本連載では、前回から、販売管理ソフトの導入メリットを交えながら、エプソンの「請求応援Lite」についてレビューを行っている。今回は、販売管理ソフトの使い勝手を左右する「マスター操作」に焦点を当てて特徴的な部分を紹介していこう。

シンプルなマスターは初級者向き

販売管理ソフトは、会計ソフトと違って管理情報をいくらでも増やせるため、販売管理業務を大げさに捉えて使用すると、失敗するケースが多いと言われている。それに対し、「請求応援Lite」のマスターはとてもシンプルであるため、そのような問題を心配する必要がない。

「請求応援Lite」は、登録する項目が限定されているので、スピーディにマスター登録ができる。マスターの登録項目が少ないということは、管理情報が少ないことを意味するので、一長一短があるとも言えるが、初めて導入する場合には、最小限の管理項目の方がスムーズに導入できるだろう。

商品マスター: 商品は、最低限「商品コード」と「商品略称名」「品名概要」程度を入力すればマスターとして登録可能だ

得意先や商品を番号で入力できる

一般に、販売管理ソフトでは、売上伝票などに「得意先」や「商品」を入力する際、コードで入力するか一覧から選択するかのどちらかである。「請求応援Lite」は、一覧のウィンドウに表示される単純な番号を入力コードとして使用することができるので、キーボードのみで簡単に入力できる。

商品入力: 入力用の番号は、「呼出コード」に関係なく得意先や商品の一覧のウィンドウに表示される「1」~「25」の番号となる。すべての連番ではないため桁数が少なく、素早く入力できるという利点がある。一覧は、「PageDown」キーと「PageUp」キーで切り替えることができるほか、「呼出コード」の先頭の何文字かで絞り込むことも可能なので、目的の得意先や商品を簡単に見つけることができる

摘要に入力する文字列は別途登録可能

売上伝票などの「摘要」の欄には、商品マスターに登録された「品名摘要」の内容が自動的に入力されるが、それ以外にも「摘要登録」に登録した文字列を入力することもできる。

摘要登録: 摘要登録に登録した文字列は、「住所」や「売上伝票」「入金伝票」の入力に使用できる

最新住所データを日本郵便のWebサイトからダウンロード

得意先などの住所の入力する際に必須なのが郵便番号入力機能だろう。この種の業務ソフトには、たいてい郵便番号入力の機能が標準搭載されているが、問題は、市町村の合併や区画整理などによって郵便番号が変わることがあるということだ。郵便番号が7桁になってから特にその頻度は高くなった。古いデータはあっという間に使えなくなってしまう傾向にある。

「請求応援Lite」にも、もちろん郵便番号入力の機能が搭載されているが、郵便番号のデータベースは、最初からソフトに組み込まれているのではなく、必要な郵便番号のデータベースを適時、日本郵便のWebサイトからダウンロードして読み込む方式である。この利点は、常に最新の郵便番号データベースを使用することができる点である。

郵便番号入力: 得意先マスターの住所の欄は、郵便番号で住所を入力できる。また、「請求先住所」には「F1」キーで「納品先住所」の住所を複写することも可能。最小限のキーボード操作で入力できるように配慮されている

郵便番号辞書: 郵便番号の辞書データベースは、日本郵便のWebサイトからダウンロードしたファイルを基に作成できるので、いつでもデータベースを最新に保つことができる。読み込みたい都道府県のみを指定することも可能

郵便番号辞書編集: 何らかの理由で郵便番号データベースの更新では対応できない場合、ユーザー独自の郵便番号辞書にデータを登録することができる

導入は簡単、導入した日からすぐに運用可能

どんなに日々の業務が効率化されるといっても、導入が難しくては足踏みしてしまうだろう。「請求応援Lite」は、簡単なインストールと会社ファイルの作成を行うだけで、直ちに運用を開始することができる。マスターの登録がシンプルなので、導入したその日から運用できるだろう。

「請求応援Lite」は、基本的にキーボードだけで操作できる。この点を再度強調しておきたい。「請求応援Lite」が初級者に優しく、その導入によって日々の書類作成が楽になることが、2回にわたるレビューでおわかりいただけたはずだ。