「不正アプリ」とは、スマートフォン向けに作成された不正プログラムのこと。「不正アプリ」を誤ってインストールすると、スマートフォンの中にある電話番号やメールアドレス、クレジット決済情報などを盗み取られてしまう危険性がある。スマートフォンには多くの個人情報が詰まっていることを再認識し、適切なセキュリティ対策を施すようにしたい。

「不正アプリ」の中でも特に、Androidアプリを起因としたケースが増えている。Androidアプリの魅力の一つとして、iPhoneアプリよりもオープンな環境で開発できる点が挙げられる。そのため、Androidアプリを配信する「Google Play」では最低限の事前審査しか行われず、結果として「不正アプリ」の流出につながっているようだ。

もちろん、iPhoneアプリにとっても対岸の火事というわけではない。2012年7月、アップルの配信サービス「App Store」で「不正アプリ」が配信されていたことが、セキュリティベンダーの調査によって明らかになった。この「不正アプリ」をインストールすると、すべての連絡先が遠隔サーバーにアップロードされ、電話帳に登録した電話番号とメールアドレスにスパムメールを送りつけてしまうという。なお、アップルは即日、問題のアプリを削除したと伝えられている。

「不正アプリ」からの被害を未然に防ぐには、信頼できるマーケットからアプリを手に入れることが基本と言える。Androidアプリの場合、公式サービスの「Google Play」や携帯電話事業者が運営する配信サイトのほか、個人や企業が作成したダウンロードサイトも数多く存在する。特に公式ではない配信サイトの場合は、レビューや口コミなどを参考にして慎重に選択したい。

また最近では、各ベンダーからスマートフォン向けのセキュリティ対策アプリが提供されている。PCと同様に、本体にインストールするだけでセキュリティ対策が施せるため、初心者ユーザーであれば必ず利用しておきたい。今後もスマートフォン向けセキュリティ対策の市場は広がると見られ、ラインアップの拡充などが期待されている。