原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年ベイテックシステムズを設立し社長就任。2008年に、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始、GoogleAppsの導入サポート実績はこれまで300社以上。「サテライト・オフィス」ブランドで多数のテンプレートを無償提供するなど、GoogleAppsの普及に尽力。自ら、iPhoneや Androidなどのスマートフォンを駆使して、仕事の効率化を図り、ビジネスシーンですぐに役立つノウハウを多数、蓄積している。ツイッターアカウントは sateraito_jp。GoogleEnterprise Day2009ではパートナーアワードを受賞した。

Tweetieを機能拡張したiPhoneアプリ「Twitter for iPhone」

ツイッターは140文字以内の"つぶやき"で、思ったことを気軽に発言できるコミュニケーションサービスだ。ツイッターは「ビジネスに無関係なので使わない」という人もいるようだが、実は使い方次第で、RSSやメールと並んで、ビジネスに欠かせない情報源の1つになる。

例えば、世界中のユーザーがつぶやきには個人的な話だけでなく最新ニュースや市場動向といったビジネスに深く関係するものも含まれているし、リアルタイム性が高いのもポイントだ。また、実際に会ったことがない相手とも手軽にやり取りができるため、最近では「ツイッターでの会話からビジネスに発展した」などというケースも少なくない。

さらに、ツイッターは企業の情報発信の手段として利用が広がっている。NTTレゾナントとループス・コミュニケーションズが8月5日に発表した『「企業におけるツイッター 活用状況」に関する調査結果』では、2010年にツイッターの企業アカウントを開始した企業は6割台半ばに上っており、今後もツイッター利用における予算・人員配置ともに「増やす+現状維持」が9割以上を占めている。

このように、ツイッターはビジネスにおいて情報収集と情報発信の両面から重要な役割を果たすサービスなのだ。

ビジネスでツイッターを有効活用するには、やはりこまめにチェックすることが大切だ。とはいえ、1日中社内でPCを用いて仕事をしている人ならともかく、外出が多い営業マンなどはいちいちノートPCを取り出してツイッターをチェックするのは面倒なはず。そこでオススメしたいのが、米Twitterが今年5月よりiPhone/iPod touch向けに提供を開始した、初の公式アプリ「Twitter for iPhone」だ。

実はこのアプリ、以前から数多くのユーザーに支持されてきたツイッター用のiPhoneアプリ「Tweetie」をベースとしたもの。米TwitterがTweetieの提供元である米Atebitsを買収し、公式アプリとして公開したのである。今までApp Storeで有償提供されていたものだけに、その機能や信頼性は十分というわけだ。

新規リリースに際して、名称変更に加えて新機能が追加されたのも嬉しいところ。アカウントを持っていなくてもツイートの閲覧や検索ができるようになったほか、複数アカウントの一元管理、1画面で行えるユーザー/ツイートの検索、RTやフォローなど頻繁に使う各機能をまとめたバーが採用され、利便性が高まっている。

「Twitter for iPhone」をiPhoneの「App Store」で検索する場合、「Twitter」という名称で登録されているので注意

これが基本となるタイムライン表示画面。下部にはメニューバーが用意されており、各種機能をすぐに利用できる

各ツイートを表示すると、下部のバーも返信やRTなどに変化する

ユーザー/ツイートの検索は1画面で行える

複数アカウントを一元管理ができるのも便利だ

企業利用に特化したコミュニケーションツール「Yammer」

前回は、手軽に情報共有ができるGmailのコミュニケーション機能「Googleバズ」を紹介した。しかし、なかには「Gmailと切り離してコミュニケーションツールを使いたい」という企業もあるだろう。そこで、企業向けのコミュニケーションツール「Yammer」を紹介しておきたい。

Yammerの特徴はツイッターのような手軽さを残しつつ、ビジネスに必要な各種機能を盛り込んでいる点だ。限られたメンバーだけで情報共有が行えるのはもちろん、ファイル添付やグループ分けといった機能で社内の円滑なコミュニケーションも可能だ。iPhoneアプリ「Yammer」を使えば、外出先からでも簡単にアクセスできる。

ちなみにYammerは無料で利用できる「Basic」に加え、セキュリティツールや各種カスタマイズ機能を備えた月額3ドルの「Silver」、マルチドメイン対応やSharePointとの統合などが可能な月額5ドルの「Gold」も提供されているので、企業の環境や利用形態に応じた選択ができる。

登録はYammerの公式サイトにアクセスし、メールアドレスなど必要な情報を入力すればよい

これがPCブラウザから見た「Yammer」の基本画面。すべて同一のタイムライン上で表示されるツイッターと比べて、返信がスレッド形式にまとまっているので見やすい

iPhoneアプリ「Yammer」を使えばスマートフォンからも利用可能

プロフィール画面からはプライベートメッセージの送信も行える