今回のテーマは「プレゼンテーション」
社内外でセミナーや勉強会が頻繁に行なわれている。そうした場で、不特定多数や取引先などを相手にプレゼンテーションを行なう機会は誰にもあるだろう。プレゼン資料は、単にテンプレートに当てはめて作っただけでは面白くなく、記憶にも残らない。相手を圧倒するほどのプレゼンテーションを行うには、それなりの準備が必要だ。
これまでのプレゼンテーションとは一味違う魅力的な資料の作成と、発表をフォローしてくれるであろうWebアプリケーション、オープンソース・ソフトウェア(OSS)を紹介しよう。きっとあなたの発表を彩ってくれるはずだ。
今回紹介するOSS・Webアプリ
『Prezi』 ダイナミックなスライドが印象を植え付ける!?
『SlideSix』 音声付きプレゼン資料を作成できる
『PowerPoint Prototyping Toolkit』 アプリやサイトのUIプレゼンに! パワポ用テンプレ
『PPT iPhone Controller』 iPhoneを使ってスライドショーを制御する
ダイナミックなスライドが印象を植え付ける!?
名称 | Prezi |
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URL | http://prezi.com/ |
プレゼンテーションの基本はスライドだ。だが一つひとつのスライドで淡々と説明が続けられてはすぐに飽きてしまう。そこで『Prezi』が生み出したのがダイナミックなプレゼンテーションシステムだ。プレゼンテーション全体を一枚の大きなキャンバスにし、視点を変えながらプレゼンテーションが進んでいくのだ。
ひとつのイラストからズームしてさらに説明をしたり、右にスライドしながら、回転しながら、プレゼンテーションが進んでいく。これは画像よりも実際のプレゼンテーションや映像を見てもらえれば分かりやすい。ダイナミックに見た目が変わり、インパクトの強いプレゼンテーションができあがる。
通常のプレゼンテーションとは様相が異なるので最初は難しいかもしれないが、ひとつの大きな紙にひとつの事柄を記すというのは思考の整理にもちょうどいい。エキスポのようなショーの要素が強い場所などに向いたWebアプリケーションだ。
音声付きプレゼン資料を作成できる
名称 | Navify |
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URL | http://slidesix.com/ |
最近は紹介動画をトップページに貼り付けたWebサイトが増えている。その際には音声があると分かりやすい。同じくプレゼンテーションを共有するサービスが増えているが、音声がないので細かな説明がなく分かりづらいのが不満だ。その点を解消してくれるのが『SlideSix』だ。
SlideSixはアップロードしたプレゼンテーション(PowerPoint/ KeyNote/ OpenOffice.orgが対応)に、録音した音声や動画を貼り付けてプレゼンテーションと同時に流すことができる。録音はSlideSix上で行うので、実際にプレゼンテーションを行なっているイメージだ。
任意のサイトに埋め込むためのコードも提供されている。できあがったプレゼンテーションを自分のサイトやブログに貼り付ければ、より効果の高いオンラインプレゼンが完成する。事前に行なったプレゼンテーションの音声を録音しておいて、それと組み合わせて公開というのもよいのではないだろうか。
アプリやサイトのUIプレゼンに! パワポ用テンプレ
名称 | PowerPoint Prototyping Toolkit( オープンソースではありません) |
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URL | http://www.istartedsomething.com/... |
プレゼンテーションの中で、アプリケーションやWebサイトのデザインが必要になることがある。ちょっとしたものであればあらかじめ組み込まれているオブジェクトを使って作れると思うが、複雑なものになると時間がかかってしまう。そのような時に使えるのが『PowerPoint Prototyping Toolkit』だ。
PowerPoint Prototyping Toolkitは、Microsoft PowerPoint 2007に対応したテンプレート。WebサイトやWindowsアプリケーションのデザイン作業に便利な小物が収録されている。ウィンドウ/ チェックボックス/ ドロップダウンリストなど、これらを使えばより分かりやすい画面がデザインできるはずだ。
スライドの左側にデザインしつつ、右側で補足の説明を行なうようなことも簡単だ。さらに強調したい部分だけを作るようにするなど工夫もしやすい。ディレクターや設計を行なう人にオススメだ。
iPhoneを使ってスライドショーを制御する
名称 | PPT iPhone Controller |
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URL | http://code.google.com/p/ppt-iphone-controller/ |
iPhoneには「Remote」というソフトウェアがある(有料)。これは母艦のMac OS Xで立ち上げた「KeyNote」に接続し、iPhoneからプレゼンテーションを操作するというソフトウェアだ。コンピュータを使ったプレゼンテーションの場合、コンピュータの前に立って説明を行なうことが多いが、Remoteを使えばコンピュータから離れて投射されているスライドの近くで説明ができるようになる。
そのRemoteと似た機能をMicrosoft PowerPointに提供するのが『PPT iPhone Controller』だ。PPT iPhone ControllerはRuby on Railsで作られておりWIN32OLEを使ってPowerPointに接続する。そしてiPhoneの画面をタッチしたタイミングでスライドを切り替えていく。
スライド内でアクションを行なうケースにも対応する。無線LANでつながっていれば、赤外線のように距離に依らず利用できる。説明に合わせて動くようにすれば、観衆の興味を引きやすく、良いプレゼンテーションにつながるのではないだろうか。
いかがでしたか?
プレゼンテーションの善し悪しは、内容はもちろんのこと、説明するための表現手法やテクニックにも大きく依存する。説明しても相手が理解していないのでは意味がない。より観衆の目と耳を引きつけられるようなプレゼンテーションを心がけたい。
最近は勉強会などで誰でも発表する場ができるようになっている。ぜひこうしたツールを使いこなして、魅力的なプレゼンテーションを行なってみてほしい。
著者プロフィール:MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)
1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。