正月太りをきっかけに、kintoneでAIを活用しながら意気揚々と「自作のダイエットアプリ」を作った前回。これで完璧、激ヤセした姿をお届けできる――と思っていた。先月までは。本稿では約1カ月間の成果と、「レコード一覧分析AI」を使ったデータ分析についてお届けする。
1カ月のデータをグラフで可視化
まずはアプリ活用の状況を振り返ると、約1カ月間、たまに記録を忘れてしまうことはあったものの、アプリの記録を継続できた。レコードは後から追加・修正が容易なため、記載漏れの心配も少ない。
レコード一覧の画面からも直接修正可能な点が、データ入力の続けやすさにつながっている。筆者は主に朝に体重と体脂肪率を計測し、夜にランニングやジムでトレーニングを行う。そのため、朝に日付と体重などを登録しておいて、夜にトレーニング内容を追加できるのがうれしい。
アプリを使い始めてから約1カ月、ここまでの記録を集計してみる。グラフでの集計は以前からkintoneに実装されている機能が使える。
集計機能では、横棒グラフ、縦棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、クロス集計表の他、表、面グラフ、曲線グラフ、曲線面グラフの中から、データに合わせて選択できる。おすすめのグラフをkintoneがいくつか提示してくれるので、その中から選んでも良いだろう。今回は体重の記録なので、折れ線グラフを選ぶ。
地味ではあるが、体重・体脂肪率がいずれも多少は落ちているようである。しかし、グラフを見ただけの主観的な意見だけではなく客観的な意見も欲しい。
kintoneの「レコード一覧分析AI」はここまで使える
そんな時に便利なのが、kintoneにβ版として実装されている「レコード一覧分析AI」だ。登録されたレコードの内容をAIが読み取り、要約や分析を行ってくれる機能である。
この機能は最初から使えるわけではなく、使用する際にまず設定が必要だ。アプリ内の「歯車」マークからkintone AIに関する設定を開く。
次に、「kintone AIを有効にする」とkintone AIラボの「レコード一覧分析AI」にチェックを入れる。
さらに、レコード一覧分析AIの「設定」から、レコード一覧分析AIを使用する組織やユーザーを選ぶ。最後に「保存」を押したら作成したアプリ内に「レコードを分析」ボタンが追加され、レコード一覧分析AIを使い始められる。
「レコードを分析」を押すと新しいウィンドウが開き、AIとチャット形式で対話を開始できる。ウィンドウ内には「要約レポート作成」「特徴およびトピック分析」「注目レコード抽出」が最初から表示されており、いずれかをクリックするだけでもAIが分析・要約を開始してくれる。
日本語でプロンプトを入力せずともAIにデータ分析を依頼できるのは、とても便利だ。まずはこの機能に甘えて、要約レポートを作成してもらおう。
「要約レポート作成」ボタンを押すと、すぐにAIがアプリ内のデータを分析しレポートを出力してくれた。
健康管理記録サマリーレポート
概要
2026年2月2日から2月26日までの25日間における健康管理データの分析結果です。体重、体脂肪率、運動内容を継続的に記録しています。
主要な指標
体重の変化
記録開始時:81.4kg、記録終了時:79.1kgで、約2.3kgの減量に成功しています[1][17]
最高値は82.1kg(2月4日)、最低値は79.0kg(2月13日)でした[2][9]
全体的に減少傾向が見られ、80kg前後で推移しています
体脂肪率の変化
記録開始時:24.1%、記録終了時:23.5%で、0.6ポイント改善しました[1][17]
最高値は24.5%(2月4日)、最低値は23.3%(2月17日)でした[2][11]
23%台後半から中盤へと着実に減少しています
運動実績
筋力トレーニング
ベンチプレス60kg×5回と懸垂10回のセットを4回実施しています[4][10][16]
腕立て伏せは20回から40回まで回数を増やして5回実施しました[3][7][14][17]
有酸素運動
ランニングは合計7回実施し、総走行距離は30kmでした[2][4][6][9][10][12][16]
最長距離は7km(42-44分)を2回記録しています[9][10]
平均ペースは約6分/kmで安定した走行を維持しています
主な結論
体重・体脂肪率ともに継続的な改善が確認でき、筋力トレーニングと有酸素運動をバランスよく組み合わせた効果的な健康管理が実践されています。特に2月中旬以降は体重が79kg台で安定し、目標達成に向けて順調に進捗しています[9][11][14][17]
具体的な数値を基に結論が出たため、やる気にもつながる。今回使ってみてわかったのだが、「レコード一覧分析AI」は単にデータを分析するだけではない。なんと、今後の練習メニューの相談まで対応してくれる。
「今後もダイエットを継続するのですが、どのようなトレーニングやランニングのメニューを追加するべきでしょうか。」とAIに質問した結果が、以下の通りだ。
ダイエット継続のためのトレーニング提案
現状の分析
現在のメニューは効果的に機能しており、25日間で体重2.3kg、体脂肪率0.6%の減少を達成しています[1][17]。ただし、さらなる改善と停滞期の回避のため、トレーニングの多様化と強度の向上が推奨されます。
筋力トレーニングの追加メニュー
下半身トレーニングの導入
スクワットやランジを追加することで、大筋群を鍛え基礎代謝をさらに向上させることができます
現在は上半身中心(ベンチプレス、懸垂、腕立て伏せ)のため、下半身強化でバランスの取れた体づくりが可能になります[4][10][16][17]
体幹トレーニングの追加
プランクやロシアンツイストなど、腹筋・背筋を強化するメニューを取り入れることで、体脂肪率のさらなる低減が期待できます
週2-3回、各30-60秒×3セットから始めることを推奨します
ランニングメニューの改善
インターバルトレーニングの導入
現在は一定ペース(約6分/km)での走行が中心です[9][10][12]
高強度と低強度を交互に繰り返すインターバル走を週1回追加することで、脂肪燃焼効果が高まります
例:1km速いペース→1kmジョグを3-4セット繰り返す
距離・時間の段階的増加
現在の最長7kmから、週1回のロング走を8-10kmまで徐々に延ばすことで持久力向上と消費カロリー増加が見込めます[9][10]
ランニング頻度も週2-3回から週3-4回へ増やすことを検討してください
週間スケジュール例
推奨メニュー構成
月曜:筋トレ(上半身+体幹)
火曜:ランニング3-5km(軽め)
水曜:筋トレ(下半身+体幹)
木曜:休息またはストレッチ
金曜:ランニング(インターバル)
土曜:筋トレ(全身)
日曜:ロング走7-10km
その他の推奨事項
トレーニングの記録継続
現在の詳細な記録習慣は非常に優れており、継続することでモチベーション維持と進捗管理が可能です[1-17]
新しいメニューの負荷や回数も同様に記録し、漸進的に強度を上げていくことが重要です
休息と回復
トレーニング量を増やす際は、週1-2日の完全休息日を設けることで、オーバートレーニングを防ぎ継続可能な習慣を作ることができます
これらのメニューを段階的に導入することで、停滞期を回避しながら健康的なダイエットを継続できるでしょう。
[1][2]といった表示から、一般的なアドバイスというよりも、レコードに登録した内容に応じたアドバイスが提案されていることがわかる。
最初は「体重を記録する習慣を継続したい」と思って作り始めたkintoneアプリだが、うまく活用すれば「自分だけのダイエットトレーナー」になってくれる可能性さえ感じる。
kintone AIラボの活用で見えた業務改善の可能性
人間というのは不思議なもので、ただ漠然とダイエットを続けるよりも結果が可視化された方が、やはりモチベーションにつながる。ランニングが楽しくなってきた筆者は、調子に乗って「ハーフマラソンくらいなら出場できるかも」と思い始めた。
日々の業務も同様で、レコードをkintoneに登録して満足するのではなく、データを可視化して状況を理解することが、業務改善の大きな一歩となるだろう。その際に「レコード一覧分析AI」は強力な味方になってくれるはずだ。
筆者は今回、「kintone de kintore」アプリに、日々の体重と体脂肪率、その日に行った運動メニューを入力しただけだが、ダイエットを継続するためのアドバイスまで得られた。
この仕組みを業務に置き換えれば、例えば営業部では過去の商談データを分析して「次に提案すべき施策」まで示してくれるかもしれないし、編集部なら「読まれやすい企画の傾向」をAIが提案してくれるかもしれない。業務日報など詳しいデータを蓄積すれば、AIによる示唆はさらに詳細かつ具体的なものになるだろう。
TECH+編集部では最近新たに、Voicyを活用した音声チャンネルを開始しており、この取り組みにもkintone活用の可能性が見え始めている。次回はVoicyの企画におけるkintoneの業務利用について紹介したい。










