Avail-Ⅰを導入したある大手部品メーカーの事例が興味深い。その企業のある部門では、機器95台を9ヵ月間運用した際、障害イベント対応件数が約700件に達していた。月にならすと約78件の障害イベント対応を行うという忙しさだ。また、原因を特定するまでの時間は平均して2時間で、その間、企業が行う一次対応は1時間10分も占めていた。つまり、一次切り分けやログ収集、ログ送信などの作業に大半の時間が費やされていたのだ。

「イベントの中には、通信障害のときに送信されるSNMPトラップの確認作業など、インフラ担当者が行う必要のないものが多くあります。また、ログ収集やログ送信といった作業に時間をとられ、インフラ担当者本来の仕事が妨げられています。Avail-Ⅰは、そうした作業のムダを省き、障害対応にスピーディーに対応できるようにします」(北谷氏)

Avail-Ⅰ導入によって、この企業ではどんな効果が得られたのか。まず、イベント対応件数は700件から10件へと激減した。この10件も、追加ログ取得などの作業であるため、イベント対応はほとんどなくなったと言ってもいい。また、障害の特定時間は、2時間から30分へと4分の1に短縮された。さらに1時間10分かかっていた顧客側での対応はほぼゼロになったのだ。

こうした成果を受けて、この企業の担当者からは「一番負荷のかかっていた障害発生時のログ取得作業がほぼゼロになった」「機器に自動ログインするため、障害対応作業時に機器に間違えてログインすることがなくなった」「自動化で余裕ができ、本来の業務に集中できるようになった」といった声が届いたという。ビジネスが止まることのリスクを低減しながら、ヒューマンリソースを最適化できるようになったのだ。

また、ある開発会社の事例も興味深い。この会社がAvail-Ⅰ導入を決めたのは、顧客先で本番稼働しているアプリケーションでの障害発生がきっかけだ。問題を特定するためにオンプレミスの検証環境で確認を行っていたところ、今度は検証環境側で機器障害が発生した。検証環境側での対応に手間取ったため、本番環境での復旧対応にも時間がかかってしまったのだ。

そこでAvail-Ⅰを検証環境側に導入し、開発・検証で使用する前に機器の不具合を見つけられるようにした。これにより、納品するアプリケーションの品質を高めつつ、トラブルがあった場合もすみやかに対応できるようになったという。事故が起こってから対応するのではなく、未然に事故を防ぐための手段としてAvail-Ⅰを活用しているのだ。

  • 大手部品メーカーの事例

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プロアクティブなサービスで運用保守サポートのあり方を変えていく

ユーザーからの声としては、このほかにも「障害解決にかかる時間を短縮できるので、業務中断によるビジネスへの影響が最小限に抑えられるようになった」「休日や夜間などの担当者が不在の際にも対応できるようになった」「一次解析結果を携帯メールで受信できるので夜中でも安心」「さまざまなベンダーの機器の保守窓口を一元化できた」などがある。

保守サポートサービスは、機器メーカーをはじめとして、さまざまな企業が展開している。自動ログ収集やWebポータルによる一元的なイベント管理なども単体のソリューションとしては存在する。だが、Avail-Ⅰのように、マルチベンダー環境で専門エンジニアによる分析や顧客対応までがワンストップで提供されるサービスは他に類を見ない。

さらに、北谷氏は「ログ取得のために特別な設定が必要になったり、ログ送信のために特別な回線を引いたりといった必要はありません。また、Webポータルではインシデント情報を関係者で共有したり、最新の構成機器情報を確認したりできますから、記録・報告の手間を削減するだけでなく、将来的なインシデント対応に向けた情報基盤にもなりえます」と、Avail-Ⅰならではの長所を説明する。

今後の展開として、渡邊氏は「対応機器をさらに増やしたり、アカウントエンジニアによるSMSとの連携をさらに強めたりして、サービスの拡充を図っていく予定です。また、他社とのサービス連携やインフラ運用者の育成支援などにも取り組んでいきたいです。いずれはAvail-Ⅰを使って運用保守サポートのあり方を“ユーザーが気づく前に障害を知らせる”といったプロアクティブな方向に変えていき、自動障害対応を保守のスタンダードにしていきたいという思いもあります」と話す。

本稿で紹介しているAvail-Ⅰの詳細はこちら http://www.ctct.co.jp/service/avail-I/index.html

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