ペンタセキュリティシステムズ(ペンタセキュリティ)は1月18日、同社のセキュリティコラム「未来ではなく、現在の自動車セキュリティ」を公開。コネクティッドカーに搭載するIT技術と、市場の今後の展望について解説した。

コネクティッドカーとは、車内に通信機能を搭載し、内部デバイスのモニタリングおよび制御、システム管理などのために外部ネットワークとのデータ交換などを可能にした自動車のこと。既存の自動車と比べてスマートであることから「スマートカー」と呼ばれることもあるが、技術面での正確さを現すという意味でコネクティッドカーと呼ばれることが多い。

車内に搭載する通信方式の違いでも、コネクティッドカーを分類できる。1つはスマホやタブレットなどのモバイル機器を車両と有線・無線接続し、データを共有できる「テザータイプ(Tethered Type)」。もう1つは、ネットワーク通信用の機器を車内に搭載し、モバイル機器を介さず外部と直接通信できる「組込みタイプ(Embedded Type)」だ。

コラムの冒頭では、ペンタセキュリティがコネクティッドカーへのセキュリティ技術の定義付けで頭を悩ませたことを明かしている。技術の名称を考える際、「スマートカーセキュリティ」「コネクティッドカーセキュリティ」といった候補もあったが、それらは未来の技術であるような印象を受けるため却下されたという。現在の技術であることを強く示すため「自動車セキュリティ」という呼び方にしたという。

コネクティッドカーの市場規模にも触れている。コラムによると、コネクティッドカーの生産量は2016年の1,240万台規模から2020年には6,100万台になると予想されており、さらにWeb基盤のサービスプラットフォームの変化が本格化すれば、予想より速く拡大する可能性もあるという。通信タイプは、モバイル機器を使わず自動車そのものが通信する方向性が主流となると見られている。

一方で、テザータイプを推進する流れもある。フォードとトヨタは「スマートデバイスリンク(SmartDeviceLink)コンソーシアムを共同で結成し、コネクティッドカープラットフォームの共同開発を進めている。両社は、自動車が外部ネットワークと接続する際に、スマートフォンが必須となると見ているという。

コラムではコネクティッドカーの普及により、自動車がWebベースのサービスプラットフォームになると紹介している。コネクティッドカーは、スマホのような通信手段を搭載するだけでなく、パワーの自由も効きやすい。それにより「動くデータセンター」となることも考えられるという。

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現時点のコネクティッドカーでできることは、スマートフォンで自動車のドアを開閉し、すぐに道を見つけるためにマップサービスを利用するというレベルに限られている。しかし今後は技術が進み、車両整備及び管理のための車両情報収集、道路交通情報収集などにも対応し、適切な状況認識を行うツールとして活用できるようになるという。

さらに興味深い内容として、コネクティッドカーの展開に際して自動車メーカーにとって脅威となるのは、本来は自動車業界とは無縁であったIT企業だと触れている。これは未来の自動車が目指す「自律走行」「エネルギー革新」「車両共有」というキーワードが、自動車業界だけでなく、ソフトウェア開発を行うIT企業が得意とする分野であるためだ。

例えば、Googleは自動運転の技術を以前から注目しており、すでに高度な自律走行車の技術を有していることが明らかになっている。そのほかAppleなどの大手IT企業のほか、中国のスタートアップ企業などさまざまな企業がコネクティッドカーの市場を狙っているのだという。コラムでは、IT技術を多く搭載するコネクティッドカーは、AppleやGoogleのような企業が当然狙うべき事業だと指摘している。

コラムの最後では、自動車のセキュリティに触れている。今後コネクティッドカーを狙った事件などが起こる可能性もあることから、情報セキュリティ専門企業との協業をしたほうがいいと指摘している。それにより「得るものは多いが、失うものはない」とまとめている。

(マイナビニュース広告企画 : 提供 ペンタセキュリティシステムズ)

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