メニューに表示されていないショートカットキーもある

前回はPCの操作を効率的にするためのショートカットキーを紹介した。ショートカットキーは、さまざまなアプリケーションにおいて用意されており、もちろんWindowsにもある。

しかし、企業ユーザーの場合、WindowsよりもWordやExcelといったMicrosoft Officeアプリケーションを利用している時間が圧倒的に多い。つまり、これらのアプリケーションを効率的に使用することが文書作成のスピード化には欠かせないというわけだ。

前回、「ショートカットキーはメニューに表記されている」と説明したが、実はメニューに表記されていない機能に対してもショートカットキーは設定されている。

例えば、選択した文字を太文字(ボールド)にする機能があるが、これはCtrl+Bが割り当てられている。BはBold(太字)のBだ。同様に、斜体字(イタリック)にはCtrl+I(ItalicのI)が割り当てられている。

文字選択のキー操作 ショートカットキーと言えるかわからないが、文字の選択もキーボードで操作できる。Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと、押した方向に文字を選択できる。ShiftキーとCtrlキーを押しながら矢印キーを押せば、選択範囲が単語単位となる。文書作成中に文字を選択する際、マウスでドラッグするよりもこの操作のほうがずっと速いので、使っていない方はぜひ使ってみていただきたい。

ただし、これらのショートカットキーは、すべて覚えやすい文字キーが割り当てられているわけではない。機能とは無関係なキーが割り当てられている場合もあるし、CtrlキーだけでなくShiftキーやAltキーも一緒に使う場合もある。

例えば、Wordで選択した文字サイズを大きくするにはShift+Ctrl+>、小さくするにはShift+Ctrl+<が割り当てられている。アプリケーションには機能がたくさんあるため、Ctrlキーと文字キーだけでは間に合わないのだ。

困った時はヘルプで確認しよう

Word 2007のヘルプで表示したショートカットキーの一覧

アプリケーションに用意されているショートカットキーを知るにはどうしたらよいだろうか? それは、ヘルプで調べるのが一番だ。

WordやExcelのヘルプ機能を使って「ショートカットキー」という言葉で検索してみよう。たくさんの候補が表示されるが、Word 2003なら「ショートカットキー」、Word 2007なら「Microsoft Office Wordのキーボードショートカット」、Excel 2003なら「ショートカットキー」、Excel 2007なら「Excelのショートカットキーとファンクションキーについて」を選択すれば、ショートカットキーの一覧を表示できる。

この一覧で、どのようなショートカットキーが割り当てられているかを一とおり眺めてみることをお勧めする。きっと新しい発見があるはずだ。

必要な時に覚えるのがベスト

ショートカットキーの一覧を見ると、予想以上にたくさんの機能にショートカットキーが割り当てられていることに気づくと思う。では、これらをすべて覚える必要があるかと言えば、答えはノーだ。アプリケーションごとにキーの割り当ては異なることが多いし、そもそも機能が多くて覚えきれない。

WordでもExcelでも、使っていると、頻繁に繰り返し使用する機能があるはず。そのときに、マウスを使った操作が煩わしいと思ったら、ショートカットキーの割り当てがあるかを調べればよい。必要と思ったときに覚えたショートカットキーはなかなか忘れないものなのだ。

Wordならショートカットのカスタマイズも可能

ショートカットキーは、使い慣れると作業の効率化には欠かせないものとなる。しかし、すべての機能にショートカットキーがあるわけではない。では、必要な機能にショートカットキーがなかった場合はどうするか。

Wordでは、ショートカットキーをカスタマイズする機能があるので、ショートカットキーを割り当てればよい。Word 2003なら「ツール」メニューの「ユーザー設定」を選択し、「ユーザー設定」画面の「キーボード」ボタンをクリックする。Word 2007なら左上のオフィスボタンをクリックして「Wordのオプション」をクリック、「Wordのオプション」画面が開いたら左のリストで「ユーザー設定」を選択し、ショートカットキーの「ユーザー設定」ボタンをクリックする。

「キーボードのユーザー設定」画面が開くので、ここで各機能にショートカットキーを割り当てよう。はじめに左上の「分類」で機能の分類を選択する。画面はWord 2007なのでリボンのタブが分類になっているが、Word 2003ではメニューが分類になっている。

次に右上の「コマンド」で、ショートカットを割り当てる機能を選択する。機能名は英語表記だが、左下に説明が表示されるので参考にしながら選択しよう。

機能を選択したらショートカットキーを割り当てる。割り当てるキーを実際にキーボードで押せばよい(サンプル画面では、ShiftキーとAltキーとCtrlキーとRキーを押している)。現在の割り当てに[未定義]と表示されたら、そのショートカットキーは他の機能には割り当てられていないことになる。

すでに他の機能に割り当てられている場合は、該当する機能のコマンド名が表示されので、一度割り当てたキーを削除してから再度割り当てる。他の機能のショートカットキーを使用しないのであれば、変更する必要はない。上書きされるので、後から設定した機能(コマンド)に割り当てられる。なお、「現在のキー」にキーが表示されていたら、すでにキーが割り当てられているので、そのキーを使ってもいいし、新しいキーを追加してもいい(ショートカットキーは複数割り当てることができる)。

最後に、「割り当て」ボタンをクリックしたら、ショートカットキーの設定は完了だ。

Wordでは、このようにして使いやすいようにショートカットキーをカスタマイズできる。頻繁に使用する機能にショートカットキーがない場合は、好みに合わせて登録するといいだろう。

なお、ショートカットキーのカスタマイズはWordだけの機能で、残念ながら、ExcelやPowerPointではできない。

Wordでは、キーボードショートカットを自分で割り当てられる

保存先のNormal.dotmとは?

「キーボードのユーザー設定」画面の「保存先」は、ショートカットキーの設定を保存するテンプレートファイルを選択する。通常は「Normal.dotm」(Word2003の場合は「Normal.dot」)でよい。
Wordでは、新規文書を作成する際に、文書の設定が保存されているテンプレート(ひな形)を使って文書が作成される。Normal.dotmは、すべての文書が共通して使用するテンプレートで、このテンプレートに保存された設定は、すべての文書に反映される。