普段はスクリーン上で記事やニュースを読んでいるとしても、パソコンを離れて読みたいときや、あとで資料として残しておきたい場合、印刷をすることがあります。Webサイトの多くは印刷機能を実装していたり、CSSを利用して印刷した際にはナビゲーションなどを削いだシンプルな見た目を提供しています。
ボタンとして提供されていたりというように、制作側は予め利用者が印刷しやすいような配慮をしていますが、すべての利用者のニーズに応えているというわけではありません。人によっては写真を省いて印刷したいこともありますし、文字の大きさを変えたいときもあります。また、最近は複数ページに分割されている記事も少なくなく、ページ毎に毎回印刷すると無駄な余白が出来てしまうことがあり、紙の無駄になります。こうした利用者の細かいニーズにサイトが対応するのが難しくても「Print What You Like」を利用すれば、手軽に印刷したい部分だけ印刷が出来るようになります。
Print What You Likeは「お好きなように印刷」という名前のとおり、利用者が好きなように印刷したいところを印刷出来るサービスです。会員登録が不要なこのサービスはサイトにある入力フォームかBookmarkletを利用して、印刷したいページをPrint What You Like上で表示させます。マウスでページ要素を削除したり残したりして、あとは印刷ボタンをクリックするだけという直感的な操作が魅力。また、文字の大きさや背景を消すなど自分が印刷したい形に調整することが出来ます。要素の選択はHTMLの構造に沿っているので、最初は思うように選択出来ないかもしれませんが、何度かすれば慣れる程度の難易度。要素をひとつひとつ消していって徐々に印刷したい形を作り上げて行くことが出来ますし、間違ったら「Undo」をしてステップを戻すことも出来ます。
Bookmarklet を利用すればサイトへアクセスすることなく、ワンクリックで印刷ページへアクセス出来ます。To Installの最初のリスとアイテムにある「 PrintWhatYouLike」のテキストリンクをそのままブラウザのツールバーへ移動すると利用出来ます |
Firefoxのアドオンをを使えばツールバーにPrintWhatYouLikeのボタンを追加出来るようになります。また、こちらのリンクをクリックするとGoogle Toolbarにボタンを追加することもできます |
印刷プレビュー画面。マウスオーバーをすると要素がハイライトされ、クリックをして選択します。いちいち選択するのが面倒な方は「Do It For Me!」ボタンをクリック。多くのブログやニュースサイトで上手にタイトルと本文が摘出されます |
印刷したい部分を選択したあと右側の「Isolate」ボタンをクリックすると、選択したもの以外の要素がすべて削除されます。ひとつひとつ要素を選択して削除していきたい人は、選択後「Remove」をクリックします |
ほぼすべての機能を会員登録をせずに利用することが出来ますが、登録をすれば印刷の設定がさらに楽になります。特に便利なのが「セット」機能。マイコミジャーナルをはじめ、多くのニュースサイトやブログは同じサイトであれば同一テンプレートが使われている場合があります。つまり、マイコミジャーナル内のクリエイティブチャンネルの記事とエンタープライズチャンネルの記事は同じ情報構造なので、Print What You Likeを利用して不要要素を排除する際、同じ作業をしていることになります。こうした手間を省くのがセット機能で、印刷したい要素だけ残した状態をセットとして保存しておけば、同ドメインのページを印刷したいときにワンクリックでセットを適応させることが出来ます。設定次第ではワンクリックも不要で自動的に印刷が出来る状態にしてくれます。
他にもClipという印刷したい情報を要素単位に保管して、あとでまとめて印刷出来るという機能がありますが、2010年3月現在この機能は日本語では文字化けしてしまいます。とはいうものの、記事をたくさん印刷している方であれば会員登録をしてBookmarkletかツールバーのボタンとしてPrint What You Likeを利用するといいでしょう。せっかく印刷するのであれば、なるべく読みやすい形で印刷したいですし、可能であれば紙やインクも節約したい。そんな方はぜひご利用ください。