インスピレーションを得たいとき、自分が仕事をしている分野と同じものを求めてしまいがちですが、全く別の分野から得ることができる発想もあります。関連分野でも、そうでないものでも多くの作品を一挙に見ることができる場所のひとつに美術館があります。しかし、都会だとたくさんありますが、街にひとつしかなかったり、あったとしても交通の便が良くなかったりします。作品は美術館に足を運んで本物を見るのがベストですが、Webを使えばたとえ地球の裏側にある美術館の作品でも次々と観覧することができます。美術館のWebサイトの多くは施設に関する基本的な情報と最近行われている展示会の紹介のみに留まっていますが、中には膨大な量の作品を大きな画像で閲覧できるサイトがあります。今回は大学が運営している美術館のWebサイトを幾つか紹介したいと思います。
積極的にWebサイトに作品を展示している大学も少なくありませんが、一度は耳にしたことがある有名大学はその傾向が強いようです。イエール大学のYale University Art Galleryは見やすいデザインで多くの作品を展示している代表的なサイトです。左上のメニューにある「THE COLLECTION」から大学が保有しているコレクションにアクセスすることができます。10カテゴリに別れており、300もの作品を大きな画像で観覧することができます。また、「WHAT IS ART」というWeb独自のコンテンツも掲載。アートを様々な角度で検証し、動画や画像を豊富に使っているので英語が読めなくても楽しめる内容になっています。
Webサイト独自の展開をしている美術館といえばHarvard University Art Museumもそのひとつ。「RESEARCH」メニューにある「Online Exhibition」を選択すると、アーティストのスケッチブックや、イスラムのカリグラフィーなど興味深いコンテンツが掲載されています。また、6000以上にもおよぶ1900年前後の写真やイラストを検索できるSocial Museum Collectionも必見です。
写真が好きな方はカリフォルニア大学のCalifornia Museum of Photographyがおすすめ。膨大な量とはいえませんが、テーマ別になっているので見やすいのが特徴です。特に検索がよくできていて、作品だけでなく機材の検索もできるようになっています。とにかく次々と作品が見られたら良いという方であればミシガン大学が公開している「SI Art Image Browser」へアクセス。紀元前10世紀から1995年までの美術作品をアーティスト名、国籍、タイトル別で観覧することができます。画像も他のサイトに比べると大きめなので見やすいです。
プリンストン大学のPrinceton University Art Museumも負けていません。上のメニューにある「THE COLLECTION」から紀元前の作品を中心に幾つか観覧することができます。また「SPECIAL PROJECT」ではアート作品の復元や古代メキシコの音楽など、他ではなかなか見られないテーマで特集が組まれています。