正月太りが戻らない――筆者は年末年始に地元へ帰省していたのだが、久々に会う家族からとても手厚い歓迎を受けた。芋煮と納豆汁を一生分食べたような気がする。あと餅。毎日部活動に明け暮れていた高校時代と、変わらない胃袋をしていると思われているに違いない。

ところが、現実はそんなに甘くない。高校時代と比較すれば運動量は圧倒的に少なく、代謝も悪い。お酒の味も覚えてしまったため、年末年始ですぐに体重が増加した。十四代と口説き上手を並べて鼻歌まじりに浮かれていられたのも、束の間である。

しかしよく考えてみると、昨年、一昨年の正月太りからも戻ってはいない。体重は年々増加しており、健康診断の時期を憂鬱な気持ちで迎えている。そして、検診結果の用紙には毎年「C」か「D」の文字が大きく輝く。以前と比べてビジュも悪い。滅である。

  • 筆者が年末年始を過ごした地元の雪景色

    筆者が年末年始を過ごした地元の雪景色

アプリがないなら、作ればいいじゃない

筆者はこれまでにも、ダイエットに挑戦したことがないわけではない。糖質制限や16時間ダイエットやランニングなどに手を出してきた。しかし、どれも続かなかった。ジムは1年で3度解約した。

ダイエットが続かなかったのは、やり方が悪かったからではないと思う。世の中にはダイエット向きのアプリがたくさんある。体重記録、カロリー計算、トレーニング記録……。「AIがアドバイスする」なんてアプリも提供されている。

それでもなぜ、いつも途中でやめてしまうのだろうか。アプリへの記録すら面倒になり、結局は削除してしまう。理由を考えてみるとシンプルで、どのアプリも自分に適していないからだ。ダイエットアプリは数あれど、自分が記録したいダイエット方法で、自分が記録したい数値だけを残せるアプリは少ない。

そこで筆者は、筋トレとランニングを継続しながら、体重と体脂肪の推移を記録するアプリを作ってみることにした。「良いアプリがないなら、自分で作ればいいじゃない」というわけだ。とはいえ、筆者はアプリを作ったことがなければ、プログラミングの知識もない。困った。

  • トレーニングしているイメージ画像

困りながらも「筋トレ」という単語を眺めていると、筋トレ、キントレ、kintore......。そう、kintoneに見えてくるではないか。サイボウズが提供している「kintone」は、ノーコード・ローコードで業務アプリを開発できるサービスだ。

筆者はこれまで何度か、サイボウズが主催するユーザーイベント「kintone hive(キントーンハイブ)」を取材してきた。取材を通じて、現場課題に対し"シュシュッと"アプリを作成し解決するエピソードを学んでいたことから、今回はkintoneを活用してみることにした。

  • kintone hive 2025会場

    kintone hive 2025会場

ちなみに小誌では以前、編集部員がkintoneを活用して業務アプリを作ってみる連載を掲載していたので、業務におけるkintone活用はそちらも参考にしていただきたい。

AIとチャット2往復でアプリが完成

サイボウズはkintoneを用いた業務アプリの作成と活用を支援するため、開発中のAI機能を「kintone AIラボ」として提供している。もともとノーコード・ローコードで業務アプリを作成できるkintoneだが、チャットでAIに相談しながらアプリ作れる「アプリ生成AI」が実装された。今回は初めてのアプリ作成なので、こちらの機能に頼ってみる。

では早速、作り始めてみよう。まずはkintoneにログインし、ポータル画面の「アプリ」欄の「+」を選択。

  • 早速アプリを作り始める

    早速アプリを作り始める

すると、kintoneアプリストアへ遷移する。ここでは、kintoneおすすめのアプリを選択できるほか、業務や業種に応じたアプリを選べる。ExcelやCSV、テンプレートファイルを利用したアプリ作成にも対応する。

筆者が今回作りたいアプリは業務アプリではなく、用途が少し特殊なため、「はじめから作成」を選択した。

  • 「はじめから作成」を選択

    「はじめから作成」を選択

「はじめから作成」を選ぶと、まっさらなアプリの作成画面(フォームの編集画面)が表示される。以前の連載「編集部がkintoneで業務アプリを作ってみた 広報担当者の「プロフィール帳」を作る」では、この画面に担当者自身が必要なフィールド(入力項目)を配置した。

しかし今回の筆者には、強力な味方がいる。そう、AIだ。画面上の「AI」のアイコンから「アプリ作成AI」を選択。すると、新しいウィンドウでAIとのチャット画面が表示された。ここに作りたいアプリのイメージを入力する。

  • 「AI」アイコンから「アプリ作成AI」を選択

    「AI」アイコンから「アプリ作成AI」を選択


ダイエットと筋トレの継続を目的としたkintoneアプリを作成してください。
##目的
筋トレとランニングを継続し、体重・体脂肪率の変化を可視化する

##利用者
個人利用(1人)。日々の記録を簡単に入力したい。

##記録したい内容
・日付
・筋トレの内容(種目名、回数、セット数)
・ランニングの内容(距離、時間)
・体重
・体脂肪率

##その他
・1日1レコードで登録できるようにしたい

そうすると、すぐにAIからチャットが返ってきた。


ご依頼ありがとうございます。ダイエットと筋トレの継続管理アプリですね。
いくつか確認させてください。

1.筋トレの記録方法について
筋トレは1日に複数の種目(例:ベンチプレス、スクワット、腕立て伏せなど)を行うことがあると思いますが、それらを1つのレコード内にまとめて記録したいという理解で合っていますか?

2.ランニングについて
ランニングも1日に1回という想定でしょうか?それとも、朝・夕など複数回走ることもありますか?

3.入力の簡便性について
例えば「今日は筋トレだけ」「今日はランニングだけ」という日もあると思いますが、その場合は未入力でも問題ないでしょうか?また、体重・体脂肪率は毎日測定して記録する想定ですか?

あなたの運動習慣に寄り添った、使いやすいアプリを作成しますので、教えていただけますと幸いです。
  • AIが不足している要件を確認してくれた

    AIが不足している要件を確認してくれた

非常に分かりやすい。ざっくりとしたイメージでAIに依頼しても、不足している内容があればこちらに質問してくれる。最初から要件を固めずとも、怖がらずにアプリを作り始めることができるだろう。

AIからの質問に回答すると、AIが筆者の要望に沿ったアプリを作成する。


ありがとうございます。よく理解できました。
それでは、あなたの運動習慣に寄り添ったアプリを作成いたします。

アプリ仕様
アプリ名:ダイエット・筋トレ記録

1日1レコードで、その日の運動内容と体組成データを記録できるアプリです。筋トレやランニングをしなかった日、体重を測定しなかった日は該当項目を空欄にできます。

アプリ名:ダイエット・筋トレ記録

フォームの設定:
記録日:日付
体重(kg):数値
体脂肪率(%):数値
筋トレ内容:文字列(複数行)
ランニング距離(km):数値
ランニング時間(分):数値
メモ:文字列(複数行)
  • AIからの質問に回答する

    AIからの質問に回答する

その後、「この内容をフォームに反映」を選択すると、瞬時にフィールドが自動で選択され、無事にアプリを作成することができた。ここまでに筆者がやったことといえば、AIにアプリのイメージを伝え、AIからの質問に回答しただけだ。

  • AIがアプリに適したフィールドを設定する

    AIがアプリに適したフィールドを設定する

AIが提案するアプリはこれで完成ではなく、アプリ名やアイコン、フィールドの内容を変更・修正もできる。より具体的な自身のイメージに近付くよう、アレンジしてみても良いだろう。

  • アプリ名とアプリアイコンを変更

    アプリ名とアプリアイコンを変更

継続的な改善に乞うご期待

アプリが作れたので、「アプリを公開」ボタンを押して運用を開始する。kintoneにログインしてからここまで、わずか10分ほどだった。

  • わずか10分ほどでアプリが完成した

    わずか10分ほどでアプリが完成した

さて、いよいよ筋トレ・ダイエット企画のスタート地点に立つことができた。まだまだ油断はできない。アプリが作れただけで、筆者の体重は1グラムも減ってはいない。むしろ、原稿を執筆しながら菓子パンにかじりついている。

トレーニングも業務改善も、一度の完璧を目指すのではなく継続が重要だ。この連載では、筋トレとダイエットを努力ではなく習慣にするために、アプリも改良しながら改善を継続する仕組みづくりに挑戦してみたい。

願わくば、数カ月後の筆者自身が本稿を読み直し、「記事で全世界に発信するんじゃなかったな」と後悔しないことを期待したい。