リユース製品のユーザ事例2回目となる今回は、データライブのリユースサーバを活用しているパソナテックIT推進部部長の塚本 太郎氏と、データライブ代表取締役社長の山田 和人氏に対談していただいた。
パソナテック
IT分野における総合人材サービスと各種ITソリューションサービスを展開するパソナグループの中核企業。「社会の問題点を解決する」というグループ企業理念の下、「ビジネスを通じての社会貢献」、「自己実現の機会提供」、「理想的な企業文化の実現」という3つの基本方針を掲げている。設立以来、「IT HUMANWARE COMPANY」として「IT」と「人」を機軸とした各種サービスを国内および海外で展開している。
IT特化型の人材派遣会社
パソナテックは、IT関連に特化した人材派遣事業を展開する企業である。Windowsエンジニアの需要急増を背景に、1998年にパソナから分社独立した。エンジニアやクリエーターの派遣に加えて、アウトソーシングサービス、ITプロフェッショナル紹介サービス、グローバルソーシングサービスを手がける。
今回データライブのリユースサーバが導入されたのは、社内で構築/運用している自社システムの部分。システムの延命を目的としてサーバを2台購入したそうだ。これらのサーバは、スタッフのアサイン管理やデータの抽出・集計という、同社の業務において比較的重要な処理を担うことになるという。現在は稼働開始に向けたテスト中で、2月末には本格稼働を開始する予定だ。
果たして、リユースサーバのどいうった部分にメリットを感じて導入に踏み切ったのか。ご覧いただこう。
―データライブと取引を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
パソナテック IT推進部 部長 塚本太郎氏 |
塚本:きっかけは、当時保有していたサーバの保証期限を迎えることでした。そのため、リプレースの必要に迫られていたのですが、今後どの程度利用するかが不明確だったため、ひとまず応急的な対応が求められていました。
コストなどを考慮しながらさまざまな調達方法を検討した結果、データライブさんのリユース品が最適ではないかという結論に至り、問い合わせさせていただくことになりました。
―リユースサーバというものの存在については以前からご存知だったのですか。
塚本: リプレース機の検討時に、付き合いのあるアプリケーションベンダから「こういうサービスがあるよ」と紹介してもらって初めて知りました。価格の目安を聞いたときには驚きましたね。
山田: アプリケーションベンダさんにご紹介いただいたんですか! アプリケーションベンダさんは、システム構築案件をいくつも見てきて"目が肥えて"らっしゃるので、そういった方々にリユースサーバを勧めていただけるのは非常にうれしいですね。
最近では、おかげさまで、当社をご利用いただいているお客様が、他の企業にご紹介してくださるケースも増えてきているのですが、紹介だと特に安心してご利用いただけるようです。
―リユース製品に対してあまり良くないイメージを持つ方が少なくないようですが。
塚本: 私も当初は、あまり良いイメージは持っていませんでした。ただし、製品に対してというよりも、それを扱う業者に対してですね。
リユース製品を扱う業者には「秋葉原のジャンク屋」というイメージが強いんです。そのため、決済や保証などの面で法人対応が期待できないのではないかという不安がありました。一般の中古サーバ販売店には「売り切り」、つまり製品を販売した後のフォローを一切行わないところが多いので、その影響ですね。
データライブさんにはWebサイトを見て検討し、電話で問い合わせたのですが、対応がとても良く、当初の懸念は払拭されました。受け答えやマナーがしっかりしていて、取扱製品に対する技術知識も十分あり、これなら安心して取引できると判断しました。
データライブ 代表取締役社長 山田和人氏 |
山田: 当社の営業スタッフには3時間以内に初動対応するよう徹底するとともに、サービスレベルの意識を持たせています。とは言え、決して特別なことを行っているつもりはありません。法人のお客様を相手にするうえで当然のことですよね。
また、当社は、SI事業を手がけていた経験があるため、SIerさんのお気持ちは痛いほどわかります。したがって、サーバの故障などの緊急度の高い問題でお困りのお客様には、特に力になってあげたいという気持ちが働くようです。
パソナテックさんにご利用いただいている「1年間のパーツ保証」もそうした気持ちから生まれたサービスと言えます。何かあったときの保証というのは"安心"につながりますので、あったほうが便利ですよね。
―新品ではなくリユース品を選んだ理由は何でしょうか。
塚本: 社内で運用している機器の中には、買い替え時期に差し掛かっているものがいくつかあります。ただし、現状の運用レベルで問題のないシステムについては、最新モデルにしなければならない理由はありません。
当社には7年くらい稼働しているサーバも存在します。そのようなサーバのリプレースでは、性能面や品質面を考慮しても、例えば4年くらい稼働していた2世代ほど前の製品で十分だと思っています。そうなると、あとは価格の問題だけなので、必然的にリユース品という選択になりました。
コストは、最新製品の導入と比べて1/10ほどに抑えられました。実際の価格は、それこそビックリするような金額です。厳しい予算の制約がかけられている中で、これはうれしいかぎりですね。
アプリケーションベンダからの"お墨付き"もあったので、迷いはありませんでしたね。
山田: アプリケーションベンダの皆様のリユース品に対する感覚は、一昔前に比べてずいぶん変わってきたと実感しています。1年前は「壊れるかもしれないから、リユース品は導入できない」といった声が多かったのですが、最近では「この稼働形態なら信頼に値する」とおっしゃっていただけるようになりました。
価格を見ると「安価すぎてかえって不安」というお客様も多いようですから、そうした"お墨付き"は大きな要素になっていますね。
―データライブでの購入を決断する決め手となったのは何だったのでしょうか。
塚本: リユース品の導入にあたっては、パーツ保証と法人対応が決め手となりました。
ハードウェアベンダは「24時間365日」の保証対応を謳っていますが、そのぶん保証料が高いのです。今回購入したサーバではそこまでは不要で、いわゆるビジネスタイム(平日9-17時)の対応で十分でした。
技術的なサポートについては、さほど重視していません。自社で対応できる範疇だと考えています。
山田: 「パーツ保証が導入の決め手になった」とおっしゃるユーザ様は、実際に多いですね。将来的には「リユース品にも保証があるから、本番環境での利用も全く問題無い」というのが常識になるよう、働きかけていきたいと考えています。
―今後またリユース品を導入したいとお考えでしょうか。
塚本: 社内システムのサーバは、確実に動いてくれれば問題ないので、リユース品にもあまり違和感はありません。今回、これで実績ができましたので、今後もデータライブさんのリユースサーバを導入しやすい状況になりました。
コスト面で大きなメリットがあることは明らかなので、当社に限らず、リユース品の導入は広まっていくのではないでしょうか。
山田: 先日テレビで、ブリヂストンのリトレッド事業(タイヤの接地面を取り替える再生事業)のニュースを見ましたが、事業の内容としては当社のリユース事業とよく似ているように感じました。航空機はほとんどがリトレッドタイヤを使用しているという話で、そこにまったく不安はないようです。サーバ機器についても同じような状況が作れるといいですね。
塚本: 確かに、「中古品」と聞くとイメージがあまり良くありませんが、「リユース」だと3R(リユース/リデュース/リサイクル)のようでイメージがいいですね。
山田: 当社では、リトレッドタイヤのように、お客様のご要望に応じて一部のパーツのみを新品に差し替えて販売するケースもあります。とは言え、現在はまだそれほど多くはなく、ほとんどがHDDの差し替えですね。
海外では、主にネットワーク機器で、新品とリユース品を混在させて最適なコストパフォーマンスを追求するケースが頻繁にあります。ネットワーク機器は故障率が低いため、リユースに適しているのです。
塚本: 当社でも、ネットワーク機器は10年は問題無く稼働していますね。
山田: 国内企業の機器調達ルートを見ると、依然として新品がメインであり、リユース品に対しては積極的でないというのが実情です。
一方海外では、リユース品は新品と並ぶ選択肢として認識されており、納期/価格/信頼性などにより使い分けられています。
国内でも海外同様に大きな選択肢の1つとして、エンドユーザ様やSIer様に選んでもらえるよう、保証や検品の体制をより一層充実させると共に、イメージアップを図っていき、信頼されるような取り組みを強化したいと考えています。
リユース品には価格のみならず納期面のメリットもあります。保証切れや故障で緊急に対処しなければならないケースでもリユース品であれば調達可能なケースが少なくありませんし、メーカが出荷を停めるなどして市場に製品が出回っていない状況でも、リユース品なら入手可能な場合もあります。
リユース品を有力な調達手段の1つとして、前向きにご検討いただければ幸いです。