さまざまなSilverlight開発環境
近年RIAプラットフォームが大きな注目を集めている、中でもAdobe AIR、JavaFXそしてMicrosoftのSilverlightが代表格だ。Microsoft SilverlightはWebブラウザのプラグイン上で動作し、ユーザインタフェースをXAML(XMLベースのUI記述言語)、処理ロジックをC#やVB.NETといったプログラミング言語で記述する。
今回は無償で利用可能なSilverlight用の開発環境として、Visual Web Developer 2008 Express Edition + Silverlight Toolsと、Soyatecが提供するオープンソースのEclipse4SLを紹介する。
Silverlight Tools
MicrosoftのVisual Studioファミリには無償で利用可能なExpress Editionというエディションが用意されている。Visual Web Developer 2008 Express EditionはこのうちWeb開発(ASP.NET)用の開発環境となる。これにSilverlight Toolsを追加インストールすることでSilverlightでの開発を行うことが可能となる。
Visual Web Developer 2008 Express EditionおよびSilverlight Toolsはマイクロソフトのページからダウンロードすることが可能だ。
Silverlight ToolsをインストールしたVisual Web Developerでは、Silverlightプロジェクトを作成できるようになる(プログラミング言語にはVB.NETとC#を利用可)。XAMLエディタではXMLの編集/プレビューが可能なほか、C#やVB.NETでのコーディングを行う際はVisual Studioの機能を利用可能だ。
また、C#やVB.NETのコード上にブレークポイントを設定することでSilverlightアプリケーションのデバッグを行うこともできる。Silverlightアプリケーションの開発はXAMLの編集以外の点については通常の.NETアプリケーションとそれほど変わらない。そのためVisual Studioに慣れているユーザであればSilverlight Toolsを利用することで比較的容易にSilverlightアプリケーションの開発をはじめることができるだろう。
Eclipse4SL
Eclipse4SL]はSoyatecがオープンソースで提供しているSilverlight開発用のEclipseプラグインだ。Eclipseの更新マネージャで、更新サイトからインストールすることができる。
動作にはEclipse 3.4 Ganymede、.NET Framework 3.5以上、Silverlight 2ランタイムおよびSilverligh2 SDKが必要となる。
Eclipse4SLではコード補完/プレビュー表示が可能なXAMLエディタ、強調表示と簡単なコード補完機能を備えたC#エディタ、SilverlightアプリケーションをEclipse上から実行する機能などを備えている。また、プロジェクトの形式はVisual Studioと互換性がある。
XAMLエディタの機能はSilverlight Toolsと類似しているが、XAMLに日本語を記述するとプレビューが文字化けする、C#エディタの機能が貧弱、デバッグを行うことができないなど、Visual Studioと比較すると機能面では大きく見劣りするのが現状だ。オープンソースで開発されていることから今後の改善に期待したい。
まとめ
一昔前はMicrosoftのVisual Studioは非常に高価で個人ではなかなか手を出しにくい面もあったが、最近ではExpress Editionを無償で利用できるほか、Silverlight Toolsのようなアドオンや、Eclipse4SLといったオープンソースの開発ツールも登場してきており、敷居は非常に低くなったといえる。無償の開発環境を利用してSilverlight開発にトライしてみてほしい。