サービス切れの製品を利用していたことはありますか?

Q3のアンケートから「過去に保守サービス切れの製品を利用していたことはありますか?」の回答を見てみると、5割の方が保守サービス切れの製品をそのまま利用していた経験があることがわかる。

保守サービス切れにともない4割が「困ったことがある」と回答

半数の方が、実際に保守サービス切れの製品を使ったことのある経験を有していることが分かったが、問題なく使用できるものなのだろうか。

  • 保守サービス切れにともない困ったことはありますか?
  • 具体的にどのような内容で困りましたか?

「保守サービス切れにともない困ったことはありますか?」に対する回答では、半数近くが“はい”と答えており、やはり保守サービス切れは業務に影響を与えるようだ。具体的な困りごととしては、運用リスクの増大、システム更新のコストとスケジュールなどが挙がった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響はITコストにも

一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ITにかかるコストを削減しようという動きも見えている。

  •  新型コロナウイルス感染症の影響拡大にともないITコスト削減を検討していますか?

「新型コロナウイルス感染症の影響拡大にともないITコスト削減を検討していますか?」に対する回答では、“検討している”と”選択肢の1つとして検討している”の合計が4割を超えており、多くのIT部門がコロナ禍の影響を強く受けていることが見て取れる。

  • ITコストを削減するのであればどこを削減しようとしていますか?

「ITコストを削減するのであればどこを削減しようとしていますか?」に対する回答を見ると、“システム更改の費用”と“システムの運用コスト”が“人件費”を超えて並んでおり、システムにかかわるイニシャルコスト、ランニングコストを削減しようという意図があることが推察される。

「第三者保守」とは?

IT企業にとって保守サービス切れのリスクは高く、一方で保守サービスのコストを負担に感じていることも多いという状況が見えてきた。とはいえ、メーカーの定めたEOSLはいずれ訪れてしまい、やがてリプレイスを迫られてしまう。

そんな企業の新たな選択肢が「第三者保守」だ。第三者保守とは、メーカーやそのパートナー企業の代わりに第三者企業が保守を請け負うサービスを指す。その特徴は、メーカーがEOSLを宣言した製品であっても、保守を継続可能とすること。「延命保守」「延長保守」と呼ばれることもある。また、メーカー保守サポートよりもコストを抑えられるという側面も備えている。

企業にとってさまざまな利点を備える「第三者保守」だが、果たしてどれだけの人がご存じだろうか。

  •  メーカーの保守サービス期間以降も保守を提供する「第三者保守」というサービスをご存じですか?

「メーカーの保守サービス期間以降も保守を提供する「第三者保守」というサービスをご存じですか?」に対する回答を見ると“知らなかった”が半数を超え、“知っているが利用したことがない”も3割近い数となっている。

  • 保守サービスを終了した製品に対しどのような対応を行いましたか?

さらに「保守サービスを終了した製品に対しどのような対応を行いましたか?」の回答を見ると、“第三者保守サービスを利用した”はわずか3%ほどだ。メーカーの保守サポート期限にとらわれずにリプレイスのタイミングを計れる有効な手段であるにもかかわらず、その知名度はまだまだ高いとは言えない。

第三者保守サービスはどのような会社が行っており、どういったサービスを行っているのだろうか。後編ではその具体的な例として、エスエーティ(SAT)の保守サービスについてエスエーティ 代表取締役の蔵満 茂 氏にインタビューとともに紹介していきたい。

エスエーティのHPはこちら
https://sat-corp.jp/

[PR]提供:エスエーティ