こんにちは。モバーシャル株式会社/株式会社MOVAAAの山下悟郎です。前回は、YouTubeについて抑えておきたい基礎情報をお話しましたが、今回は、Web動画とテレビについてお話したいと思います。

多種多様なWeb動画

皆さんは「Web動画」と聞くと、何をイメージしますでしょうか?YouTubeに投稿されている面白映像でしょうか、それとも企業がつくった感動するプロモーションビデオでしょうか?「Web動画」と一口に言っても、様々な種類があります。第3回でお話ししたような動画広告から、企業プロモーション、ミュージックビデオなどを始めとしたエンタメ系コンテンツまで、多種多様です。

企業がWeb上で動画をマーケティング活動に活用する場合、Web動画には3種類ほどの動画があると言われています(細かく言えばもっとありますが)。 TVCF主体型(HERO)、Web主体型(HUB)、エンゲージメント型(HYGIENE)に分けることができます。

TVCF主体型とは、TVCFとの同時出稿による大量リーチ目的や、クロスメディアによるマスプロモーションの一環として各メディアに展開していく動画です。皆さんがよく見る、TVCFがWeb上でも流れると思っていただくのが、一番わかりやすいのではないでしょうか。

Web主体型とは、Webでの視聴を前提に、Web専用CF、TVCF撮影の裏側、記者発表などのライブストリーミングといった、不定期で実験的、革新的、先進的な動画です。尺などの制限にとらわれない、Webだけでしか見られない動画と言えます。よくメディアにとりあげられる「バイラルビデオ」はこれに該当することが多いです。

エンゲージメント型とは、定期的に特定のターゲットに向けて動画を発信する運用型の動画です。制作した動画は各SNSへ投稿したり、オウンドメディアのコンテンツとして使用したりする場合もあります。商品やサービスのHowTo、サポートの動画などが該当します。

Web動画とテレビの違いは?

では、具体的にWeb動画とテレビは、どのようなところが異なっているのでしょうか?

現在でも、テレビの持つマスプロモーションのパワーは、他のメディアと比べても、圧倒的なリーチ力を誇っています。Web動画は、若いユーザーを中心として急速に視聴数を伸ばしているものの、テレビは彼らに加え、スマホなどのデバイスを持たない高齢者やインターネット利用時間の少ない人にも方に届けることができる強いメディアです。また、テレビへの出稿は『信頼・安心感』などを視聴者に与えることができ、企業のブランド価値を向上するというメリットもあると考えています。

一方のWeb動画は、テレビと比較すると特定のターゲットに対して、比較的配信コストを抑えて発信することができ、テレビよりも制限・条件なども少ないため、良くも悪くもなかなかテレビでは放送できないような演出も可能です。さらに、効果検証ツールなどを効果的に活用することにより、クリエイティブや配信方法を改善していくことができます。

ユーザーは、今後さらに動画をどこでも視聴することができるようになり、あらゆる場面で動画と接触する機会が増えていきます。視聴者が動画に求めるものも、時と場合、デバイスによって益々多種多様になっていくのではないでしょうか。企業やクリエイターは、視聴者のさまざまなニーズに合わせた動画を作っていかなければならないので結構大変ですが、様々なチャレンジができるようになるので、とてもやり甲斐があるはないでしょうか。

本連載は今回で最終回になりますが、いかがでしたでしょうか。第1回目から今回までで、なんとなくWeb動画の盛り上がりを感じていただけたのではないでしょうか。基本的な内容が多かったかもしれませんが、これをきっかけにさらに調べたり、動画を作ってチャレンジしていただけたら幸いです。

恒例になりますが、デジタルハリウッドにて「ネット動画クリエイター専攻」というWebの動画に特化したクリエイター育成の講座を開講しています。私もカリキュラム開発に協力しました。6ヶ月あるカリキュラムの中で、ネット動画マーケティング実践講座を担当致します。ご興味のある方は是非デジタルハリウッドさんに問い合わせてみてください。 全5回と短いコラムでしたが、ご覧いただきありがとうございました。

モバーシャルは、DIGITAL VIDEO AGENCYとしてデジタル領域における映像制作・動画マーケティングを支援します。詳しくはWebサイトをご覧下さい。

デジタルハリウッドSTUDIOで開講するネット動画クリエイター専攻では、モバーシャル社監修のネット動画マーケティングやAftereffectsの基本から応用まで習得。ネット領域の動画におけるプロフェッショナルを育成します。