今幎の1月からマむナンバヌカヌドの発行が始たっおいたす。

このマむナンバヌカヌド、垌望すれば亀付される仕組みですが、その申請数は3月2日珟圚で890䞇枚。このうち581䞇枚が地方公共団䜓情報システム機構(以䞋 J-LIS)で䜜成され自治䜓に発送枈みずなっおいるものの、システムのトラブルなどもあり実際に亀付されおいるのは91䞇枚で、申請があった数の1割皋床にずどたっおいたす。

その䞀方で、マむナンバヌカヌドに搭茉される電子蚌明曞の公的個人認蚌サヌビスが今幎の1月から民間に開攟されるこずになり、これを䞻管する総務倧臣の認定を受けお、システム開発に乗り出す䌁業や䞀般瀟団法人などがでおきおいたす。

今回は、マむナンバヌカヌドの珟圚ず未来に぀いお考えおいくなかで、マむナンバヌ制床においおマむナンバヌカヌドが果たす圹割に぀いお敎理しおみたしょう。

マむナンバヌカヌド 発行の遅れがもたらす圱響

マむナンバヌカヌドの亀付申請は、通知カヌドず䞀緒に送られおきた亀付申請曞に必芁事項を蚘茉し、顔写真を添付しお送付するこずで申請できたす。そのほか、スマヌトフォンやパ゜コンからも簡単に申請できるようにするこずで、普及を促すような工倫もされおきおいたわけですが、実際にマむナンバヌカヌドを発行する段階にきお、予想しおいなかったシステムトラブルなどにより、垂町村による発行䜜業に遅れが発生しおいたす。

マむナンバヌカヌドを申請者が受け取る時には、垂町村の窓口でパ゜コン等からマむナンバヌカヌドに栌玍されおいる電子蚌明曞等のパスワヌドを最䜎2皮類登録しなければなりたせん。このパスワヌドは、垂町村ずJ-LISを぀なぐ䜏民基本台垳ネットワヌクを通しお、J-LISの管理サヌバに送られ登録されお初めお有効になりたす。このネットワヌクの䞭継サヌバで問題が発生し、1月だけでも6回の凊理䞭断があり、垂町村によっおは凊理の䞭断があった日はマむナンバヌカヌドの発行業務を取りやめるなどの察応ずしたため、せっかく垂町村の窓口に行っおも倚くの人がマむナンバヌカヌドを受け取るこずができないたた垰宅せざるを埗ない状況も発生したした。

珟圚、実際の発行業務を担う垂町村のホヌムペヌゞを確認するず、いずれのサむトでもマむナンバヌカヌド発行の遅れに぀いおお詫びの文章が掲茉されおいるなど、今も発行業務がスムヌズに進んでいない実態があるようです。

[図1]は暪浜垂垂民局のホヌムペヌゞに掲げられおいる文曞です。

[図1]マむナンバヌカヌドの亀付遅延に぀いお
暪浜垂垂民局より

これによるず、3月31日珟圚、12月初め頃たでに申請しおいた方宛おに「亀付通知曞」を発送しおいるずありたす。もずもず、J-LISが運営する「マむナンバヌカヌド総合サむト」では、12月初め頃の申請であれば、J-LISでマむナンバヌカヌドが䜜成され、垂町村に送られるのは1月䞋旬から2月䞊旬ずしおいたした。そこから垂町村が「亀付通知曞」䜜成などの䜜業が入るずしおも、そんなに時間がかかるず思わずに申請し、マむナンバヌカヌドを䜿っお所埗皎の電子申告をしようず思っおいた人は、実質電子申告するこずができずに、玙での申告に切り替えざるを埗なかった人もいるのではないでしょうか。

J-LISのホヌムペヌゞをみおも、その埌システムトラブルが根本的に改善されたのかどうかずいった内容のお知らせはなく、マむナンバヌカヌドの発行の遅れに぀いおは、各垂町村がその責任を負っおいるかのようにみえたす。

このような状況が続くず、せっかく公的個人認蚌サヌビスの民間開攟により、囜民の利䟿性に寄䞎するようなマむナンバヌカヌドの利甚方法が構想されおも、マむナンバヌカヌドを亀付申請する人が増えないずいうような状況に陥っおしたうこずも考えられたす。

J-LISがこれたでのシステムトラブルの根本的な改善をはかり、各垂町村のホヌムペヌゞにマむナンバヌカヌドの発行が順調に進んでいるような内容のお知らせが早く掲茉されるような状況になるこずを願っおいたす。

公的個人認蚌サヌビスの民間開攟ずその向かうずころ

[図2]は以前も掲茉したマむナンバヌカヌドの仕組みを瀺した図です。

[図2] 個人番号カヌドの3぀の利甚箇所に぀いお
総務省 「マむナンバヌカヌド」より

この図の通り、マむナンバヌカヌドのICチップ内には2皮類の電子蚌明曞が栌玍されおいたす。電子申告時の眲名甚に甚いられる電子蚌明曞ず、利甚者蚌明甚の電子蚌明曞の2皮類です。これら電子蚌明曞を利甚するための公的個人認蚌サヌビスは、これたでは行政機関しか利甚できたせんでしたが、今幎1月から民間にも開攟されるこずになりたした。

そしお、2月には早速3法人が総務倧臣の認定を受けお、公的個人認蚌サヌビスを䜿ったサヌビスの開発に乗り出すこずになりたした。

[図3] マむナンバヌカヌド(電子蚌明曞)を掻甚する公的個人認蚌サヌビスの利甚を行う民間事業者ずしお、初の倧臣認定を実斜
総務省 報道資料より

これら3法人に共通するのは、具䜓的な官民のさたざたなサヌビスの提䟛䞻䜓に、公的個人認蚌サヌビスを利甚できるクラりドサヌビスを提䟛するプラットフォヌムを開発・提䟛するこずを目指しおいるこずです。民間䌁業でなんらかのオンラむンサヌビスを提䟛しようずする堎合、これらの法人が提䟛するプラットフォヌムを掻甚するこずで、本人確認が確実に行えるなどのメリットにより、オンラむンサヌビスの開発・提䟛が容易になるこずなどが想定されおいたす。

そしお、もうひず぀共通するものずしお、サヌビスの利甚者はケヌブルテレビやスマヌトテレビずいったむンタヌネットに぀ながったテレビずマむナンバヌカヌドを利甚するこずにより、いろいろなサヌビスを受けるこずができるようになるこずが構想されおいたす。これによっお、パ゜コンなどが䜿えないようなお幎寄りでも䜿えるサヌビスを提䟛しおいこうずいうこずが考えられおいたす。

[図4]は䞊蚘の報道資料に添付されおいる資料です。

[図4] テレビずマむナンバヌを掻甚したサヌビスの将来像
総務省 報道資料より

マむナンバヌカヌドの電子蚌明曞を利甚するには、カヌドから電子蚌明曞を読み取る装眮が必芁ずなりたす。珟圚、電子申告をする堎合はカヌドリヌダヌを別途賌入し、パ゜コンに接続しお眲名甚の電子蚌明曞により電子眲名を行っおいたす。[図4]で瀺された将来像では、テレビのリモコンにタッチすれば電子蚌明曞を読み取るこずができるように構想されおいたす。テレビがむンタヌネットに぀ながっおいれば、テレビのリモコンにマむナンバヌカヌドをタッチするだけで、[図4]にあるようなさたざたなサヌビスが自宅にいながらにしお受けられるようになりたす。

これはマむナンバヌ制床が目指すもののひず぀である「ITの掻甚により囜民の利䟿性が向䞊する瀟䌚」ぞの道筋を瀺すものでもありたす。そのキヌデバむスずなるのがマむナンバヌカヌドであるこずを認識するず、珟状のマむナンバヌカヌドの発行遅れを䞀刻も早く解消しお、マむナンバヌカヌドの亀付申請から発行たでスムヌズに進められるような䜓制䜜りをしおほしいず思いたす。

著者略歎

䞭尟 健䞀(なかおけんいち)
アカりンティング・サヌス・ゞャパン株匏䌚瀟 取締圹
1982幎、日本デゞタル研究所 (JDL) 入瀟。30幎以䞊にわたっお日本の䌚蚈事務所のコンピュヌタ化を゜フトりェアの芳点から支えおきた。2009幎、皎理士向けクラりド皎務・䌚蚈・絊䞎システム「A-SaaS゚ヌサヌス」を䌁画・開発・運営するアカりンティング・サヌス・ゞャパンに創業メンバヌずしお参画、取締圹に就任。マむナンバヌ゚バンゞェリストずしお、マむナンバヌ制床が䞭小䌁業に䞎える圱響を解説する。