[1ページ] : 開発者がアプリを動かしたいとときに、すぐにデプロイできる
[2ページ] : 「IBM Cloud Code Engine」で実現すること

日本IBMはこのほど、コンテナ実行環境「IBM Cloud Code Engine」に関するメディア向けの技術説明会を開催した。

Kubernetesを適用する難しさ

IBM Cloud Code Engineは、6月に開催した「IBM Think 2021」で発表されており、日本市場でも注力する方針を示している。

日本IBM テクノロジー事業本部 Cloud Platform Technical Salesの佐藤光太氏は「クラウドネイティブなアプリを開発するにあたり、新しいテクノロジーを導入する際にスキルの習得や、その環境を構築・運用に時間を要してしまった結果、アプリ開発に費やす時間が減るということがある。IBM Cloud Code Engineは、そのような人たちにこそ使ってもらいたいサービスであり、開発者がアプリを動かしたいと思ったときに、すぐにデプロイできる」と説明する。

日本IBM テクノロジー事業本部 Cloud Platform Technical Salesの佐藤光太氏

日本IBM テクノロジー事業本部 Cloud Platform Technical Salesの佐藤光太氏

クラウドネイティブなアプリを動かすテクノロジーは、主にコンテナとKubernetesを利用する。コンテナがアプリを動かすためにパッケージング化し、Kubernetesはコンテナの運用実行と管理を行うオーケストレーションツールだ。すでに日本でも提供開始している。

コンテナとKubernetesの概要

コンテナとKubernetesの概要

Kubernetesは、コンテナを本番で使うため大規模アプリに必要な自動回復や負荷分散など多くの機能を備え、マニフェストファイルにあるべき姿を宣言することでシステムを自律運用するほか、オンプレミス/クラウド問わずどこでも動かせるためハイブリッド/マルチクラウドを実現できるオープンスタンダードであることが特徴。

Kubernetesの特徴

Kubernetesの特徴

ただ、Kubernetesを適用していくにはハードルが存在するという。佐藤氏は「Kubenetesに加え、コンテナのスキルやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)、クラスタのバージョン管理、ネットワーク設計、インフラ管理、アプリのコンテナ化、ワーカーノードの管理などが挙げられる」と話す。

大規模なアプリの場合、こうしたハードルを乗り越えながら自社でスキルを身に付け、インフラ管理しなければならない一方で、アプリケーションエンジニアがすぐにデプロイしたい際もハードルに、上記のようなことがハードルになるという。

同氏は「開発者はアプリを動かしたいのであって、インフラを構築・運用したいわけでなく、アプリ開発に注力すべきだ。そのため、複雑なスキルやインフラの管理・運用を必要としないアプリを瞬時にデプロイできる環境が求められている。それを解決するものがIBM Cloud Code Engineだ」と説明する。