今週は「見出し番号」をWordに自動入力させる場合の設定手順を紹介しておこう。この設定を行うと、自分で見出し番号を入力する手間が省けるだけでなく、「ナビゲーション」ウィンドウで文書の構造を変更した際に見出し番号を自動修正することが可能となる。必須の機能ではないが、気になる方は設定手順を覚えておくとよいだろう。
見出し番号の自動指定
Wordに「見出し番号」を自動入力させるには、"見出し"の書式指定用に作成した「スタイル」と、自動入力される「見出し番号」を関連付ける設定を行わなければいけない。以下に、具体的な操作手順を紹介していこう。
まずは「ホーム」タブにある「アウトライン」のアイコンをクリックし、「新しいアウトラインの定義」を選択する。
すると、以下の図のような設定画面が表示されるので、「オプション」ボタンをクリックして設定画面を拡張する。
この画面で「各レベルの見出し番号」に対応させるスタイルを指定していく。まずは「レベル1の見出し番号」に対応させるスタイルを指定しよう。今回の例では、レベル1の見出しの書式を「章見出し」という自作スタイルで指定している。よって、「レベルと対応付ける見出しスタイル」の項目に「章見出し」のスタイルを指定する。
続いて、見出し番号の表記方法を指定する。今回の例では「第○章」という形式で見出し番号を表示するので、「番号書式」の項目に「第」と「章」の文字を入力する。この指定を行う際は、"グレーで反転表示された数字"が“Wordにより自動入力される番号”と考えればよい。この数字の前後に文字を入力することで、見出し番号の表記を自由にカスタマイズできる。
同様の手順で「レベル2の見出し番号」を設定する。設定画面の左上で「2」のレベルを選択し、対応させるスタイルと表記方法を指定する。なお、今回の例では「レベル2の見出し番号」を「1.1」「1.2」「1.3」……のように番号だけで表記するので、「番号書式」の項目は初期状態のままで構わない。
さらに、必要に応じてレベル3以降の見出し番号を設定していき、最後に「OK」ボタンをクリックすると設定作業が完了する。
参考までに、今回の例で設定した内容を以下にまとめておこう。
- レベル1の見出し番号 …… 対応スタイル:「章見出し」、番号書式:「第○章」
- レベル2の見出し番号 …… 対応スタイル:「節見出し」、番号書式:「○.○」
- レベル3の見出し番号 …… 「見出し番号」を付けないため指定なし
このように設定を行うと、文書の表示は以下の図のようになる。
「第1章」や「1.1」などの見出し番号が2組ずつ表示されているが、これは「Wordにより自動入力された見出し番号」と「自分で入力した見出し番号」が重複していることが原因だ。このままでは不具合のある表示になってしまうので、「自分で入力した見出し番号」を削除しておこう。
この操作は、それぞれの段落で「見出し番号」を選択して「Delete」キーを押すと実行できる。「Wordにより自動入力された見出し番号」はマウスをドラッグしても選択できないので、2つある見出し番号のうち選択可能な方を削除していくと「自分で入力した見出し番号」を削除できる。
見出し番号の配置の指定
前述した方法で見出し番号を設定すると、レベル2以降の見出しにインデント(左側の余白)が指定される。とはいえ、このインデントが不要な場合もあるだろう。このような場合は、もう一度「新しいアウトラインの定義」の画面を開き、インデントの設定を変更しておく必要がある。
インデントは「左インデントからの距離」で指定する。この項目を0mmに変更すると、インデントなし(左側の余白なし)の状態に戻すことができる。また、「インデント位置」の項目で「見出し文字」を開始する位置を指定することも可能だ。「見出し番号」と「見出し文字」の間隔が広くなりすぎた場合は、「インデント位置」を小さな数値に指定しなおせばよい。
そのほか、自動入力される番号を漢数字などに変更できる設定項目も用意されている。
例えば「レベル2の見出し番号」において、「左インデントからの距離」を0mm、「インデント位置」を12mmに変更すると、以下の図のように"見出し"を配置できる。
「インデント位置」の数値は"見出し"のフォントや文字サイズにも影響を受けるので、実際に作業を行う際は、適当な数値を入力して結果を確認しながら値を調整していくとよいだろう。
文書構造の変更と見出し番号
見出し番号をWordに自動入力させている場合は、「ナビゲーション」ウィンドウで"見出し"の並べ替えを行うと、それに合わせて見出し番号も自動修正される仕組みになっている。つまり、文章の構造を変更しても、見出し番号の整合性は常に保たれることになる。
※「ナビゲーション」ウィンドウの使い方は前回の連載を参照。
ただし、文章の構造を変更する時以外は、「見出し番号の自動入力を設定してもあまりメリットがない……」と考えることもできる。「第1章」や「1.1」などの文字入力を省略できるのは確かに便利であるが、これを自分の手で入力したとしても大した手間にはならないはずだ。
よって、文書の構造を変更する可能性がほとんどない場合は、今回の連載で紹介した機能を利用しなくても構わない。むしろ、設定の仕組みをよく理解できないまま利用すると、トラブルの原因になる恐れがある。「絶対に利用しなければならない機能」ではないので、各自のスキルと相談しながら、利用する、しないを決めるとよいだろう。