XMindとは

XMindとはオープンソースのマインドマップ作成ツールだ。マインドマップとは英国のトニー・ブザン氏が考案した表現技法で、中心となるキーワードや図から放射状に必要な情報を記述していくもの。XMindは厳密には開発ツールとは呼べないが、Eclipseベースで開発されており、スタンドアロンアプリケーションとしてだけではなく、Eclipseプラグインとしてインストールもできることから本連載で取り上げることにした。

図1 XMindのWebサイト

XMindには無償で利用できるXMind Freeと、有償のXMind Proの2つのエディションが存在する。本稿では無償のXMind Freeを紹介するが、有償版では以下のような機能が提供されている。

  • スライドショー、音声などのビジネス向け機能
  • PDF、Word、PowerPointへのエクスポート機能
  • コラボレーション機能の強化

詳細については無償版と有償版の機能比較についてはこちらのサイトを参照してほしい。

XMindのインストール

XMindのWebサイトではWindows、Linux(Debian/Ubuntu)、Mac OS X向けのインストーラが提供されている。これらのインストーラではスタンドアロンのEclipseRCPアプリケーションとしてインストールすることができる。

また、EclipseにプラグインとしてインストールするためのZIPファイルおよび更新サイトも用意されている。

更新サイトからインストールする場合は、本体と別に国際化のためのプラグインを選択することができる(中国語、ドイツ語、日本語が用意されている)。日本語向けのプラグインを選択してインストールするといいだろう。

本稿ではEclipse 3.4環境にXMindをインストールした環境を前提に解説を行う。

XMindを使ってみよう

XMindをインストールしたら「ファイル」→「新規」→「その他」から「マインドマッピング」で新規マインドマップを作成することができる。作成するファイルの拡張子は.xmindにする必要がある。

図2 新規マインドマップの作成

マインドマップエディタではツールバーやコンテキストメニューからマインドマップを編集することができる。エディタの動作には細かいアニメーションも取り入れられており、操作感は良好だ。また、キーボードショートカットも充実しておりキーボード操作だけでもほとんどの操作を行うことができるようになっている。

図3 マインドマップの編集

XMindではあらかじめ用意されているマーカー(アイコン)や任意の画像を貼り付けたり、ファイルの添付を行うことも可能になっているほか、マップ形式だけでなく魚骨図やスプレッドシート形式で表示したり、テーマ(マップスタイル)によってマインドマップの全体的な見た目を変更することもできる。表現力の高いマインドマップを作成することが可能だ。

図4 マップスタイルによるテーマの変更

なお、作成したマインドマップはHTMLや画像ファイルとしてエクスポートすることが可能だ(Pro版ではPDFやWord、PowerPointにエクスポートすることもできる)。

マインドマップをXMindのサイトで公開

XMindの大きな特徴が、作成したマインドマップをXMindのWebサイトにアップロードして公開することができるという点だ。アップロードにはXMindのアカウント(無償で登録可能)が必要となる。XMindのサイトではすでに多くのマインドマップが公開されており、各マインドマップにコメントもつけられるようになっている。

図5 XMindのサイトで公開されているマインドマップ

マインドマップは思考の共有にも適した技法であり、Web上のサービスと連動してマインドマップの共有のための仕組みを提供しているのは興味深いところだ。

まとめ

オープンソースのマインドマップ作成ツールとしてはFreeMindが有名だが、XMindもマインドマップ作成ツールとしてはかなり高機能で、美麗なマインドマップを簡単に作成することができる。マインドマップに興味のある方はぜひ試してみてほしい。