2016年11月17日から22日にかけて、工作機械見本市「JIMTOF2016」が東京ビッグサイトにて開催された。欧米や中国、インドなど21カ国が参加し、出展社数は約1,000社と過去最大となった。また、東京ビッグサイトのほぼすべての展示面積5ヘクタールを使い、ありとあらゆる「ものづくり」のための製品が披露された。 JIMTOFの公式webサイトで、"混雑状況予測"が表示されるほど賑わった来場者数は14万人超。その約1割以上が訪れ、高い注目を集めたのが、タンガロイのブースである。
「倍速切削」を実現する工具
タンガロイは、金属を「切る」「削る」「穴をあける」といった、すべてのものづくりに欠かせない切削工具を製造販売するメーカーだ。
1934年に特殊合金株式会社としてスタートしたタンガロイは、ダイヤモンドに次ぐ硬度の「超硬合金」の開発に日本で初めて成功して以来、常に最先端の切削工具をつくり続けている。2万種類を越えるタンガロイの切削工具は、自動車や鉄道、電化製品に発電所、日用品から航空宇宙分野にいたるあらゆる製造現場で利用されている。日本で過ごしていて、彼らの工具によって生まれた製品に触れたことのない人はいないだろう。
今回、JIMTOF2016にタンガロイが出展した新製品ラインナップは「TUNGFORCE(タングフォース)」で、キーワードは「倍速切削」。同社によれば、工場現場で機械が実際に稼働している時間は全体の65%に過ぎない。残り35%の時間は、工具やインサートの交換、故障の対応などに費やされている。それらの時間に着目し、現場の生産効率を向上させる工具となることがTUNGFORCEのコンセプトだ。
たとえば、直角肩削り用カッタ「DoForce-Tri(ドゥーフォース・トライ)」や、旋削加工用工具「MiniForce-Turn(ミニフォースターン)」は、従来のインサートが片面仕様2、3コーナーであるのに対し、倍以上となる両面仕様6コーナーを実現している。素材を加工する「刃」を数多く備えることで、工具寿命を高めているのだ。超硬合金の成形技術を飛躍させた成果である。
また、通常のドリルが超硬合金で全体が作られているのに対し、ヘッド交換式ドリル「DrillForce-Meister(ドリルフォース・マイスター)」は、加工する部分だけが2枚刃の超硬合金でできている。交換時は先端だけを付け替えれば済むため、機械停止時間を大幅に短縮できる。さらにレアメタルの使用を抑えているため、コストも低減している。TUNGFORCEの製品はいずれも、どの現場でもおこなう基本的な加工に「倍速切削」をもたらすことができるのだ。
コンセプトを魅せるために
同展示会のために1年前から準備を進めてきたという、タンガロイ マーケティング本部 広告宣伝グループの田山貴一氏は話す。
「アメリカやヨーロッパでも大きな展示会はありますが、どちらかというと楽しむための『お祭り』といった内容です。本当に業務に必要な工具を見るのであれば、日本の展示会だということは世界中の人が知っていますから、新製品の開発も展示もJIMTOFに照準を合わせています。まさに全社をかけたイベントなんです」(田山氏)
タンガロイは2008年にIMCグループ(International Metalworking Companies B.V.)に参入した。イスラエルのイスカル社を中核とする切削工具メーカーグループであり、超硬切削工具業界では世界第2位の売上高を誇る。毎年数十の新製品を発表し、バリエーションを含めるとそのラインナップは1,000を越える。こうしたタンガロイの研究開発力の背景にあるのは、IMCグループの協力体制だ。
「赤」を基調にしたJIMTOF2016のブースデザインは、IMCグループとして世界に統一感を示すためのものだが、タンガロイはさらに細やかな展示に工夫を凝らした。100を越える大小さまざまな切削工具をできるだけ立体的に配置し、利用シーンがイメージしやすいように、実際の加工部品と合わせて展示する。また、LEDを使って目玉製品の土台を赤く光らせるといった具合だ。すべての展示台は試行錯誤の末、一つひとつ自作されたものだ。ブースにいる15名の説明員のうち、6名は実際に製品を開発した担当者であり、専門的な相談にも親身に応えられるようにしていた。
ブース内で披露されたサンドアートの様子 |
他にも、ブース内ではサンドアーティストの伊藤花りん氏を招いて、「サンドアート」の公演が連日実施された。超硬合金はタングステンの「砂」からつくられる。光と影によって砂絵を変化させる芸術を通じて、タンガロイの世界観が物語られた。
「サンドアートは、以前、タイの展示会でおこなった際に好評だった企画です。どんな展示会もいきなり大成功を収めることはできません。過去に出展してきたさまざまなイベントの教訓が積み重なって、今があります」(田山氏)
タンガロイの切削工具には、「かたち」に一つの特徴がある。既存のものとかけ離れた姿をしている工具もあるため「これで本当に切れるのか?」といった質問もあるという。既成概念に囚われることなく、「本当に必要なものは何か」とコンセプトに向かって地道に進んでいく。タンガロイの製品開発に対する姿勢は、JIMTOFへの出展にかけた工夫からも浮かび上がっていた。
(マイナビニュース広告企画:提供 タンガロイ)
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