現代のビジネスシーンにおいて、スマートフォンは単なる連絡ツールを超えて、効率的な仕事のパートナーとして活用できる。iPhoneのメモアプリはそのシンプルさに反して、多彩な機能を備えており、業務において大いに役立つツールだ。今回は、iPhoneのメモアプリを活用して、仕事を効率化する方法を紹介する。
(1)まずは、メモを取る
iPhoneのメモアプリは、シンプルな使い勝手とスピーディーな操作感で、瞬時にメモを取ることができるツールだ。例えば、会議中に重要なアイデアや議論のポイントを即座にメモすることが可能であり、メモを忘れることなくその場で整理できる。iPhoneはどこにでも持ち歩けるため、ノートや紙を持たなくても、ふと思いついたアイデアや情報をすぐに書き留めることができる点が利点だ。
メモアプリはテキストの自動保存機能があるため、作業途中でアプリを閉じても安心して再開できる。加えて、iCloudと連携しているため、デバイス間でメモを同期でき、自宅やオフィス、移動中など、どのデバイスからでも最新のメモにアクセスできる。これにより、どこにいても効率的にメモを取り、情報を管理することができる。
メモアプリを使ったことがない方もいらっしゃると思うので、まずは実行してみよう。
iPhone (iOS18)のメモアプリは、次のアイコンから起動する。
起動してくるメモアプリの右下のアイコンをタップして新しいメモを作成する。
次のスクリーンショットはメモを取っている画面だ。1行目に書いた文字列はメモのタイトルになる。それ以降はメモのコンテンツになる。しかしあまり気にすることはなく、メモしたいことを入力していけばよい。
これだけだ。メモアプリのポイントは体裁を気にせず、とにかく入力するところにある。すぐに起動できるところにアイコンを配置しておいて、必要になったらすぐに起動してメモを取る。これがメモアプリ活用の最初のステップだ。
(2)タスク管理にチェックリスト機能を活用
iPhoneのメモアプリには、簡単にチェックリストを作成する機能があり、日々のタスクを整理するのに適している。この機能を活用することで、やるべき仕事や日常の予定を視覚的に整理し、タスクの進捗を一目で把握できる。
例えば、プロジェクトごとのタスクをリスト化し、完了したものにチェックを入れることで、業務の進行状況がすぐに確認できるため、忙しいビジネスパーソンにとっては時間管理の重要なツールとなる。
さらに、チェックリストは簡単に編集可能であり、タスクの追加や変更も即座に反映される。また、リマインダーアプリと併用することで、特定の期限や時間に通知を設定でき、締め切りを忘れることなく業務を進められる。タスク管理を効率的に行うために、チェックリスト機能は必須の機能だ。
先ほどはテキストを入力しただけだが、メモアプリではアプリ下部のチェックリストのようなアイコンをタップすればチェックリストを作成できる。次のスクリーンショットはチェックリストアイコンをタップしてから文字列を入力していったところだ。
スクリーンショットのようにテキストの行頭に「◯」がついていることがわかる。これは自動的に入力されるもので、この部分がチェック操作可能になっている。
上のスクリーンショットの状態で「確認処理に専用データのページを使う」にチェックを入れると、以下のようになる。
この機能を使う最初の段階でチェックリストの順序を入替えてもよいかと尋ねられるので、許可を出しておくとチェックした項目が次のスクリーンショットのように下部に移動するようになる。
もう一つチェックを入れたら、次のようになる。
チェックした項目をもう一度チェックすると、チェックが外れて元に戻る。こんな感じで手軽にチェックリストを作れる。
チェックリストはビジネスハックとしては使い方が難しいところがある。チェックリストは作成しても実際には使わないといったことが多いからだ。チェックリストを作る機能の有無よりも、どのように強制的にチェックリスト駆動で業務をする体制に身を置くかの方が大切といえる。
しかし、メモアプリでこのように簡単にチェックリストが作れることは覚えておこう。タスクの確認など、チェックが必要な業務でも使える機能なので、試行錯誤しながら使い方を模索してほしい。
(3)スキャン機能で紙の書類をデジタル化
紙の資料を扱うことが多いビジネスパーソンにとって、メモアプリのスキャン機能は便利だ。iPhoneのカメラを使用して、紙の書類や手書きのメモを簡単にスキャンし、デジタル化することができる。この機能により、資料の物理的な管理から解放され、スキャンした書類をPDF形式で保存し、いつでも手元のiPhoneや他のデバイスからアクセスできる。
スキャンした書類はメモアプリ内で他の情報と一緒に管理できるため、メモを見返す際に必要な書類も同時に確認できる。さらに、デジタル化した書類は他の人と簡単に共有でき、メールやメッセージアプリを通じて素早く送信することができる。書類管理の効率化において、スキャン機能は大いに役立つ。
メモアプリのクリップアイコンをタップすると、次のスクリーンショットのように「書類をスキャン」というメニューアイテムが表示される。
「書類をスキャン」を選択すると、次のスクリーンショットのようにカメラを使って書類を読み取る状態になる。書類に四角を合わせておくと自動的に撮影が行われるので、必要な書類を順次取り込んでいく。最後に次のスクリーンショットのように「保存」ボタンを押せば、メモに取り込んだ書類が追加される。
取り込んだ書類は、次のようにメモに貼り付けられた状態になる。
取り込む書類が数枚程度であればこの機能は便利だ。しかし、10枚、20枚の書類を取り込まなければならなくなってくると、専用のスキャナー機能を備えたデバイスを使うべきだと思うが、メモアプリでも不可能ではない。紙の書類は常に持ち歩くとは限らないが、メモに入れてしまえばいつでも閲覧できる。必要なときに書類があるとないのとでは大違いだ。