Clouderaは11月8日、クラウド上におけるビッグデータ基盤「Apache Hadoop」の導入を支援するために、日本マイクロソフトとの連携を強化すると発表した。これにより、「Microsoft Azure」でHadoopの導入を検討するエンドユーザーを支援する、パートナー企業を拡充する。

その第一弾として、日立ソリューションズと共同で、同社が5月に発表した「プライバシー情報匿名化ソリューション」をランドスケイプ向けにAzure上で提供するための実証実験を進めているという。

Clouderaが日本マイクロソフトとの連携を強化するワケ

今日、企業がビジネス戦略を講じる際には、データの有効活用が「鍵」になることは言うまでもない。それには、散在するデータリソースを統合し、さまざまな手段によって分析していく「アーキテクチャの近代化」が不可欠だ。データから顧客の行動を分析することが製品やサービスの向上につながり、ひいてはビジネスリスクの低減にも役立つのである。その実現に一役買うものとして、Hadoopは注目を浴びる。

そして、Clouderaは、Hadoopディストリビューション「Cloudera Enterprise」を提供するディストリビュータだ。

Cloudera Enterpriseの構成イメージ

2006年に登場した当時、Hadoopはオンプレミスでの利用が想定されていた。しかし、技術が進化した今、オンプレミスだけでなく、クラウド環境での利用ニーズも増加している。

発表会に登壇したCloudera チャネル&アライアンス ディレクター 朝枝浩毅氏は、「私たちはクラウド分野に対しても積極的な投資を行い、『Cloudera Director』をAzureに対応させました。Hadoopの運用管理ツールである『Cloudera Manager』と併せて、高速かつセキュアな環境を提供しています」と説明する。

米Clouderaは2014年10月、Cloudera Director 2.1からMicrosoft Azureにも対応すると発表した(現行の最新バージョンはCloudera Director 2.2)。これにより、既にMicrosoft Azureに対してCloudera ManagerとCDH(Cloudera’s Distribution including Apache Hadoop)クラスタの導入が可能になっている。

ここにきてなぜ、Clouderaは日本マイクロソフトとの連携を強化するのか。朝枝氏は、その最大の理由は「目指すマーケットと顧客、戦略方針が合致するから」だと表現する。