複数のパソコンとの同期やモバイルにも対応した多機能なメモアプリケーションは大変便利ですが、検索やフォルダ分類ではなく、視覚的に情報を整理したほうが分かりやすいと感じる方もいます。そういう方には、以前紹介したStixyのようなサービスを利用すれば付箋紙を貼るような感覚で様々な情報を視覚的に整理することが出来ます。Spaazeもこうしたメモを自由に貼付けるサービスのひとつですが、他のサービスで問題となっていた部分が解決されているユニークなサービスです。
Spaazeをはじめとしたボードに情報を貼付けるサービスで問題点として、画面の大きさに制約されてしまう点にあります。たくさんの情報を貼付けたいと思っても、大きさが決まっているので置くための情報量に制限がかかってしまいます。こうしたことから、複数の『ボード』を用意して利用者は用途に合わせてボードを切り替えていましたが、切り替えるという行為自体、視覚的に整理したい方には手間ですし、ボード間の情報の移動が出来ない場合が多くかえって使い難い場合があります。
β版ということもあり、かなりの数の情報を貼付けることが出来ますが、正式版ではポイント制になります。貼付けるアイテムごとにポイントを支払うシステムで、今後ポイントを買いながら使い続けるビジネスへと移行します |
こうしたスペースの制約をなくしているのがSpaazeの良い点。Spaazeのコルクボードは上下左右へ無限に移動することが出来ます。つまり、カテゴリ分類のためにボードを複数制作することなく、すべての情報をひとつのボードに貼付けます。ボードを移動して情報を視覚的にひとまとめすれば、視覚的にグループ分けも出来ます。スペースが大きいのは便利ですが、移動が面倒だったり、グループ分けした場所がどこか覚えられない場合がありますが、「Hotspot」を使えば解決します。
Hotspotは今見ている状態を保存するブックマークのような機能で、ワンクリックでボードのどんな場所へもすぐに移動することが出来るようになります。Hotspotはそれぞれ名前を付けることが出来るので、これをカテゴリ名として考えて分類すると便利です。
覚えておきたいポジションがあれば、星マークをクリックしてHotspotとして保存します。保存したHotspotへワンクリックで移動可能。移動がアニメーションなのでホームポジションからみてどの辺にあるのか感覚的に分かります |
アイテムをマウスで掴むとボード下に星とゴミ箱マークが表示されます。ゴミ箱はアイテムを捨てたい場合に利用。星マークへアイテムをドロップすると、任意のHotspotへアイテムを移動してくれます。ボードを広く使い始めたときに便利です |
情報として貼付られる情報は、文字情報が記入出来るメモ、コメントを追加出来るブックマーク、グループ名を記入するときに便利なラベル、YouTubeの動画を貼付けることが出来るビデオの4種類。決して多くありませんし、メモもリッチテキストではなく文字情報しか入りませんが、貼付けた動画のサイズ調整や、ブックマークしたサイトを移動することなくその場で見れるなど、ちょっとした便利な機能が幾つかあります。Bookmarkletもあるので、Webブラウズしているその場で、ブックマークや動画をSpaazeに送信することが可能です。
以前「iPhone用Webアプリをデスクトップで利用する方法 」で紹介した「Fluid」というアプリケーションを利用することで、Spaazeを単体アプリケーションとして起動することが出来ます。Webブラウザを終了した後もいつでもボードへアクセス出来るので、いつでもアクセス出来るキッカケを増やすことが出来ます。
2010年1月現在、Spaazeはβ版として公開されています。ひとつのボードを大きく使えるという独自の視点が魅力的ですが、類似サービスに比べると貼付ける情報の種類に限りがある点が残念なところです。しかし、随時利用者からフィードバックを募集しているので、今後様々なカスタマイズや機能が追加されることでしょう。UI要素もミニマムでシンプルかつ動作が速いので、情報をとりあえず貼付けるだけで十分という方は試してみてはいかがでしょうか。