第1回・第2回では。企画が重要であり、企画を出す習慣が重要であることを説明しました。若い時に提出した企画が採用されたら、上長からも若いのに見どころがあると思われ、自分自身も向いているかもしれないと思い、かなりの確率で次の企画につながっていくと思います。

そこで、前回から、若手にとって最初の企画で評価されるための基本的なことを紹介しています。そのためのポイントはい以下の3点と考えています。

  1. 企画の基本ロジックを知る
  2. 上長が普段話している方針から企画書を起こす
  3. ドラフトができたら上長から10分もらい、上長の意見を企画に反映させる

1番目のポイントについては前回に説明したので、今回は2番目と3番目のポイントを紹介します。

上長が普段話している方針から企画書を起こす

前回の説明で「これが伝説の給与を獲得したノウハウ!?」と、肩透かしを食らった人も多いと思います。話は徐々に本題に入っていきます。でも、実力がない人ほど基本ができていませんので、基本は徹底的にやるべきですよ。基本ができているからこそ、その後伸び率も高いのです。

前回も書きましたが、給与を上げるためには企画を通し続け、継続的な成功を獲得することが必須です。しかし、どんなに良い企画でも会社の方針に沿っていないう企画は先送りになります。

会社は株主総会で決まった方針が取締役会議にかけられ、具体的な戦略・戦術が決まり、そこから部門にブレークダウンされ、現場業務に反映されます。つまり、会社の方針に沿わない企画は、よほど良い企画でないと採用されないのです。会社の方針と違う良い企画が出てきても、上長の誰かの顔がつぶれるため、採用されにくいのが現状ではないでしょうか。

一方、上司が朝礼や飲み会で話している内容を基に企画を起こしたらどうなるでしょうか? おそらく「俺の話をよく聞いてるな」「気が利くじゃないか」となりますよね。しかも、方針に沿っているはずなので企画も通りやすいはずです。

長年、企画書を受け取る立場にいますが、会社の方針に沿った企画は意外に少ないです(これは私の反省点ですね)。上長が挙げる課題に関連した企画をすぐに考え、提出できるようになるとよいと思います。今、簡単に書きましたが、上長が言った課題をすぐに企画にして実行することって、結構難しいんですよ。

上長が課題を出す時、事業目標を達成していないことが多いです。その状態で、成果を出していない人が企画を出しても聞いてくれますでしょうか? 多くの場合は「お前、うれしいけど、ほかにやることあるかもよ??」と言われそうですよね。

そうです。日頃から成果を出していて、かつ、上長と信頼関係がある人ではないと、企画をなかなか見てもらえないのです。つまりは、以下の前提に立った話になっているということに気が付いてほしいのです。

A. 日頃の成果は十二分に出せている状態であるので、企画を書く時間もある
B. 日頃の成果も出せているので、上長も話を聞いてくれる

考えてみれば当たり前のことであり、やるべきことをやれてない人の意見を聞きたいとはあまり思いません。上長は上長なりに自分が成果を出すために必死なのです。

この難関のクリアの仕方は次回以降に説明します。ここでは、企画の話を進めていきます。お金を稼ぐのはそんなに楽じゃないですよね。

ドラフトができたら上長から10分もらい、上長の意見を企画に反映させる

実は営業マン時代、お客さまと一緒にお客さまの会社に対する企画書を作っていました。お客さまと一緒に作った企画が採用されないはずはありません。いきなり「ブレストしましょう!」とお客さまに言っても「そんなの自分でやれよ」となりますよね。

お客さまが見てグッとくるようなドラフトレベルの企画を練りに練って持って行くのです。その上で、方向性が合っているか、この数字でいいかどうかの確認を行います。そこまで作った企画書であれば、ドラフトでも十分に喜んでもらえ、お客さまの意外な意見も聞け、良い企画ができます。この方法は日頃の業務でも使えますし、上長に対する企画提出の際でも使えます。ぜひ活用してみてください。

なかなかいい方法と思いませんか? でも、この方法も前述の通り、企画を提出できる立場に自分がなっているかどうか、企画を提出する相手と信頼関係があるかどうかが極めて重要です。

次回は、セルフブランディングの超基礎編を書きます。乞うご期待。