米Workdayは9月27日(米国時間)、イリノイ州シカゴのMcCormick Placeで開催している「Workday Rising 2016」にて、同社のアプリケーションプラットフォーム「Workday」の新機能として、「Workday Planning」および「Workday Learning」の提供を開始すると発表した。
Workday Planningは、単一のプラットフォーム上で企業の財務管理と人材管理を統合した計画・予測アプリケーション。一般に、財務計画と人材計画は分離されており、関連するデータはそれぞれ複数のシステムやサイロ化されたスプレッドシートに格納されていることが多い。それらの完全性を確保しつつ分析するには、各部門の担当者が手作業で計算せざるを得ず、相応の時間的コストがかかってしまうのが実情だ。だが、買収や合併、新たなビジネスモデルの採用、グローバルへの進出など、変化の激しいビジネスの動きに対応するために、企業は常に迅速な判断が必要であり、ここにギャップが生まれている。
今回発表されたWorkday Planningでは、同社のクラウド型人材管理アプリケーション「Workday HCM」と財務管理アプリケーション「Workday Financial Management」からリアルタイムで抽出した財務・人事データを活用し、月・四半期・年ごとの財務・人財計画を定義して基本計画を策定することができる。
従来、こうした作業はいったんデータをExcelなどに取り出してから行うため、元データが更新されれば都度、作業をやり直さなければならないことになる。しかし、Workday HCM・Workday Financial Managementと同じプラットフォーム上で提供されているWorkday Planningであれば、そうした手間をかけることなく、データの更新が即時反映されるというわけだ。
計画の策定にあたっては、Workdayのセキュアな環境内でスプレッドシートを使ってモデルやシナリオを生成し、関係部署と連携しながら予算や予測値、人員配置などを検討することになる。
計画を実行する際は、財務・経営レポーティング機能によって結果をドリルダウンし、ビジネスの状況や市場の変化に応じて計画を調整するといったことが可能だ。
基調講演に登壇したWorkday 共同創設者兼CEO アニール・ブースリ氏は、「私たちは次世代に備えた計画を立てるために、お互いが協調して働くためのコラボレーション技術が必要です。そして今、このスプレッドシートがWorkdayのプラットフォームに加わりました」とコメント。スプレッドシートベースのWorkday Planningを使うことで、アドホックな予測による投資有効性の評価や分析に基づくビジネスモデルの構築などを効率良く行えるとしている。
また、組織の成長に合わせ、予算や財務面の観点から最適な従業員の配置モデルを検討したり、従業員数の予測値やそれにかかるコストをリアルタイムでアップデートしたりといったことも可能だ。例えば、グローバルなビジネス展開を考える場合、必要なオフィススペースやインフラにかかるコスト、拠点間の距離、地域特有の福利厚生費などを全て計算する必要がある。Workday Planningを使うことで、従業員1人当たりに必要なスペースや予算などを視覚的に表示し、容易に検討できるというわけだ。
すでに、CityMD、City of Orlando、Netflixをはじめ、50社以上の企業がWorkday Planningの採用を決定しているという。