前回は、子どもの宿題の進捗や、試験の結果を管理するワークスペースを作成した。今回は、夏の楽しみにフォーカスを当て、旅行計画を作ってみる。
前回に引き続き、Notion Labs Marketing Leadの竹永昌氏に、筆者作成のワークスペースをより便利かつスタイリッシュにするためのアドバイスをいただいている。
Notion AIで旅行の行き先を決める
かねてより、昨今の生成AIブームに乗りたいと思っていた筆者は、Notion AIをぜひ試してみたかった。前回は、指定した文字数で日記の要約をしてもらったが、もう少し踏み込んで使ってみたい。そこで今回は、Notion AIにいくつか条件を指定した上で、夏休みの旅行の行き先を提案してもらうことにした。筆者が入力したテキスト(プロンプト)は以下の通りだ。
東京から2泊3日で、夏休みの旅行に行きたいです。メンバーは父、母と、中学3年生の女子の3人。移動は鉄道か新幹線で、せっかくならどこか1カ所、世界遺産を見たいです。
これに対し、Notion AIの回答は長崎と福岡を訪れるプランを提案してくれた。
新幹線、世界遺産といった指定の項目に加え、お薦めの食べ物まで網羅している。さらに追加で、お薦めのちゃんぽん店、とんこつラーメン店はどこかと聞くと、それぞれ具体的な店名も提示してくれた。
ただし、回答にあった福岡市内のラーメン店は実在するものの、長崎市内のちゃんぽん店はネット検索ではヒットせず、架空のもののようだった。出力される回答内容が正しいかどうかについては、Notion AIに限らず、AIを活用する際には気を付けておきたい点でもある。
店名まで聞いてみたものの、実は筆者はすでに長崎に訪れたことがある。できれば行ったことがない場所に旅行したいので、再度Notion AIに行き先の提示を求めてみた。使用したプロンプトは先ほどと同様だ。今度の回答結果は、広島と京都を訪問する計画。これを採用しよう。さらに今回の回答にはおおよその予算と、注意書きのようなメモも出力された。これはありがたい。このように何度か聞き直すことで、Notion AIの回答は改善されることが分かった。
竹永氏にNotion AIを使いこなすコツを聞くと、「Notion Japanの公式YouTubeがありますよ」とのこと。「Notion AIを使ってコンテンツを作成する方法」という7分程度の動画もリリースされている。Notionプロフェッショナルたちのアドバイスを参考にあれこれと試すのも、またNotion AIの楽しみ方の1つかもしれない。
旅行情報を集約したワークスペースを用意
最後に、Notion AIに提示してもらった案に基づく旅行計画のワークスペースをつくる。内容は、持ち物リスト、スケジュール、マップ、予算管理の4項目だ。これらは、テンプレート「旅行計画」からほぼそのまま拝借した。
アイテム別・人別のソートをかけ、忘れ物を防止
当初、持ち物リストをチェックボックス形式にしていたが、これだと誰がその持ち物を用意するのかが不明瞭になる。そこで竹永氏が薦めてくれたのが、前回、模擬試験の結果を管理するワークスペースでも使用した「データベース」だ。ここにアイテム別、人別のプロパティを作成し、さらにテキスト欄にメモを残すことで、忘れ物防止につながる仕組みを導入。アイテム別、人別のリストも表示できるようにした。
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今回は話題のAIを活用した旅行計画と、旅行に関する情報をまとめたワークスペースを作成した。いろいろな情報を1つのページにまとめることで、抜け漏れの発生を減らせたのではないかと思う。また、実際にNotion AIを使ってみたことで、“あの業務でも使えるかも”というヒントを得られたのは収穫だ。
3回にわたって夏の家族の予定を管理するワークスペースを作成してきたが、使ったさまざまな機能の組み合わせは、業務用のワークスペースにも流用できそうだという手応えを得た。皆さんも、Notionで夏の予定や思い出の管理を試してみてはいかがだろうか。