Web上で自分の考えや作品を発表したり、日常をブログなどで綴ることがありますが、自分だけのプライベートな場を設けてメモをとりたいときもあります。Web上に残しておくことで、特定のデバイスに捕われたり手動でデータを移動する手間もなくメモにアクセスすることが可能になります。オンライン上でメモをとるためのサービスは数多くありますが、多機能でかえって使い難いものや、シンプルには拘ったものの手軽に使えないものが多く決定打に欠けて使えていない方もいるのではないでしょうか。
今回紹介するPenzuは機能は多すぎず少なすぎずくらいのバランスを保ちつつ、メモをとりたくなるインタフェースが魅力のサービスです。
スクリーン全体に広がるキャンバスの上に紙の形をしたテキストエリアが中央に表示されているシンプルなインタフェース。『紙』の上には機能メニュー、右側には他のメモへアクセスするためのアイコンが表示されていますが、文字要素がほとんどなく書き込みに集中しやすい環境が整っています。
フォームに文字を入力するというよりかは、紙に直接書き込むような感覚に仕上がっているので、デジタルながらもアナログのようなやさしい印象があります。機能メニューには保存ボタンがありますが、書き込みを止めると自動保存をするので安心して書き込みを続けることが出来ます。保存されたエントリーは右側の「All Entries」アイコンからアクセスすることが出来ます。
画面左側にある「i」ボタンから知人を招待することが出来ます |
今まで書いたエントリーを一望したい場合はエントリー右側にあるノートの形をしたアイコンをクリック。検索フィルタ機能がありますが、日本語は現在未対応 |
Penzuはパソコンからアップロードするか、Flickrの写真をメモとして貼付けることが出来ます。貼付けられた画像が紙の脇にクリップされ、さらにアナログのような見た目になります。印刷も日本語の文章でも文字化けはありませんし、貼付けた画像も一緒に印刷出来ます。
個人的に利用するメモ/ジャーナルがコンセプトのPenzuでは、作られたエントリーはすべてディフォルトがプライベートモードになります。もし、他の方にも読んで欲しい場合は、機能ボタンにある「Share」から共有用のURLを生成することで、公開モードに切り替わります。共有したエントリーをPenzuからメールで告知することが出来ますが、この場合自分の名前を公開することなく「Anonymous」として送信することも可能です。
公開URLからアクセスした利用者は観覧のみでエントリーを編集することは出来ませんが、コメントを残すことが出来ます。公開・非公開の切り替えはいつでも出来ますし、有料会員には暗号化サービスも提供しており、さらに安全に自分のデータを守ることが出来ます。
シンブルに使うのであれば無料会員で十分ですが、Penzuの真の魅力は有料サービスにあります。年間19ドルでアップグレード出来る会員サービスは、テキストのリッチエディタ化や背景の変更、ユーザーの写真(アバター)のカスタマイズなど、自分のジャーナルのパーソナライズ化が可能になります。日付の変更やタグ付けなどエントリーの整理に役立つ機能も有料サービスに含まれています。
Webサービスは基本的に情報を共有することを前提しているものが多いですが、Penzuはプライベートに残しておきたい方に向けたサービスです。自分の考えをきちんと書いておきたい方にとっては無駄が省かれたインタフェースは集中しやすい環境といえるでしょう。
月額2ドル以下の有料オプションも試してみたくなるような魅力的なオプションが揃っていますが、何か文章を残しておきたいという目的であれば無料でも十分です。Webで何かを情報を公開する前のワンクッションの場としても Penzuは使えそうです。