賞与計算は2項目を入力するだけ
まずは賞与の入力処理を見ていこう。賞与の場合も前回説明した給与の手順とそれほど変わらず、簡単な設定で作業を進めることができる。
勤怠データの代わりに賞与額を入力することになるが、「支給比率」を入力することで、よくある月給○○ヶ月分という計算が簡単にできる。具体的には、「支給比率」に入力した値を基本給にかけて賞与額が計算される。追加的な支給がある場合には、特別賞与の欄に入力すればよいだろう。
各種帳票の印刷手順は、給与とほぼ同様なので割愛するが、賞与に特有のものとして、賞与支払届の処理について説明しておこう。
以前は社会保険事務所への届けは、標準報酬月額関係だけだったのだが、現在では賞与に対しても保険料がかかってくるため、賞与支払届を提出する必要がある。給与応援Liteでは、後述する月額変更届などと同様、ワンタッチで賞与支払届を印刷できる。
標準報酬月額算定基礎届も自動作成
給与改定が行われると、社会保険の月額変更届を提出しなければならない。たとえ改定がなくても、毎年7月には標準報酬月額算定基礎届の提出は不可避だ。
過去3ヶ月の支給額をベースに交通費なども考慮して計算しなければならず、この作業は給与計算担当者にとって大きな負担となるが、給与応援Liteでは処理済みの給与データを用いて、これらの届けを自動作成してくれる。
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報酬月額変更届の印刷プレビュー画面: 非常に煩雑な標準報酬月額算定基礎届の作成作業も、ボタン一つで済ませることができる。提出用FDの作成もできるので、FD提出を行っている場合も安心だ。なお、労働保険の「概算・確定保険料申告書」の作成も同様に行える |
年末調整作業も大きく効率化
給与計算担当者にとって最も大きな負担になっているのが、おそらく年末調整の処理だろう。「扶養控除等異動申告書」の作成・配布に始まり、各種控除証明書の提出を依頼し、年末調整計算を行い、還付・徴収額を算定して、12月または1月の給与に反映させる。源泉徴収票、給与支払報告書を作成し、従業員に配布すると同時に、総括表を添付した上で自治体、税務署に提出する。
ざっと挙げただけでもこれだけの工程になる作業を、ただでさえ忙しい年末年始にこなさなければならない。年に一度しか行わない業務なので、手順を忘れがちな上に、従業員から提出される書類も多く、しかも従業員も同様に1年に一度のことなので、忘れたり勘違いが発生したりして、土壇場での修正も多発しがちだ。
手作業で行うと本当に大変な作業だが、給与応援Liteを使えば、還付・徴収額の計算から、源泉徴収票などの印刷まで、きわめて効率よく進めることができる。
以下、給与応援Liteを使った年末調整の手順を簡単に見ていこう。
まずは、扶養控除等異動申告書の印刷だ。登録されているデータに基づき、全従業員分が印刷できるので、これを従業員に配布して、各自に、変更点を記入のうえ各種控除申告書、証明書と一緒に提出してもらう。
続いて、「年末調整/一覧入力」でデータの入力を行う。
入力が終了したら、「年末調整チェックリスト」を印刷し、入力ミスがないかをチェックして、年末調整のデータ入力作業は終了。源泉徴収簿や源泉徴収票へのデータ転記、還付・徴収額の月次給与計算への反映などは、自動的に行われる。また、実際に行われることは稀だが、現金による還付・徴収のための金種一覧表も作成できるようになっている。
源泉徴収票、給与支払報告書、総括表、源泉徴収簿などの印刷は、これまでの帳票と同様、専用用紙だけでなく、A4の白紙にも印刷できるのが嬉しい。
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以上、駆け足で給与応援Liteの機能を見てきたが、ご覧のとおり、給与計算業務に必要な機能が網羅されており、中小企業にとって不足はない。操作状況に応じて表示が変わる分かりやすいメニューと、ファンクションキーで選択できる各種呼び出し機能により、使い勝手は良好だ。
景気の不透明感が増す中、収益に直結しない内部管理部門の効率化がますます求められている。給与応援Liteは、そうした中小企業にとって強力な援軍となるだろう。